令和2年第1回定例会で水野義之議員が代表質問

202003mizuno01

 1 市長の政治姿勢について
(1)総合計画の基本計画改訂の趣旨と方針について
 今回、総合計画基本計画の改訂に係る趣旨と方針、市長の決意について伺いたい。

■小出市長 今回の基本計画改訂の趣旨につきましては、これまでの成果や課題を検証し、計画策定後の本市を取り巻く社会経済情勢の変化、さらにその先にある時代の潮流を捉え、施策を強化することにあります。
 次に、改訂の方針としましては、「人口減少対策の強化」と「新たな時代の流れを力とする」ことの2点を変革の視点として、取り組むことといたしました。
 1点目の人口減少対策につきましては、社会的要因による減少幅は鈍化傾向にありますが、若者・女性の転出超過、出生が死亡を下回る自然的要因による減少が続いていることに強い危機感を持ち、人口減少対策に特化した「市原市まち・ひと・しごと創生総合戦略2020」の策定と一体的に施策の強化を図ったところであります。
 具体的には、若者が集まる魅力ある拠点の形成、結婚や子育ての希望実現など、強化した施策を具現化するため、実行計画において実効性の高い事業の採択や拡充を行ったところであります。
 2点目の「新たな時代の流れを力とする」につきましては、SDGsやSociety5.0など、社会の潮流を捉え、時代のニーズに的確に対応するため、各種施策の強化を図りました。
 特に、SDGsにつきましては、市民生活に最も密着した基礎自治体であり、市民、各種団体、企業、大学など多様な主体と連携ができる「市原市」だからこそ、積極的に取り組むべきとの強い思いを持っております。
 そこで、総合計画で掲げた施策との関係性を明確化し、全庁をあげて持続可能な開発目標であるSDGs達成に向けた取組を推進してまいります。
 私は、「計画は策定して終わりではなく、実行して成果を上げてこその計画である」との強い信念のもと、常に進化し続ける総合計画を中心とした行政経営を一層推進し、都市像「夢つなぎ ひときらめく 未来創造都市 いちはら」の実現を何としても成し遂げるといった強い覚悟を持って取り組んでまいります。

 (2)新実行計画のオープンイノベーションプロジェクトについて
 今回の実行計画の重要な部分であるオープンイノベーションプロジェクトについて、その内容、市長の思いについて伺いたい。

■小出市長 我が国は、2008年に総人口のピークを迎え、2025年には団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になるなど、世界のどの国も経験したことのない人口減少・少子高齢化に直面しております。
 このような中、本市の人口は、国より5年早い2003年にピークを迎え、今後の推計では、全国よりも早いペースで少子高齢化が進むことが明らかであります。
 私は、こうした状況に強い危機感を持ち、市長就任以来、本市のポテンシャルを活かした魅力の創出や、対話と連携による機運の醸成など、本市の地方創生に向けた土台づくりを進め、確かな成果を生み出してまいりました。
 2025年を5年後に控え、本市の将来を左右する節目となる今だからこそ、これまでに培った土台を活かし、新たな時代を切り拓くため、私は覚悟と希望を持って「いちはらイノベーション宣言」を表明いたしました。
 この具現化に向け、専門家や民間人材などで 構成する「(仮称)いちはらイノベーション本部」を設置し、まちづくり・ひとづくりのプロジェクトを重層的に展開してまいります。
 この中心的な事業が「オープンイノベーションプロジェクト」であります。
 本プロジェクトでは、行政と民間の枠組みを 超え、市内外の企業とオープンに対話し、企業が持つ知見や技術を積極的に取り入れ、人口減少・少子高齢化に起因する様々な地域課題の解決に取り組んでまいります。
 あわせて、意欲ある若者を全国から呼び込み、本市のポテンシャルを活かした新たな地域ビジネスの創出を後押しし、地域の活力向上や若者の定住化

へとつなげてまいります。
 私は、人口減少・少子高齢化が進む社会の中で、「日本の縮図」である本市が魁となって、公民連携によるイノベーションを巻き起こし、未来へと飛躍する、持続可能な新時代を創生してまいります。

