平成27年6月定例会で菊地洋己議員が市政に関する代表質問を行いました。
質 問 1 市長の政治姿勢について
質問要旨
* 本市は、人口減少や臨海部企業の再編、普通交付税交付団体への移行、
公共施設の更新問題など、市民サービスへの大きな影響を及ぼしかねない数多くの課題を抱えております。市長は所信表明において「市原力」を原動力に本市の可能性を最大限に引き出し、課題に挑み、本市の未来創生に全力を尽くすとの決意をなされました。あらためて市長の市政に対する思いをお聞かせください。
( 答 弁 要 旨 )
市民クラブを代表しての菊地議員のご質問にお答えいたします。
まずは、過分なるお褒めをいただきまして、照れくさくもあり、感謝申し上げます。今後も皆さんと共に、市政発展のために頑張ってまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、市長の政治姿勢について、お答えいたします。
今、市原市長として、私が成すべきことは、人口減少等による自治体消滅の危機が叫ばれている中、本市を取り巻く様々な課題に真正面から挑むことであり、本市が持つ優位性や多彩な地域資源などを幅広く活用し、「市原力」を原動力に、新たな価値を生み出すまちづくりに取り組むことであると、決意しております。
私の市政運営に対する基本的な考え方を申し上げますと、はじめに、行財政改革の確実な実行であり、「目に見える改革」、「スピード感のある改革」、「市民の皆さまが成果を実感できる改革」を進めてまいります。
また、臨海部コンビナートの競争力強化やJR3駅周辺などの地域拠点の活力づくりなど、本市の強みを存分に発揮する施策を進めるとともに、全ての市民の皆さまが住み慣れた地域で安心・安全にいきいきと暮らせるよう、保健・医療・福祉と地域が連携したまちづくりを進めてまいります。
さらには、市民の皆さまが、いつまでも安全で快適に住み暮らせるよう、防災対策や危機管理の強化、防犯力の充実、主要幹線道路などの都市基盤の整備を進めるとともに、子どもたちを笑顔にする子育て支援と教育、女性が自信と誇りをもって輝き活躍できる社会づくり、文化・スポーツの振興などを、積極的に進めてまいります。
これらの基本的な考え方に加えて、「新たな戦略的な広報活動」、「都市間の広域連携の強化」、「市民目線による総合行政の推進」の3つの視点をもって、政策を効果的に推進してまいります。
この具現化にあたっては、私は、市長として、職員の先頭に立ち、市民の皆さまや議員各位と議論を重ねながら、誰もが住みたい、住み続けたいと思う「夢と誇りが持てる、安心して暮らせるまち」の実現に向け、「市民本位」、「改革とスピード」、「確かな市政」をキーワードに、全身全霊を捧げてまいります。
2回目 答弁者 市 長
質問要旨
* 先の市長選挙における他の候補者の訴えた政策であっても、本市の発展につながるものについては、積極的に計画等に採り入れていくべきではないかと考えますが、ご見解を伺います。
答弁要旨
本市の発展につながる政策について、お答えいたします。
社会経済情勢が大きく変化する今日において、本市を取り巻く環境は厳しさを増しており、そのような中、複雑かつ多様化する課題に対応していかなくてはなりません。
そのためには、様々な方々からご意見を伺いながら、課題解決に取り組む必要があります。
私たちのふるさとであり、誇りである市原市を大切に思う気持ちに境界はありませんので、市勢の発展につながるものについては、積極的に取り入れてまいります。
部課名 企画部 企画調整課 答弁者 部 長
質 問 2.人口減少対策について
(1)人口減少について
質問要旨
* 市原市の人口減少の状況は大きなマイナス要因であり、まさに「まち・ひと・しごと創生」により克服していかなければならない。そのためには、現状を直視し、さまざまな面から分析していくことが重要であるが、市原市の人口減少の状況についてどのように認識しているか。
( 答 弁 要 旨 )
本市の人口減少の状況について、お答えいたします。
本市の人口は、平成8年以降、転出超過の傾向が続いており、平成20年以降は、出生者数が死亡者数を下回る自然減も相まって、人口減少が進んでおります。
世代別の傾向を見ますと、平成26年の住民基本台帳では、20歳~39歳の転出が約63%と最も多く、その中でも特に女性の転出が約79%を占めており、強い危機感を抱いているところでございます。
また、転出先としましては、千葉市が約30%と最も多く、次いで袖ケ浦市(8%)、船橋市(7%)、木更津市(6%)と続いており、千葉県内で半数を占めております。
これらの原因としましては、交通や生活の利便性などさまざまな要因が複合的に影響しているものと推察しておりますが、現在、その要因分析に向けた調査に取り組んでおり、引き続きこの検証を進め、今後策定する総合戦略や新総合計画に活かしてまいります。
2回目 答弁者 部 長
質問要旨
* 現状を踏まえ、早急に「人口ビジョン」を策定し、将来の展望を示すことが必要と考えるが、どのように取り組もうとしているのか、市長のお考えを伺います。
