平成26年第3回定例会で鴇田議員が代表質問を行いました。質問並び答弁は以下の通りです。
1 副市長の内部登用について
* これからの市制運営はさまざまな行政課題に対応するためには、組織が連携し、全庁
一体となって課題に取り組むという総合行政の強化こそが最も重要である。
このような中で、本市で初めて内部から副市長を登用したが、今回の副市長の内部登
用について、市長はどのような目的や思いをもって行ったのか、市長の考えを聞きたい。
ただいま、市民クラブを代表しての鴇田議員の質問に私からお答えさせていただきます。
私は昨年、市制50周年という節目の年に、市長として、様々な記念事業を実施させていただきました。
それらを通し、本市の歴史を振り返る中で、これまでの発展を支えてこられた市民や企業の皆様への感謝の思いと市政の舵取り役としての責務の重さを改めて強く感じたところでございます。
今日まで、先輩の議員もいらっしゃいますし、先輩の市長もいらっしゃいますが、そうした全ての皆さんの思いが今日この時に結集されているという思いで、私は市長という重責を担わしていただいているということを、改めて皆さまに申し上げたいと思います。
社会や経済の情勢はめまぐるしく変化を続けております、行政に対する期待は今後益々高まっていくものと考えられます。
私たちは、次世代の子や孫たちのためになすべきことをしっかりと見極め、市原市の歴史を将来に引き継がなければならないと思います。
そのためにも、広い分野にわたる行政課題に対し、組織が有機的に連携し、一体として取り組むという総合行政の強化が重要であるということは、私も鴇田議員も思いを同じくするところではないかと思います。
このようなことから、さらなる50年に向け、新たなスタートを切るにあたり、市政に精通し、本市の状況を幅広く見渡せる能力を持った人材が必要との考えのもと、初めて内部登用により、副市長を選任させていただきました。
副市長には、私の補佐役として手腕を発揮してもらうことはもとより、施策の円滑で着実な推進のため、総合行政の中心的役割を担ってもらいたいと考えております。
その実践を全庁的に進める、そしてまた、オール市原で、市民の皆様と共通理解の中で、私たちは大変な時代を乗り切り、そして、すべての人々が、市民の皆様が幸福を実感できる、本当に幸せというものを自分のものにできるような、そういう市政運営を進めて行きたいと、このように考えているところでございます。どうぞよろしくお願い致します。
2 総合行政について
(1) 総合行政について
* 市長は就任期間の11年間「オール市原」を掲げ市政運営をしてきたが、組織の結びつき、横の連携など、総合行政としての重要部分が達成できていないと感じる。市長は、総合行政についてどのように捉えているか。
総合行政について、お答えいたします。
私は、行政を効率的に推進する上で、行政組織の持つ専門性は重要であると認識しております。
しかしながら、新たな時代のニーズや複雑な地域課題へ対応するためには、組織を超えた行政としての総合力が求められていると考え、総合行政を推進してきたところであります。
また、企業や各種団体との協働も重要であることから、私は市長としてリーダーシップを発揮し、一丸となって諸課題へ取り組み、さまざまなプロジェクトを実施してまいりました。
今後、人口減少社会への対応など、長期的かつ総合的な取組も求められているところであり、総合行政の推進は、ますます重要となってくることから、部門間の一層の連携強化を図ってまいりたいと考えております。
(2) 組織との関係について
* 行政ニーズの多様化は、組織の細分化を生む。その一方で複雑な行政課題に対し、単独の部門では解決が困難となる。部門間での情報の共有化、連携が必要であるが、職員一人ひとりにいかに意識付けるかが重要と考えるが見解を伺いたい。
組織との関係について、お答えします。
総合行政を推進する上で、部門間での情報の共有化や連携は重要であり、その構成員である職員一人ひとりの考え方や意識が同じ方向を向くことによって、行政としての総合力を発揮できるものと考えております。
このようなことから、各種課題や情報について、職員一人ひとりの共有化を図るため、部門間を横結びする総括担当主幹の配置や、部門における政策推進会議の開催など、その共有化に努めてきたところであり、引き続き、推進してまいります。
さらに、地方分権において、自立的な行政を推進する上で、企画・立案、執行、評価などを一貫して行う総合性も求められていることから、中長期的な視点や幅広い視野など、各種研修等を通じて職員の意識付けも図ってまいりたいと考えております。