 (3)新しい組織編成における戦略と決意について
 今回の行政組織機構改革で特筆されるのは、市原市政初となる副市長2人制と考える。新たに設置される副市長は都市戦略担当ということで、市長のまちづくりに向けた並々ならぬ熱意を感じるところであるが、どのような戦略方針を構想されているのか見解を伺いたい。また、市長の決意について伺いたい。
 
■小出市長 私は、新たな時代へ向けたイノベーションを必ず成し遂げるという強い覚悟をもって、「組織は戦略に従う」という理念のもと、令和2年度に向けた行政組織機構改革を断行いたしました。
 特に、魅力あふれる都市創生の具現化に向けては、公共資産マネジメント戦略、拠点形成戦略、交通網戦略の3つのまちづくり戦略を一体的に推進する都市戦略部を創設するとともに、企画部、経済部、都市部等の関連施策を統括する司令塔として、都市戦略担当副市長を新たに設置することとしました。
 私は、戦略的に構築した新たな組織体制のもと、これまでの延長線ではなく、大胆な発想によるダイナミックなまちづくりに、職員の先頭に立って挑戦してまいります。

2 行財政改革アクションプランⅡについて
 (1)ICT活用による業務の効率化と市民サービスの向上について
 ICTの活用について、どのような方向で検討し、展開を図り、市民サービスの向上につなげていくのか、市の考えを伺いたい。また、ICTの活用を図るうえでは、ICTに精通した人材の育成も重要と考えるが、併せて見解を伺いたい。

■総務部長 本市ではこれまで、「市原市情報化推進計画」のもと、様々な分野の情報化に取り組むとともに、行財政改革においては、ICTを活用した業務効率化に努めてまいりました。
 一方、ただ今議員のご指摘にもございましたとおり、ICTの進展は目覚ましく、Society5.0という新たな社会が訪れ、市民生活にも大きな変化が生じようとしています。
 このような時代の潮流を踏まえ、より便利な行政サービス、より効率的な行政運営に挑むため、本年度新たに、「(仮称)新市原市情報化推進計画」を策定しております。
 この計画では、「情報化の推進でより良い行政サービスを提供する」を目標に掲げまして、行政サービスのデジタル変革による市民生活の利便性の向上や、行政事務のデジタル変革による生産性の向上、そしてセキュリティの強靭性と利便性の両立による安全な行政サービスの提供の三つを基本的な施策の方向性としてお示ししております。
 具体例を申し上げますと、市民がスマートフォンなどからいつでも、どこでも、行政手続きができる環境の整備、また、市民が必要な情報を容易に入手できるよう、市民と行政の双方向コミュニケーションを確立することなどに取り組んでまいります。
 また、ICT人材の育成につきましては、全ての職員の情報セキュリティ意識の向上を図るとともに、各種研修機会の充実や、情報処理資格の取得を推進しまして、ICTリテラシーの向上を図ってまいります。

 (2)RPAの推進について
 RPAは他自治体でも導入が始まっているが、本市ではRPAの推進にあたって、適用する業務の抽出や選定はどのように行ってきたのか、これまでの取組状況を伺いたい。また、今後、どのように全庁へ展開していくのか、併せて見解を伺いたい。

■総務部長 本市では、RPA等の新たな技術にいち早く着目し、昨年度、全庁的な説明会を実施いたしまして、RPAを適用可能な業務の照会及び聞取りなどを行った上で、試験的導入による効果検証など、本格導入の準備を進めてまいりました。
 本年度は、これらの結果に基づきまして、導入効果が高いと見込める事務を選定し、担当課と業務フローの最適化を図った上で、RPAを実用化いたしました。
 これにより、本年度は、RPAを適用した業務全体で、年間に換算いたしまして約2,000時間の削減効果を見込んでおります。
 今後の展開につきましては、昨年度の調査結果も踏まえまして、文字認識AIとの組合せによる対象業務の拡充などを図り、事務の自動処理化を推進するとともに、職員が市民サービスや創造的業務により一層注力できる環境整備を進めてまいります。
3 防災対策について
 (1)市原市地域防災計画の見直しの方針と進捗状況について
 昨年の一連の災害の経験を生かし、市民の声を十分に聴きながら、しっかりと地域防災計画の見直しを行うことにより、本市の防災力の向上につなげていただきたいと考えるが、市原市地域防災計画の見直しの現時点での方針と進捗状況について伺いたい。