答弁要旨
「人口ビジョン」策定の取り組みについて、お答えいたします。
人口の将来展望を示すには、まずは現状における人口や産業などの動向をつぶさに分析することが重要であると考えております。
そこで、国の情報支援である地域経済分析システムの活用や、結婚・子育て等に関する意識調査等により、幅広く動向分析を進めてまいります。
これらの分析結果や、国の長期ビジョン、社会経済情勢の動きなどを総合的に勘案し、市原市版でございます「人口ビジョン」として本市の人口の将来展望を明らかにしてまいりたいと考えております。
部課名 企画部 企画調整課 答弁者 市 長
質 問 2.人口減少対策について
(2)市原版総合戦略について
質問要旨
* 市長の考えでは、地方創生に早急に着手し、市原版の「総合戦略」を策定するとのことだが、国の総合戦略を受け、本市としてどのような考え方で総合戦略を構築していくのか、見解を伺います。
( 答 弁 要 旨 )
市原版総合戦略について、お答えいたします。
現在、全国的に少子高齢化、人口減少が進行しており、生産年齢人口の減少による国力の低下や、税収減などによる行政サービスの低下、まちづくりへの影響など、国・地方を通じた構造的課題へと直結していくことが懸念されております。
この課題を克服するため、国において、まち・ひと・しごと創生法を成立させ、真正面から「地方創生」を推し進めています。
本市においても、近年の人口減少は著しく、その多くは若い女性であり、何も手を打たなければ消滅可能性都市となってしまいます。
私は、本市における地方創生に、危機感をもって早急に取り組み、持続的に発展する「新たな市原市」を創生してまいります。
総合戦略では、人口減少社会における年齢構造や社会的なニーズにしっかりと対応するとともに、新しい人の流れをつくり、将来に向けて人口減少を克服していくことが重要であります。
本市には、東京圏や成田・羽田空港の中間点に位置する地理的優位性や、水と緑豊かな自然、長い歴史や文化など、多くの魅力や資源があります。
また、一人ひとりの高い市民力や、強い団結力による地域力があります。
私は、これらの地域資源や「市原力」を最大限に引き出しながら、市民や有識者、事業者等の英知を結集するとともに、議会の皆様にも車の両輪となっていただき、本市自らが考え行動する、実効性ある「地方創生」を推進していく決意であります。
2回目 答弁者 部 長
質問要旨
* 現に進行している人口減少を克服していくには、総合戦略を策定するだけでなく、戦略を確実に実行し、成果へつなげていくことが不可欠と考えるが、見解を伺います。
答弁要旨
総合戦略を成果へつなげていくための考え方について、お答えいたします。
地方版総合戦略については、5年後の基本目標である重要業績評価指標、KPIでございますが、これを設定し、成果重視の取り組みを行うことが求められております。
総合戦略を確実に実行し、高い成果につなげていくためには行政だけでなく、市民やNPO、事業者などの幅広い方々との協働により総合力を引き出せるよう、官民の連携を推進してまいります。
また、これらの連携には情報の共有が不可欠であるとともに、市内外の皆様からあらゆる場面で市原市を選んでもらうための戦略的な広報活動が重要であると考えておりますので、情報発信力の強化にも取り組んでまいります。
あわせて、千葉市や近隣市など、自治体間の連携を強化し、より広域的な視点での成果の向上を目指してまいります。
部課名 財政部 財政課 答弁者 市 長
質 問 3 財政運営について
(1) 財政状況について
質問要旨
* 市長は、市原市の財政状況をどのように認識し、その上でどのように財政運営をされていく考えであるのか伺う。
( 答 弁 要 旨 )
財政状況について、お答えいたします。
本市は、ここ3年連続、財政調整基金を取り崩しての決算となっており、単年度の収入だけでは、支出をまかないきれない厳しい財政状況に置かれているものと認識しております。
そこで、私は所信表明でも申し上げましたとおり、まずは、行財政改革を確実に実行し、歳入・歳出の両面から、スピード感をもって、あらゆる 手立てを講じていく所存であります。
その上で、単年度の収支均衡、市債の発行管理、基金の確保など、しっかりとしたビジョンを持ち、規律ある財政運営、そして未来に責任を持った「確かな市政」を進めてまいります。
さらには、私は所信表明において市民目線による総合行政の推進を掲げましたが、市原力を生かした協働によるまちづくりを進めることで、市民本位の市政運営ができる市原市役所の確立を図ってまいります。
部課名 財政部 財政課 答弁者 市 長
質 問 3 財政運営について
(2)地方交付税について
質問要旨
* 市長は、市原市が交付税の交付団体であることについて、どのように認識しているか伺う。
( 答 弁 要 旨 )
地方交付税について、お答えいたします。