(3)人事異動について
*「総合行政」を推進するためには、職員の持つ知識や情報を承継し、多面的な視点で活用できる職員の育成が重要であるが、総合行政の推進の観点からどのような考えを持って人事異動を行っているのか、その考えを伺います。
人事異動について、お答えいたします。
人事異動は、適材適所の配置を行い、職員の士気を高め、組織に活力を持たせること、幅広い視野で仕事に取り組めるよう、計画的なキャリア形成や効果的な人材を育成することを目的としております。
人事異動を定期的に実施することにより、職員に様々な職場や職責に必要となる知識・経験を習得する機会を創出するとともに、職員の知識・経験の継承や育成の観点から、各職場においては、上司や先輩職員が、日常の仕事を通して、職員の能力開発及び育成を行うOJTが実施されております。
これらの取り組みを通しまして、今後も総合行政の観点を持った人事異動に努め、多面的視点を持った人材を育成を図ってまいります。
(4) 退職した職員の活用について
* 教育委員会においては、退職校長会等の人材を人的資源として活用する動きにならい、長年培ってきた経験やノウハウを活かして、住民福祉の向上につながるような職員OBによるサポータ一制度のような体制づくりを市長部局でも考えてみてはどうか。
退職した職員の活用について、お答えします。
長年、市政運営に携わり退職された職員は、地方分権の進展や社会経済情勢の変化等を目の当たりにされてきた豊富な知識や経験を持たれております。
現在、本市では、平成14年度から退職職員の再任用制度の活用により、これまで培ってきた経験をもとに、それぞれの部署で手腕を発揮されております。
現在、再任用職員の活用方策については、改めて検討しているところであり、今後とも対象職員のより適正な配置や活用に努めてまいります。
(5) 組織間の連携について
* 高滝湖の花火大会は今年中止となり、主催する観光協会の経営難が理由と伝えられているが、有料観覧席を出来る限り設置し、その観覧席の券を商工会議所や、観光協会等関係団体の会員の皆さんが受け持つ等の方法は無かったのか。
また、これまで、実行委員会を組織して運営しているが、主に高滝湖周辺の関係団体で構成されており、実行委員会の機能を強化して、「オール市原」の花火大会が実施できるように望むものである。併せて見解をお聞かせください。
高滝湖観光花火大会への取り組みについて、お答えいたします。
高滝湖観光花火大会は、観光協会が主催し、市の補助金や協賛金などにより運営されておりますが、近年、会場周辺の警備の強化や安全対策等により、開催費用が増加し、運営資金の確保が課題となっておりました。
議員ご指摘の「有料観覧席」の販売や「協賛金」の協力体制の必要性につきましては、市と観光協会において、近隣市の運営方法等を調査し、安定的に資金を確保するための方策を検討するとともに、商工会議所など、主要となる関係団体と意見交換を始めております。
また、花火大会の実行委員会につきましては、大会の再開に必要な運営資金の確保と協力体制の強化を図るために、市内産業界に参画いただきながら、今後の実行委員会の組織の構成や大会の運営方法等について、観光協会と共に検討してまいりたいと考えております。
(6) 関係団体等の総合行政への協力について
① 指定管理者について
* この指定管理者制度の運用に当たっては、庁内統一的な実施及びその考え方の共有化が図られており、これにより確実な住民福祉の向上が図られているものと思うが、過去に許可されたものが、今回は許可されないという利用者が戸惑うような施設運営の事例があるとも聞いている。
市としては、指定管理者に対してどのような指導監督を行っているのか。行政として、市民に信頼される指定管理者を育成していく必要があると思うが、考えを聞きたい。
指定管理者について、お答えします。
指定管理者への指導監督については、市と指定管理者間で締結する基本協定書において、指定管理者の責務を明確にするとともに、市は管理業務の適正を期するため、必要に応じて報告を求めたり、実地に調査し、必要な指示をすることができること、さらに指定の取消等について、規定しています。
また、指定管理者の育成につきましては、モニタリングの一環としてアンケート調査を行っているところであり、市民サービス向上を目指し、引き続き適切な管理運営が図られるよう取り組んでまいります。
(6)関係団体等の総合行政への協力について
②JA市原市とのパートナーシップについて