■総務部長 まず、地域防災計画の見直し方針といたしましては、令和元年房総半島台風、これは台風15号でございますが、から始まる一連の災害対応についての課題や対策の方向性等につきまして、今年度中に学識経験者等の第三者による客観的な検証を行い、来年度、この検証結果を踏まえた、市原市地域防災計画の見直しを行ってまいります。
 次に、進捗状況といたしましては、災害検証にあたりまして、町会長192人、市民2,266人からいただいたご意見の他、職員や関係団体等からの意見や提案など、幅広い意見を踏まえながら、現在、地域防災計画上の問題や運用面の問題などについて、課題の精査を進めております。
 災害対応検証の中間報告につきましては、議員の皆様にもご報告させていただいたところでございますが、主な課題としては、「現地連絡本部と町会等が連携した情報の収集」「停電の長期化を想定した非常通信手段や電源の確保」「多数の避難者が訪れた際の避難所の職員体制」などが挙げられております。
 今後は、災害対応の分析・検証等をさらに進めまして、防災に精通した学識経験者からの総合評価や提言をいただきながら、今年度中に災害検証報告をとりまとめてまいります。
 その上で、必要な対策を速やかに講じるとともに、国・県の関連計画の見直しの状況等も見極めながら、市原市地域防災計画の見直しを行うことにより、地域防災力のさらなる向上を着実に進めてまいります。
 (2)小・中学校での防災計画と防災教育について
 各学校における防災計画はどのようになっているのか。また、今年度の台風による災害を受け、防災計画の見直しを図っているのか、伺いたい。

■学校教育部長 各小・中学校において、市原市立小学校及び中学校管理規則に基づき、防災計画書を作成し、児童生徒がより安心・安全な学校生活を送れるように努めております。
 防災計画書の作成においては、地震・津波対応行動、火災対応行動、不審者対応行動等、様々な危機を想定しながら、毎年、防災組織体制や防災教育の見直しを図っております。
 しかし、昨年の台風15号をはじめとした災害では、市内各地で数日間にわたる停電や断水、倒木、土砂崩れなどが同時に発生するなど、甚大な被害がありました。
 市教育委員会といたしましては、この経験をふまえ、「風水害発生時における児童生徒等の安全確保の徹底について」防災計画書の見直しを指示し、今後も児童生徒の安心・安全を最優先に努めてまいります。

 各学校における防災教育について、どのような場面で実施されているのか。また地域防災訓練への児童生徒の参加についての見解を伺いたい。

■学校教育部長 各小・中学校における防災教育については、地震や火災、不審者対応等を想定した避難訓練を、学校の実態に応じて年に数回実施しております。さらに、全校集会、学年集会や学級活動の時間等に防災意識を高める体験活動なども実施しております。
 また、地域防災訓練等において、学校と地域が連携をし、防災グッズの作成体験や炊き出し訓練等の防災教育をしている地区もございます。
 各地域で開催される防災訓練への児童生徒の参加につきましては、自分の命を守る行動ができる経験の一つとして、大切だと考えております。
 教育委員会といたしましては、今後も地域の実態や各学校の教育課程に応じて、地域と学校のさらなる連携を働きかけてまいります。

 (3)町会、市民との情報共有体制の構築について
 災害時、様々な手段を活用した情報発信によって、災害情報をより確実に周知できる仕組みの構築と災害対応を的確に行うため、被害状況や被災者のニーズなど地域の情報を現地連絡本部となる支所や町会を通じ、効率的に集約する仕組みの構築が必要と考える。町会や市民との情報共有体制の構築について検討が進められていると思うが、現状を伺いたい。

