平成24年第2回定例会 小出譲治議員が、教育に特化した個別質問を行いました!
1・教育一番の市原市の実現について
(1) 教育ビジョンについて
武道教育について 第1回目質問
小出 *現在、市内の中学校にある柔剣道場の利用実態は、どのようになっているのか伺う。
中村学校教育部長答弁
武道教育について、お答えいたします。 現在、市内22校すべての中学校に柔剣道場が設置されておりますが、学校教育においては、主に保健体育の授業で武道の指導に利用しております。 また授業以外では、放課後や休日に柔道部や剣道部などの部活動の練習で利用しております。 その他、柔剣道場が使用されていない時は、武道以外の体育の授業で、また生徒の集会活動で、雨天時の屋外の部活動の練習などで使用するなど、学校によっては多目的な活用を図っておるところであります。
武道教育について 第2回目質問
小出 *武道場は、柔剣道を通して肉体的、精神的な鍛錬や規律性を養う場として整備されてきたはずである。 教育委員会はその強い思いを持っているはずだが、具体的に中学校ではどのような指導がなされているのか伺う。
中村学校教育部長答弁
お答えいたします。 教育委員会では、武道の指導を、気力と体力を養うとともに、礼法の実践を通して「他人を思いやる心」「感謝の心」及び、伝統的な行動規範を身に付けることが望める場と、捉えております。 現在、各中学校では、武道の授業において、入室の際は必ず一礼すること、指導者や練習相手に一礼することなど、礼儀に重きをおいて指導するとともに、乱取りや掛かり稽古など相手のある練習の際には、禁じ技や約束以外の技を用いないことなど、相手を尊重する態度の育成にも努めております。 今後、教育委員会では、武道の授業を通して培われた精神が、子どもたちの学校生活全般にわたって生かされるよう、各学校を指導してまいりたいと考えております。
武道教育について 第3回目質問
小出 *施設の整備方針だけが先行し、設置当時の教育方針とのギャップが生じてきているように思う。本来、変わらないビジョンが必要であり、現状の子どもたちが何を期待しているのか常に現状を把握し、議論、検証していく場が必要だと考えるが見解を伺う。
中村学校教育部長答弁
今回の武道・ダンスの必修化によりまして、男子も女子も武道・ダンスを履修することになりました。 子どもたちの希望を通したらどうかというご質問ですが、学習指導要領では武道及びダンスの必修化に伴いまして、武道は柔道、剣道、相撲の中から、ダンスは創作ダンス、フォークダンスまた現代的なリズムのダンスの中から原則として選択することになっております。 そこで、市内の中学校では、種目の選択にあたり、教員の武道やダンスの指導に関わる経験、生徒の興味関心、用具にかかる経済的負担などを総合的に勘案して、決定しているところでございます。
武道教育について 第4回目質問
小出 *武道、ダンスの必修化について、学校側が種目を選択する判断の基準をどこに求めているか、また、体力的にも差が出ている女子生徒への配慮はどのようになされているのか伺う。
中村学校教育部長答弁
お答えいたします。 先ほど申し上げましたが、種目の選択にあたりましては、教員の武道やダンスの指導に関わる経験、また生徒の興味関心、用具に関わる経済的な負担等を総合的な勘案して決定しております。 今後、子どもたちの興味関心や地域の実態などが種目の選択に反映されるよう各学校に要請してまいりたいと考えております。 また、女子生徒の体力差への配慮ということですが、体格差や筋力差に応じた練習相手の組み合わせや個々の生徒に応じた指導内容、また、技の制限など安全面を中心とした配慮をして授業を展開しておるところでございます。
武道教育について 第5回目質問
小出 *種目の選択は各学校長に委ねられているが、市原の教育という視点に立つと、教育委員会としての一定の指針が必要だと考えるが、見解を伺う。
中村学校教育部長答弁
お答えします。 本年度の学習計画につきましては、既に決定しておりますので、今後、来年度からはそれぞれの学校の実情、あるいは子どもたちの希望等を取り入れながら、各学校が適切にするように指導してまいりたいと考えております。
武道教育について 第6回目質問
小出 *武道・ダンスについて、市民との協働による外部指導員の導入は考えられているのか、もし、そうならば導入にあたっての基準はどうするのか伺う。
中村学校教育部長答弁
現在、市内の各中学校には武道・ダンス指導に外部指導員は導入しておりませんが、新しい技の習得や安全面への配慮から、今後、外部指導員の導入について検討して参りたいと考えております。 なお、導入にする際の基準につきましては、現時点では定めておりませんが、外部指導員の導入にあたりまして、先進地域を参考に、健康であること、指導への熱意、これまでの技術指導の経験等を考慮して参りたいと考えております。
武道教育について 第5回目質問