* 現在も、本市の農業施策においては、JA市原市とのパートナーシップに基づき推進しているものと思いますが、私にとってはまだ希薄であるように感じられます。
今後、より一層の協働・連携を強化し、市原市の農業振興を図っていただきたいと思いますが、当局の見解をお伺いします。
JA市原市とのパートナーシップについて、お答えいたします。
本市では、米を中心に、畜産、野菜、果樹など、幅広い農産物が広域に生産されており、これら農産物の生産性や品質の向上を図っていく上で、JA市原市をはじめ、県農業事務所など、関係団体との更なる緊密な連携が、必要不可欠になっていると考えております。
特に、JA市原市は、農業生産力の増進や農業者の経済的な向上を目的として、農業経営や技術的な指導に取り組むとともに、農産物の販売や生産資材の供給を行い、地域農業の発展に重要な役割を担っております。
本市では、JA市原市等と連携し、姉崎ダイコンのように、生産供給体制を拡大したものもございますが、市内全域において、農業従事者の高齢化や後継者不足、耕作放棄地の拡大、農業所得の減少など、農業に関する諸課題が顕在化してきております。
このようなことから、地域特性にあった新たな農産物の開発や栽培技術の指導等を通して、付加価値の高い農産物を生産し、普及していくことが、本市農業の持続的な発展にもつながりますことから、JA市原市との連携協力をさらに深めて、農業の振興に取り組んでまいりたいと考えております。
3.公共資産マネジメントについて
(1)公共資産マネジメントの基本的な考え方について
* 公共資産マネジメントについて、現在の取り組み状況と、どのような視点で取り組もうとしているのか、基本的な考え方を伺いたい。
公共資産マネジメントの基本的な考え方について、お答えいたします。
本市の保有する公共施設は、その多くが整備から30年以上経過し、老朽化が進んでいることから、近い将来、一斉に更新時期を迎え、施設の維持管理や更新に膨大な事業費が必要となると予想されます。
一方で、市の財政状況は、今後、生産年齢人口の減少による税収減、老年人口の増加による社会保障関連経費の増大等により一層厳しさを増すものと見込まれております。
これらの課題に対し、中長期的かつ全庁横断的な視点で、公共資産に係る財政負担の軽減、平準化を図り、持続可能な都市経営を目指す、より戦略的なマネジメントが必要との認識から、副市長をトップとした推進本部会議を立ち上げ、本年6月に市原市公共資産マネジメント取組方針を策定し、作業に着手したところであります。
その内容といたしましては、市が保有する建築物、道路等のインフラ、清掃工場等のプラント、及び土地を公共資産と捉え、まずは、資産の状況を把握するため、耐震や点検の結果、利用状況などデータの台帳整備を行うことと致しました。
併せて、中長期的な市の人口推計や財政推計を精査して、公共施設等が利用需要に対し適正規模にあるかなど把握したうえで、更新・統廃合・長寿命化などの基本的な考え方を整理し、仮称ではございますが、市原市公共資産マネジメント推進計画を平成27年度を目途に策定してまいりたいと考えております。
(2)長寿命化計画について
* 公共資産マネジメント推進計画は、先行している個別の長寿命化計画と、どのように整合を図っていくのかお聞かせください。
先行している個別の長寿命化計画との整合について、お答えいたします。
橋りょうなど、先行している個別の長寿命化計画は、国の指針等に基づき、ライフサイクルコストの縮減や長寿命化を図ることを目的として、作成されたものであります。
また、(仮称)市原市公共資産マネジメント推進計画は、国が昨年11月に、各省庁横断的な全会議体のもと策定しました「インフラ長寿命化基本計画」の地方公共団体における行動計画として、国の指針等に基づき、策定するものであります。
このことから、両者の維持管理等の考え方は、基本的には、整合が図られるものと考えております。
しかしながら、人口推計、財政推計、更新費用推計などの状況によっては、必要に応じて、策定済の長寿命化計画につきましても、見直しを図っていく必要があるものと考えております。
(3)土地のマネジメントについて
* 市として、不要となる土地は計画的に売却等を進めるとともに、借地はすべきでないと思うが、このマネジメントの中で、どのように考えていくのか、伺いたい。
土地のマネジメントについて、お答えいたします。
本市の公共資産マネジメントの取り組みにおきましては、土地についても重要な資産として有効活用等を検討していくこととしております。
このため、本市で保有する5万筆以上の土地について、利用状況などを把握し、データの一元化を進めていく必要があります。