■総務部長 まず、情報共有のうち、市からの災害情報の発信につきましては、市民に災害情報をより確実に伝達するため、防災行政無線を始め、様々な情報伝達手段の多重化に日頃より取り組んでおります。
 新年度からは、自ら災害情報を取得することが困難な避難行動要支援者に対しまして、災害情報を直接発信する新たなシステムの導入を計画しております。
 また、今回の一連の災害では、長期停電への対応として、加茂地区への全戸訪問や広報いちはら号外の発行を行ったほか、高滝ダムの緊急放流への対応として、広報車や消防団車両による巡回など、多様な手段を活用し、臨機な対応を図ったところでございます。
 次に、市民からの被害情報等の収集につきましては、令和元年房総半島台風での長期停電に起因する通信手段の途絶により生じた、情報収集・伝達面での課題を踏まえまして、令和元年東日本台風、これは台風19号でございますが、の際には、町会長連合会との連携により、地域の被災情報を各町会長がとりまとめ、現地連絡本部である支所を通じて、災害対策本部に集約する仕組みを構築したところであり、この仕組みは情報収集だけではなく、市からの情報伝達にも活用できるものと考えております。
 今後も、情報伝達手段の多重化を図るとともに、町会長連合会とも連携いたしまして、災害時における町会・市民との一層の情報共有が図れるよう取り組んでまいります。

 (4)実践的防災訓練について
 毎年、総合防災訓練を実施しているが、事前のシナリオに沿って行うような訓練では、災害時にはあまり役に立たないと考える。訓練での失敗や課題を通じて、新たな発見や気づきがあるような、より実践的な訓練が必要であると考えるが、今後の防災訓練の実施方針についてどのように考えているのか伺いたい。

■総務部長 本市の防災訓練では、地域防災計画に定める想定災害に基づき、住民による避難訓練、町会と連携した情報収集・伝達訓練、自衛隊等との防災関係機関との公助連携訓練、そして土のう積み訓練や防災啓発講話など、実践に役立つ訓練で、かつ防災を身近に感じていただけるよう、これまで取り組んでまいりました。
 このような中、今回の一連の災害を通して、まず改善を図らなければならない喫緊の課題は、避難所の開設・運営を住民とともにいかに円滑に行うことができるかという点にあると考えております。
 このことから、次年度の総合防災訓練におきましては、避難所運営委員会、町会、自主防災組織、施設管理者そして避難所担当職員等の連携のもと、避難所の開設・運営を適切に行えることを目標といたしまして、中央会場を含めた全ての会場で、より実践的な訓練を実施してまいります。
 さらに、避難所担当職員につきましては、担当する避難所の開設・運営に係る対応能力の向上を図るため、必要な知識の習得や訓練を実施してまいります。
 今後は、市民が防災を我がこととして捉え、いざという時に具体的な行動
を起こすことができるよう、訓練のねらいや目標をしっかりと理解していただきながら、身に就く訓練を繰り返し実施してまいります。
4 新たな感染症への対応について
 (1)国、県との連携、情報共有について
 新型コロナウイルス感染症に関する情報を、市ではどのように取得しているのか。その体制と最新情報、市民への行動啓発について、伺いたい。

■保健福祉部長 新型コロナウイルス感染症に関する、国、県からの情報につきましては、県主催の会議や、市原保健所等の県関係機関からのメール、もしくは電話などによる直接のやり取りにより取得しているところです。
 具体の事例といたしましては、新型コロナウイルス感染症患者の国内発生事例当初の時期では、県により1月27日に開催された市町村向け説明会に、職員が参加し、国・県の対応や市町村に求められる役割などの情報を得ております。
 また、国の方針を受け千葉県が2月7日に設置した帰国者・接触者相談センターに係る情報につきましては、即日、市原保健所より提供を受けております。
 これら提供を受けた国・県の情報のうち、市民の皆様に関わるものにつきましては、ホームページ、広報紙、SNS等の方法により、お知らせしているところであり、市の発信内容につきましては、市原保健所と、齟齬がないよう適宜、確認し合っているところです。
 この他に、情報取得の手段として、インターネットの活用も行っているところです。
 次に、最新情報と行動啓発でございますが、市民の皆様が行動する上で、参考としていただく情報といたしまして、2月17日に厚生労働省より「新型コロナウイルス感染症についての相談・受診の目安」が示されており、市のホームページにおきましても公開しております。
 感染の疑い等の無い人が、日常生活において気を付ける点や、感染の疑いが懸念される症状の目安、また、帰国者・接触者相談センターに関する情報などを盛り込んだ内容をホームページに掲載しており、市民の皆様におかれまして、これに基づいたご対応をいただけるよう努めているところです。
 新型コロナウイルス感染症を取り巻く状況は、日々変わってきておりますことから、今後も、速やかな情報取得、情報提供に努め、国・県と連携した対応を図ってまいります。
 