小出 *今までの経験や困難を糧に武道への思いや心の教育を本市の教育ビジョンの柱に据え、揺るぎない教育に邁進していただきたいと思いますが、見解を伺う。
中村学校教育部長答弁
お答えいたします。 新学習指導要領によりますと、武道のねらいとして、基本動作や基本技の習得、体力の向上のほか、相手を尊重する心、伝統的な作法を身につけることなどがうたわれております。 また先ほど申し上げましたが、礼法の実践を通して「他人を思いやる心」や「感謝の心」、そして日本の伝統的な行動規範を身につけることが大いに望めます。これは、まさに市原の4つの心である礼節の心・感謝の心・道義の心・恕の心を育てることのできる有益な学習内容であるととらえております。 市原市教育委員会では、中学校での武道の必修化を、日本の伝統文化を継承し、さらには人間形成を醸成するための絶好の機会と捉え、武道教育の推進に努めてまいりたいと考えております。
(1) 市原市の教育ビジョンについて
② 防災・防犯教育について 第1回目質問
小出 * 小さい時から危機管理意識を身につけ、自主的に判断できる教育について、見解を伺う。
中村学校教育部長答弁
防災・防犯教育について、お答えいたします。 議員ご指摘のとおり、3.11の東日本大震災においては、自分の意思で行動した子どもが津波の被害から逃れることができたことから、小さい頃からの防災に対する意識付けが大変重要であると考えております。 現在、市内の小学校では低学年のうちから休み時間などに繰り返し避難訓練を実施し、ワンポイント避難訓練と申しますが、子どもたちが自主的に行動できるよう、指導しております。 教育委員会としても、今回、危機管理監が配置されたことを機に防災に関する各学校の危機管理意識をさらに高めて参りたいと考えております。
② 防災・防犯教育について 第2回目質問
小出 * 現在、防災・防犯に対する教育を、具体的にどのように進めているのか伺う。
中村学校教育部長答弁
お答えいたします。 市原市教育委員会では、昨年5月に「大地震発生時の対応マニュアル」を作成し、地震のメカニズムを知るための「科学的な知識の習得」、安全に避難するための「実践力の向上」、助け合う精神を培うための「心の教育の充実」等を各学校に指示してまいりました。 その中で、市内の各小・中学校では以前から交通安全と不審者対応の視点で作成した安全マップに、防災の視点を加えた修正を進めてまいりました。 先日行われました市内小中学校の一斉防災訓練では教職員や保護者、子どもたちの目で通学路の再点検がなされたところであります。 教育委員会では、今後、これらの情報をもとに新たに作成された安全マップを、一層活用するよう、各学校を指導してまいりたいと考えております。
② 防災・防犯教育について 第3回目質問
小出 * 学校側から地域へのアクションについての考えを伺う。
中村学校教育部長答弁
お答えいたします。 議員ご提言のとおり、防災・防犯教育は、学校教育現場だけではなく、家庭や地域との協働の中で実践されるものだととらえ、日常的に地域への働きかけを行っております。 一例を申し上げますと、災害時における危険箇所などをしるした安全マップを地域へ配布し、地域ぐるみで安全に関する情報を共有しております。 その他、こども110番の家の設置・登下校の通学路安全指導・防犯パトロールなどを地域にお願いしているところでございます。 今後、学校と家庭、地域が同じ課題について話し合うための「学校・家庭・地域を結ぶ集会」等で情報を共有し、地域全体で子どもたちを見守る体制をつくってまいりたいと考えております。
② 防災・防犯教育について 第4回目質問
小出 * ヤング防犯ボランティア等は,自分自身で守っていくという自覚が芽生える大きな効果が期待できる行動だと考える。自らの意志で行動することが最も大切だと思うが,この思いを可能な範囲で小中学校に広げられないか,見解を伺う。
中村学校教育部長答弁
子どもたちは,体験によって身につくものだというふうに考えております。 防災意識につきましても,実際に自分たちが体験することで,自分たちに防災の力が身についてくるものだと思いますので,このような体験を子どもたちが積極的にできるように,各学校に支援して参りたいと考えております。
② 防災・防犯教育について 第5回目質問
小出 *防犯パトロール等の高齢化,消防団の団員確保等が課題であるが,小中学校の特別授業等で見学や体験させることで,防犯・防災意識が芽生え,地域貢献に積極的に参加する意識につながると考えるが,見解を伺う。
中村学校教育部長答弁
お答えいたします。 防犯・防災教育におきましては,自助・共助・公助の精神を,子どもたちに早いうちに植え付けることが必要ではないかと考えております。 現在,学校教育の中では,自助・共助というところで強く指導しておりますが,それがやがて公助というふうにつながるように,各学校を指導して参りたいと考えております。
(1) 教育ビジョンについて
③少人数学級について 第1回目質問