また、施設の利用に供するため借地している土地につきましては、建物等の利活用の方向性と一体的に考えなければならないなど、多くの検証が必要になるものと考えております。
このことから、今後、公共資産マネジメント推進計画策定の取り組みにおいて、全体的な土地や施設のあり方、活用手法等の検討を進める中で、議員ご指摘のございました計画的な土地の処分方法や借地の扱いにつきましても、十分検討してまいりたいと考えております。
⑷ 受益者負担について
* 本市では、施設の利用料のほか、サービスの提供に対する受益者負担のあり方についてどのように考えているのか。公共資産マネジメントの観点も含めた中で、市としての基本的な考え方をまとめ、全ての公共施設やサービスについて、受益者負担の方向性を整理することも必要ではないかと思うが、見解を伺う。
受益者負担について、お答えいたします。
本市では、平成11年に「使用料等の適正化に係る基本方針」を定め、以降、原則としてこの方針に基づき、施設利用の際の使用料やサービス提供に 対する手数料を設定しているところです。
この基本方針の考え方といたしましては、使用料等の徴収の目的を、住民負担の公平性や財源の確保及び施設利用の効率化を図ることと位置付け、使用料等の設定方法については、維持管理に要するコストを基準としながら、施設ごとに、その設置目的や民間代替性などを勘案して定めた負担割合を乗じて算定することとしております。
しかしながら、議員ご指摘のように、一部の施設では本方針によらないものがあるほか、方針で定める使用料等の基準となる維持管理コストに、減価償却費を含めていないなどの課題がございますことから、現在、本方針の見直しを検討しているところでございます。
こうした中で、議員からご案内いただきました ように、受益者負担の適正化は、施設の長寿命化や規模の抑制などにも資するものでもありますので、基本方針の見直しにあたりまして、単に負担の 公平性の確保だけでなく、公共資産マネジメントの方向性とも整合を図りながら、受益者負担のあり方を再構築するなど、戦略的に取り組んでまいりたいと考えております。
(5)(仮称)東部保健福祉センターについて
* (仮称)東部保健福祉センターについては、公共資産マネジメントの視点を取り入れながら検討していくとのことだが、今後、この事業をどのように進めていくのか市の見解を伺いたい。
(仮称)東部保健福祉センターについて、お答えいたします。
(仮称)東部保健福祉センターは、菊間保健福祉センターの補完施設としての位置付けのもと、整備方針を検討することとしております。
公共資産マネジメント取組方針におきましては、施設と機能を分離し、複合化を考えるなど、柔軟な発想で取り組むことが求められております。
このため、新たな施設整備の検討を行うにあたりましても、こうした視点を考慮し、幅広く議論を進めていく必要があるものと考えております。
今後は、引き続き東部4地区の町会の皆様との意見交換を進める一方で、庁内関係部署とも協議、調整を図りながら、整備の方針の検討を行ってまいりたいと考えております。
4 都市計画法第34条第11号の規制緩和拡大について
* 都市計画法第34条第11号の条例の制定から5年程度を経過したわけですが、許可の実績や駅ごとの許可の傾向など伺います。また、その効果や課題等についてどのように評価しているのか伺います。
都市計画法第34条第11号の、許可の実績や駅ごとの許可の傾向、また、効果や課題等への評価についてお答えいたします。
本市では、地域の特性を踏まえた市街化調整区域の開発許可に係る規制緩和策として、平成21年9月「都市計画法に基づく開発行為等の基準に関する条例」の改正を行い、同法第34条第11号の適用範囲に、上総村上駅から上総川間駅までの7駅周辺の区域を指定し、土地利用の促進を図ったところでございます。
最初にご質問の現在までの許可の実績でありますが、平成26年7月31日現在で、95件となっております。
開発目的による内訳といたしましては、専用住宅85件、長屋・共同住宅5件、分譲住宅2件、その他3件であり、住宅戸数といたしましては、合計で
157戸となっております。
また、駅ごとの許可の傾向につきましては、上総村上駅が57件、海土有木駅が23件で、五井駅に近いこの2駅で80件と、許可の割合が高い状況にございます。