(2)各種イベントへの影響と市長判断について
 アート×ミックスでは、各会場をはじめ、アートパフォーマンスやオフィシャルツアーで使用するバスや列車など、多くの来場者や利用者があり、また、公共施設では、サークル活動等のため多くの市民が使用していることから、来場者や利用者に対して、市長判断において、予防的措置の徹底を図ることが必要と考えるが、市長の見解を伺いたい。

■小出市長 中国を中心に、世界各国へと広がりを見せる新型コロナウイルスによる感染は、国内においても、日々、新たな感染者が報告されております。
 こうした状況を踏まえ、私は今月13日に、庁内の全部局長を招集して、第1回目の市原市新型コロナウイルス対策会議を開催し、国や県から示された情報の共有を図るとともに、市民への周知など、市として考えうる限りの対策を講じるよう、指示をいたしました。
 また、昨日、国から「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」が公表されたことを受け、ただちに第2回目の対策会議を開催し、市としての感染症対策の行動指針や、市主催・共催のイベント等に対する基本的な考え方を取りまとめるとともに、市の危機管理体制を一段引き上げ、対策本部を設置したところであります。
 ご質問の各種イベントへの影響でございますが、国から示された基本方針では、「現時点で全国一律の自粛要請を行うものではないが、イベント等を主催する際には、感染拡大防止の観点から、感染の広がり、会場の状況等を踏まえ、開催の必要性を改めて検討するよう要請する」とされております。
 この方針を踏まえ、市といたしましては、感染拡大を抑える重要な時期と言われている3月中旬までの期間において、市が主催または共催するイベントのうち、密閉空間で一定時間の滞在が伴うものや、不特定多数の高齢者が参加するものなど、感染リスクの高いイベントについては、原則として延期または中止とすることといたしました。
 また、イベント等を行う場合は、会場へのアルコール消毒薬の設置や、咳エチケット、手洗い等の徹底、健康チェックの実施など、参加者側および主催者側の双方において、感染症対策を十分に講じたうえで開催することといたしました。
 現時点では、こうした基本的な考え方に基づき、いちはらアートミックスをはじめとする各種イベントについて、個々の状況により、判断していくこととなりますが、新型コロナウイルスにかかる状況は、日々刻刻と変化をしております。
 私は、国内外の情勢を的確に把握し、都度、方針の修正を行いながら、市民の皆様が安心して生活していただけるよう、強い危機感を持って、感染症対策に取り組んでまいります。

 (3)市民や事業者への感染予防啓発について
 どのような広報手段を使い、市民に情報を提供していくのか。また、高齢者施設等の各事業主体への感染予防啓発についてどのように対応していくのか、伺いたい。

■保健福祉部長 新型コロナウイルス感染症の予防には、季節性インフルエンザと同様、咳エチケットや手洗いなどが重要とされております。
 また、新型コロナウイルス感染症に関する情報は、日々出されている状況であります。
 こうした感染症対策を実践いただくよう、感染症予防に有益な新たな情報を含め、ホームページへの掲載、「Twitter」、「yahoo!防災速報アプリ」等SNS媒体を活用した情報発信のほか、広報いちはらへの掲載、チラシの町会回覧など様々な方法により、迅速性や情報内容などに留意しつつ行っているところであり、今後におきましても、迅速で正確な市民の皆様等への周知・啓発に努めてまいります。
 また、高齢者施設等の各事業主体への予防啓発につきましては、現在、市ホームページ上に「社会福祉施設等における新型コロナウイルスへの対応について」を設け、厚生労働省等、国から発出された通知等を掲載、更新しており、高齢者施設の事業者に対しましては、逐次、情報確認するよう依頼するとともに、厚生労働省が定めた感染症マニュアルに基づく対応について、電子メール等を使用し伝達しているところであり、
 今後も、引き続き、高齢者施設等における感染予防に努めてまいります。
5.教育行政について
 (1) 姉崎高等学校の「ものづくりコース」について
 市内で初めて「ものづくりコース」が出来ると聞いており、既にコースの内容が決まってきていると思うが、生徒の定員数やコースの構成、カリキュラムなどについて伺いたい。