小出 *思いやりのある豊かな心の育成という確固たる、特徴のある教育方針が必要であると考えますが、教育委員会の見解を伺う。
中村学校教育部長答弁
少人数学級について、お答えいたします。 市原市教育委員会が掲げている教育方針は、小学校から中学校までの9年間のスパンで、子どもたちを見守り、大切に育てていくことであります。 具体的には、子ども一人ひとりに多くの大人がかかわり、「生きる力」である、知識に裏付けられた学力、思いやりのある豊な心、健康でたくましい体を、子どもたちに身につけさせることであると考えております。 その方策として、今年度、市原市教育委員会では、小学校1年から6年までの全ての学年で35人学級を実施したところであります。 今後も、子どもたちを、よりきめ細かく見守り、次代の市原を担う子どもの育成を図って参りたいと考えております。
③少人数学級について 第2回目質問
小出 * 教職員の不足する分、指導面で補っていることや特筆する教育手法があれば伺いたい。
中村学校教育部長答弁
お答えします。 先ほど申し上げました少人数学級推進事業では、一人ひとりの子どもをきめ細かく指導していくために、より多くの教員を配置しておりますが、議員ご指摘のとおり、教職員の力量を高める事も大切であると考えております。 教職員一人ひとりの力量を高めるために、現在、子どものニーズに適切に対応するための研修、学級集団を高めるための研修等を教育センターを中心に実施しております。 また、教職員を補うため、社会人活用として、地域に住む専門的な技能を持つ人による特別授業を実施したり、ボランティアによる本の読み聞かせをお願いしたり、学生ボランティアによる授業や部活動の補助等を要請し、多面的に子どもたちを指導しておるところでございます。
③少人数学級について 第3回目質問
小出 *子どもたちのために信念に裏打ちされた確固たる教育ビジョンとそれを実現しようとする気概が最も大切ではないかと思う。このことについて、教育長の思いを伺いたい。
山崎教育長答弁
議員は、「子どもは未来の宝」と云うお話をされた言葉を聞くと、昔、漢文の先生に教わった「玉琢かざれば器を成さず人学ばざれば道を知らず」を思い出すのです。 私は、議員が原石ならば、誰が、どのように琢きあげるのか、何が「教育一番のまち」なのか、教育長の考えを述べよ、との仰せです。 時間の関係で単純化してこうゆうことをやったら市原市の教育は良くなる、誤解される心配がありますが、私の個人的な意見であることを、お断りして考えを申し上げたい。 教育というと黒板を後ろにして教えるということを考えるのですが、もう少し子どもを育てることを大きく捉えて、私は、大人が子どもを育てる為には、三つの側面があると思います。 ここに三角柱がありますが、子どもを育てるには3面必要だと思う。第1面は教育の教と言う字「教える」ことが一つ、もう一つは、教育の育と言う字の「育てる」ということ、もう一つは、子どもは育っていくのをじっと待つことであり、この三つが教育には大事なことであると思う。 第1面の教えることは「知識・技能・規範など」を教えるのが第1面です。 第2面の育てることは、自立性を育てるとか、協調性を育てるとか、社交性を育てるとか、忍耐力を育てるなどが第2面です。 最後の3面は、子どもは自分で育っていくところがあるわけでこれが、「育っている子どもを待つ」の3つであります。 この3つを私たちは持って後輩たちを育てていかないと、大人が育てていかないと学校だけに特化して育ててtしまうと必ず無理がいくと思います。 だから、育てる部分と、教える部分と、待つ部分とこの三つをセットとして三面で後輩たちを育てていく必要があると思う。 では誰が子どもを育てていくということになるが、かつては、「三尺下がって師の陰を踏まず」の時代があり、そうゆう師弟関係の学校教育が行われてきた。家庭教育では、家父長制度と大家族制度があっての家庭教育が行われてきた。世の中では、世間体と云うものがあり、世の中みんなが大きく変わっている。 私が今、あちこちで言っているのは、子どもを育てるには、学校だけではだめなんです。地域の人たちと家庭とこの3つが一緒になって子どもを育てることが大事なんですとあちこちで言ってきた。 私はこれからの市原は三者が一緒になってやらなければならず、誰が悪い、こっちが悪いと言っている暇はない。 敢えて、仕事分担すれば、学齢前は主に家庭教育が責任をもってやっていただく、学校に入ったら学校教育が中心でやって、社会にでたらみんながやる、その都度、地域社会が分担して行う。 最後の質問、「子育て一番のまち」とは何かについてですが、議員と同じ考えで、教育予算の多いだけが魅力だけではないと思います。 市原の3面からの教育が、周りの市民が市原ってすごいと認められ、他の市から市原市に引っ越してきて、30万市民になること、「子育て一番のまちだ」と言うことだと思います。 明日からそうなるとは思わないが、市民が一緒になってやることが大事だと思います。
以上で質問は終りました。