次に、効果や課題についての評価といたしましては、規制緩和をした小湊鉄道駅周辺での住宅の建築が可能となったことで、定着人口の増加に一定の効果をもたらしたものと考えておりますが、一方で、五井駅から遠い上総山田駅以南では、許可の件数が極端に少なくなっております状況から、規制緩和をした小湊鉄道各駅における周辺地区全体の活性化という点では、期待したほどの効果が上がらなかったものと認識しております。
* 木更津市や袖ヶ浦市では、人口が増加しているのに対して、市原市の人口は著しく減少しているが、都市計画として、この原因は何であるのか伺います。
その対策として、34条11号の規制緩和が有効であると思うが、見解を伺います。
お答えいたします。
最初に、市原市の人口減少に係る都市計画としての原因について、でございますが、
議員からただいまお話しのございました、袖ヶ浦市や木更津市におきましては、この規制緩和策について、市街化区域の縁辺部に対しての範囲指定、あるいは市街化調整区域全般への地区計画の導入など、適用しやすくなるよう積極的な活用を図っております。
本市と許可の実績等で比較してみますと、両市とも許可の実績で3倍程度あり、また、宅地分譲を目的とする開発許可も多いことから、住宅建設戸数としては、更に差が出ているものと思われます。
この緩和策が両市の人口にどの程度関係しているかは明確ではございませんが、人口規模からすると、相当程度影響しているものと推察されます。
従いまして、人口増というプラス面で見た場合におきましては、この周辺市での実績や、さきほどご答弁申し上げましたが、本市の規制緩和策による効果として、あまり効果が上がっていない状況もありますことから、今後、一部で課題を残し、工夫の余地がある、ということだと認識しています。
しかし、人口減というマイナス面で見た場合には、一概にその原因を推し量ることは難しいものと考えており、今後、庁内関係部を含めさらに分析・研究を行ってまいります。
次に、その対策としての34条第11号の規制緩和策の拡大について、でございますが、
これら、現在の運用に対する評価のほか、本市都市計画マスタープランに掲げます「集約型都市構造への転換」や、駅勢圏への公共施設の配置、あるいは人口集約といった「歩いて暮らせるまちづくり」の方向性を踏まえるとともに、市街化区域内の土地利用の動向、周辺区域への環境負荷などの点につきましても十分勘案し、今後、更に検証・検討を進めてまいります。
5.認定こども園について
* 待機児童対策として、私立幼稚園の認定こども園への移行を促進する方針を示したが、その後、私立幼稚園に対して意向調査を行うとしていたが、その結果はどのようになったのか。また、その結果を踏まえてどのような誘導策を考えているのか。
認定こども園について、お答えいたします。
私立幼稚園の認定こども園への移行につきましては、6月定例会において、方針を示させていただき、国からの公定価格の提示も踏まえ、6月20日に私立幼稚園の運営者の方々を対象とした説明会を行うとともに、個々の運営者からの相談も含め、協議を進めてまいりました。
その結果、この度、光風台中央幼稚園におきましては、3歳未満児の受け入れ等認定こども園への移行に伴う協議が整い、平成27年4月開設に向け、施設整備に係る補助金交付を決定したところでございます。
私立幼稚園に対します新制度への移行につきましての意向調査でございますが、この調査は、新制度実施の準備及び、事業計画の策定のため実施したものであります。
具体的な結果でござますが、市内23園を対象に実施し、このうち22園から回答をいただきました。
平成27年度では、新制度への移行予定は、光風台中央幼稚園の認定こども園のほか、新制度幼稚園が1園、移行を予定しない園が17園、移行しない方向で検討中の園が3園でございました。
また、平成28年度以降の予定をお伺いしたところ、認定こども園への移行を検討している園が1園、状況により判断する園が17園、移行する予定がない園が2園でございました。
結果といたしまして、新制度に移行しないというところが大半でありましたが、これは、新制度全体として、大枠としては定まっているものの、細かな部分については、まだ、明らかでないところもあることなどから、運営者としても慎重な対応となっているのではないかと思われます。
今後の誘導策等についてでございますが、まず、この8月から、来年4月の新制度施行に向けた最終的な移行確認を行っておりますので、その結果を踏まえ、引き続き最新の新制度関連情報の提供や、移行の判断材料として重要となるニーズ調査に基づく教育・保育の量の見込みとその確保策をお示ししてまいりたいと考えております。
また、財政的な支援として、施設整備に係る国・県の補助金を確保するとともに、新制度における公定価格の動向を見極め、新たな支援について、検討してまいりたいと考えております。