地方交付税は、地方公共団体間の財源の不均衡を調整し、どの地域に住む国民にも一定の行政サービスを提供できるよう、財源を保障する地方固有の財源であります。
本市は、現在、普通交付税の交付団体となっておりますが、平成26年度では、全国の市町村のうち約97%が交付を受けております。
この地方交付税の交付・不交付は、国が定める一定の基準によって導き出される財政力指数によって表されますが、財政状況を示す指標には、経常収支比率や財政健全化判断比率などもあります。
財政の健全性を判断する上では、交付税の交付・不交付よりも、むしろこれらの数値やその推移を総合的に見ることが重要であるものと考えております。
したがいまして、私は、地方交付税の交付・不交付にこだわるのではなく、その時々の状況を的確に捉え、交付団体であれば、そのメリットを最大限活用しながら、将来に向けて本市財政の健全化を堅持できるよう取り組んでまいります。
部課名 財政部 財政課 答弁者 市 長
質 問
3 財政運営について
(3) メリハリある財政運営について
質問要旨
* 持続可能な魅力ある都市を作っていく上では、税収の増大が必要であり、そのためには企業誘致などへの思い切った投資も必要と考える。非常に厳しい財政環境にあるが、将来を見据えた中で、メリハリある予算配分も必要と考えるが、市長の見解を伺う。
( 答 弁 要 旨 )
メリハリある財政運営について、お答えいたします。
私も菊地議員と同じように、本市は、臨海部から内陸部に至るまで、企業にとっては恵まれた立地環境にあり、その潜在力は高いものと 認識しております。
その力を活かし、引き出すには、まずは日本を代表する臨海部コンビナートの競争力強化、さらには中小企業の経営基盤強化や創業支援等を推進することが、本市の持続的な発展の鍵になるものと考え、私の市政運営に対する基本的な考え方の一つに据えたところであります。
これらのことは、税収の確保はもちろん、活力あるまちづくりに向けた大きな推進力にもなるはずであります。
そこで、本市は、総合的な産業振興の方向性や具体的な施策のあり方を示した産業振興 ビジョンを策定しておりますので、ここに掲げた施策を着実に実行してまいります。
さらには、地域の特性や資源等を最大限に 生かした「市原版総合戦略」を年度内に策定し、地域経済の活性化、市原の「地方創生」にも 確実に取り組んでまいります。
部課名 経済部農林業振興課
質問 4 市原市の産業振興について
2回目 答弁者 部 長
質問要旨
* 市原市の農業振興において、今後耕作ができなくなった人たちの農地の集積と、大規模な農地を引き継げる大規模農業者の育成が急務であると考えます。本市の大切な産業である農業の振興についてどのように考えているのか、お聞かせください。
答弁要旨
本市の農業振興について、お答えいたします。
現在、市では、今後10年先の農林業の振興を見据えた、次期、農林業振興計画の策定に向け、昨年度から経済部内にプロジェクトチームを立ち上げ、勉強会を開催しております。
この勉強会の中で現状課題の抽出を進めた結果、議員ご指摘の「農地の集積」と「大規模農業者」の育成は、本市の優良農地を保全していくうえで、重要な課題のひとつとして取り上げているところでございます。
市といたしましては、市内農家の8割強を占める兼業農家や大規模農業者を対象に、現行制度にある「耕作放棄地再生利用対策」や「農地流動化などの交付金制度」並びに国が昨年4月から制度化した「農地中間管理事業」などを活用しながら、農地の集積・集約化を推進してまいりました。
加えて、今後の大規模農業者となり得る新規就農者に対しても、就農に係る資金面や制度上の支援も併せて実施しております。
今後は、農地の集積・集約化に伴い、大規模経営に移行できる担い手の育成が急務であることから、千葉県やJA市原市などの関係機関や、優良な農業生産法人などと連携を更に深め、農業技術と経営感覚に優れた農業者の育成や、経営基盤強化のための資金援助なども視野に入れ、本市農業の振興に取り組んでまいりたいと考えております。
部課名 教育総務部 教育総務課 答弁者 市 長
質 問 5 市原市の教育について
質問要旨
* 国の制度改革等を踏まえ、「市原市ならではの教育改革」をどのように取り組んで行くのか、見解を伺います。
( 答 弁 要 旨 )
市原市の教育についてお答えいたします。
今回の教育委員会制度改革では、教育の政治的中立性や継続性・安定性を確保しつつ、教育行政における責任の明確化や迅速な危機管理体制の構築が図られるとともに、市長と教育委員会の連携が一層強化されております。
この趣旨を踏まえ、「総合教育会議の開催」、「教育に関する大綱の策定」などの機会を通じて、いじめをはじめとするさまざまな問題に対し、リーダーシップを持って、迅速な対応を図ってまいります。
さらに、学校や企業を退職された方など、豊かな経験を有する方々が、地域には大勢おられます。
この地域の「市原力」を活用し、未来を担う子どもたちを最優先に考えた、市原ならではの教育改革に取り組んでまいりたいと考えております。