■経済部長 姉崎高等学校の「ものづくりコース」は、令和2年度に入学する生徒から対象となり、定員については 20名から30名を予定しております。
 コースの選択については、2学年に進級する前にコースの希望を取った上で、成績や工業に対する意欲・関心、進路希望、出欠状況等を総合的に評価し、選考する予定と伺っております。
 具体的なカリキュラムにつきましては、1年生の4クラス、160名全員が、「産業社会と人間」を1単位履修しするほか、地元企業が講師を務める講義や工場見学を行う予定でございます。
 2年生においては、ものづくりの基礎を学ぶ「工業技術基礎」を3単位と電気・電子の基礎、計測・制御技術、生産設備管理などを学ぶ「生産システム技術」を2単位履修します。また、地元企業が講師を務める講義や夏休み期間中に3日間のインターシップを地元企業の協力を得ながら実施する予定としております。
 3年生においては、自ら課題を決め、自ら学び、解決していく「課題研究」を4単位と2年次から引き続き実施する「生産システム技術」を3単位履修いたします。
 姉崎高等学校の「ものづくりコース」は、普通科の学びを基本に履修しながら、工業の基礎を学び、地元ものづくり企業への就職につなげていくものでありますことから、姉崎高校と企業が連携して事業を進められるよう市といたしましても引き続き支援してまいります。

 一般の工業高校では在学中に数種類の資格を取得することができるようであるが、この「ものづくりコース」でも同様に在学中に資格の取得はできるのか伺いたい。

■経済部長 令和2年度から姉崎高等学校に設置される「ものづくりコース」の選択によって、直接取得できる資格は現段階ではありませんが、従来より同校では、フォークリフト及び溶接などの特別教育により、資格を取得することができると伺っております。
 市といたしましては、今後、「ものづくりコース」がスタートする令和3年度に向けて、生徒の資格取得の支援などについて、姉崎高等学校と協議しながら検討してまいります。

 (2)小・中学校の理科教育について
 小・中学校の理科の授業時数が以前に比べて減っていたり、実験をする準備が大変で実験・観察も少なくなっているような状況が報道等で言われているが、市原市ではどのような形で小・中学校で理科教育が行われているのか、伺いたい。

■学校教育部長 小・中学校の授業時数につきましては、文部科学省が定めている学習指導要領に示されています。ご指摘の理科につきましては、小・中学校とも平成10年から平成20年までの学習指導要領改訂期間、授業時数が減っておりました。
 しかし、この平成20年の学習指導要領の改訂で理数教育の充実が掲げられ、それに伴い小・中学校とも理科の授業時数が増えております。
 各小・中学校では、児童生徒が身の回りの現象や事象に「なぜだろう。」と疑問を持ち、「なぜか。」を予想し、実験や観察の結果から「わかった。」という感動を味わえる授業への取組を大切にしております。
 一例を挙げますと、小学校6年生の「植物のからだのはたらき」で、「しおれた植物に水を与えてしばらくすると、もとにもどるのはなぜか。」を考え、予想し、植物の根から色のついた水を吸い上げさせ、植物のからだのどこを通って全体に運ばれるのかを観察します。
 さらに茎や根を、輪切りや縦方向に切って、断面も観察と記録をし、深い学びにつなげています。
 今後も、児童生徒が、理科教育をはじめ「主体的・対話的で深い学び」が実践できるよう、努めてまいります。

6 『チバニアン』について
 (1)歴史遺産としての整備方針と「ミュージアム構想」との連携について
 「チバニアン」の歴史遺産としての今後の整備方針と現状についてお伺いします。併せて「いちはら歴史のミュージアム構想」との連携について、見解を伺います。

■生涯学習部長 はじめに、整備方針についてご説明いたします。
 先に取りまとめました保存活用計画では、整備にあたり次の2点を掲げております。
 1点目は、地層や地形など天然記念物の本質的価値を確実に次世代に受け継いでいくために、保存に影響を与えない整備を行うこと。
 2点目は、良好な研究環境の保持と合わせ、見学者にその価値と魅力を適切に伝える安全で快適な見学環境を構築することでございます。
 現在、この保存活用計画の整備方針を踏まえた整備基本計画を策定中であり、今後、詳細設計を経て、見学路整備、ガイダンス施設の建設事業に着手してまいります。