市としましては、認定こども園につきましては、待機児童対策として、大きな柱であると考えておりますことから、その推進について、積極的に取り組んでまいります。
* 民間活力の導入を進める中で、市が直営で行っている施設の認定こども園化についてどう考えるか。
公立保育所につきましては、待機児童がいる現状においては、保育が必要でない児童も受け入れる認定こども園への移行は、メリットが少ないものと思われますことから、早急な移行は考えておりません。
しかし、新制度における質の高い幼児期の学校教育の総合的な提供という視点、公立保育所施設の老朽化への対応や地域の実情を勘案する必要もありますことから、子ども・子育て支援事業計画の教育・保育の量の見込みとその確保策を踏まえた総合的な視点をもって検討してまいります。
* 認定こども園のほか認可保育所の整備も重要だ。認可保育所の公募を行っているが、今後の認可保育所に対する考えはどうか。
6月定例会でお示ししました待機児童解消に係る施設整備方針におきましては、私立幼稚園の認定こども園への移行促進のほか、3歳未満児の保育ニーズが高い地域への早急な対応として、3歳未満児専用の認可保育所を整備することとし、 公募のうえ、事業者を決定したところでございます。
今後の認可保育所整備についての考え方でございますが、基本的に、ニーズ調査結果によりますと、受け入れ枠の拡大については、3歳未満児への対応が主になります。
従いまして、現在策定中の子ども・子育て支援事業計画における教育・保育の量の見込みを踏まえ、3歳未満児への対応が可能となる私立幼稚園の認定こども園への移行や地域型保育事業の実施状況を勘案し、認可保育所の整備についても、 検討してまいりたいと考えております。
* 組織における事務分掌では、「幼稚園」は「学校教育部」、「保育園・認定こども園」は「子育て支援部」の管轄となっている。今後、市原市の組織について、どのような考えを持っているか、見解を聞きたい。
幼稚園等に係る組織について、お答えいたします。
幼稚園等に係る組織については、本年4月1日付けで行政組織機構の一部見直しを実施し、認定こども園に関する事務を新たに子育て支援部の所掌とするとともに、私立幼稚園等の振興に係る事務についても子育て支援部に移管したところです。
市立幼稚園につきましては、教育委員会において認定こども園化を含めた在り方等の検討を進められており、この動向を見極めつつ、組織対応を検討してまいりたいと考えております。
* 現在、待機児童は136名とのことですが、本市の待機児童は減ってきているのか、伺います。
待機児童の数ということでございますが、昨年と比較しますと、約30名前後、数値がはっきり申し上げられず申し訳ございませんが、下がっております。
これは、この4月に五井地区に「つぼみの森保育園」が開設したことによりこの結果となっております。
そういう意味では、施設整備というのは一定の効果があるものと考えております。
6.市原市自然環境マップについて
(1)市原市自然環境マップの活用について
* 市原市自然環境マップについて、次世代を担う子どもたちに理解してもらうため、市では、これまでどのような活用を図ってきたのかお聞かせください。併せて、学校現場ではどのように取り組んでいるのかお聞かせください。
最初の市での活用について、お答えします。
「市原市自然環境マップ」につきましては、市内で活動している多くの里山活動団体などからの協力を頂き、とりまとめたものでございます。
ご協力を頂いた団体には、このマップをお届けし、その活動に参加している多くのご家族や子ども達の現場での観察などにお役立ていただいております。
また、平成24年7月には市内の小中学校へ、参考図書としての活用を図れるよう、およそ4,000部を配布し、子どもたちへの環境保全の啓発に役立てていただいているところでございます。
市原市自然環境マップの学校での活用について、お答えいたします。
現在、市原市内の小学校では総合的な学習の時間において、中学校では理科の授業において、学校の近隣の里山や川に生息している生物を学習するときの資料として活用している事例がございます。
本マップは、写真や地図などが数多く掲載されており、児童生徒が、身近な自然に興味を持って学習に取り組むことができる内容になっておりますので、今後も、学校でのさらなる活用が図られるよう、はたらきかけてまいります。
* 大人に対して、市内の貴重な自然を理解してもらうために、このマップについて、どのような周知を行っているのかお聞かせください。
「市原市自然環境マップ」の周知につきましては、まず平成24年7月23日に市民会館で、「市原市自然環境マップ報告会」を開催し、調査の概要説明を行うとともに、「市原市で出あった植物たち」の講演や「市原市の豊かな自然を次世代に」をテーマとしたパネルディスカッションによる周知活動を行いました。
また、これまでに、市民の活動の場である公民館や支所の窓口へ、マップを配布するとともに、市のホームページでも、誰もがダウンロードできるように掲載しております。昨年度に開講した「いちはら市民大学」でも、今年度からの専門講座で、マップデータを基にした講座を実施している所であり、今後とも様々な機会を活用して、周知に努めてまいる考えでございます。
(2)自然環境保全に関する施策について
* 自然環境保全に関する施策について、どのように取り組んでいるのかお聞かせください。
現在、市では、「市原市民の環境をまもる基本条例」に基づく「改訂市原市環境基本計画」において、環境の保全と創造に関する方策を定め、その施策を計画的に推進しております。
この基本計画では、自然環境保全に関し、「人と自然との豊かな触れ合いが保たれるよう森林、農地、水辺等における多様な自然環境を保全して、緑を創出し、清らかな水環境を形成していく」ことを基本方針とし、丘陵地、平地、川など、その地形的特性に沿った施策を進めるとしています。
具体的には、自然環境教室の自然体験・観察会などによる啓発から、樹林地の適正な保全、環境に配慮した農業の促進、さらには里山や水辺の保全など多くの部署との連携の下に、取り組んでいるところでございます。
今後とも、これらの施策の推進にむけ、市民との協働の下に、全庁が一体となって対応してまいります。
* 市原市自然環境マップにおける残土対策への活用に対して、これまで、開発と自然保護のバランスのとれた施策となるよう、手法等を研究しているという答弁がありました。このマップ作成後の取り組みについてお聞かせください。
「市原市自然環境マップ」の作成により、自然環境の現状に関する基礎資料を収集することができたと認識しております。
この基礎資料を活用し、豊かな生物の多様性を保全し、その恵沢を享受できる社会を残すため、(仮称)市原市生物多様性地域戦略の策定を進めているところでございます。
この策定にあたっては、残土の処分等による地形の改変などに対し、自然保護という視点からも、市民や有識者などの意見を伺いながら検討したいと考えております。
(3)生物多様性地域戦略について
* 「(仮称)市原市生物多様性地域戦略」を策定するとのことですが、この戦略策定の目的と現在の進捗状況についてお聞かせください。
本市の生態系につきましては、これまでの丘陵地での団地等の開発や里山の縮小にあいまって、イノシシや、アライグマなど外来種の分布域の拡大、さらには経済活動により発生する産業廃棄物や残土の処分等により地形の改変など、さまざまな要因からの影響が懸念されております。
このことから、「(仮称)市原市生物多様性地域戦略」は、『未来の本市の子どもたちに対して、豊かな生物の多様性を保全し、その恵沢を享受でき自然と共生する社会を残す』ことを目的といたしまして、平成26年度に、アンケートやワークショップにより、様々な市民からのご意見等の把握を行い、27年度には、平成26年度の結果を活かし、有識者等を交えた検討会を行ったうえで、2ヵ年で策定する予定でございます。
現在の進捗状況につきましては、市民意識を把握し、幅広く意見を取り入れるワークショップ及びアンケート調査の準備等を、進めているところでございます。
* 残土条例についての問題とどのようにリンクしているのかお聞かせください。
これまでの議会等で、ご答弁しておりましたけれども、自然の回復というのが1つのキーワードとなっております。
この中で、どういう手法がとれるのか、様々な角度から検討したうえで、開発と自然とのバランスのとれた政策について、進めていくという方向でやっております。
そういうことですから、残土条例とその開発という部分について、その中で検討したいと考えております。
* 個人の資産について生物多様性地域戦略で抑えきれるのかという問題があると思うが、そこまでの議論が進んでいるのか。
議論につきましては、これから進めていくところでございます。
その色々な規制をかける段階においては、様々な法律等の絡みを考えながら、何ができるのか、どういう手法があるのか、具体的な話については、進展しておりませんけれども、今後、検討してまいりたいと考えております。