令和3年第3回定例会で伊藤浩士議員が個別質問

ito2021091

1 コロナ禍における子どもたちの学びを止めないための取組について
 (1)児童・生徒の教育環境の変化と対応について
 市原市も冬にむけて新型コロナウイルス感染者が

増えていくと考えられる。休校等に備え、どのような対応をとっていくか伺いたい。
学校教育部長 新型コロナウイルス感染拡大や感染者数の増大等に伴う休校や学級・学年閉鎖、分散登校、短縮日課における在宅学習などに備え、子どもたちの学びを保障する対応が必要であることから、教育委員会といたしましては、これまでもオンラインによる家庭学習や授業の配信等の準備をし、その対応を進めているところです。
 今回、緊急事態宣言の9月末までの再延長に伴い、学びの部屋や電子ドリル等を活用した家庭学習に加え、欠席している児童生徒を対象にオンラインによる授業のライブ配信を開始したところです。
 各学校では、オンライン会議ツールに慣れることを目標に、放課後の時間を使って、教室と家庭にいる児童生徒を結んで映像や音声のやりとりを行うなど操作練習等の準備を進めているところであり、今後は、より学習の質を高められるよう、録画した授業の活用や双方向型の授業であるオンライン授業を推進してまいります。
 教育委員会といたしましては、オンライン授業と電子ドリル等を効果的に組み合わせることにより、休校時においても、誰一人取り残さない教育を保障してまいります。

(2)児童・生徒のメンタルヘルスへの対応について
 コロナ禍の中で子どもたちもストレスを抱えている。子どもたちの心の変化をどう捉えているのか、現状の分析を伺いたい。
学校教育部長 コロナ禍により、子どもたちを取り巻く環境は大きく変化し、学校では、文部科学省の「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル『学校の新しい生活様式』」に基づき、徹底した感染症対策の中で学校生活を送っております。
 また、家庭でも不要不急の外出自粛が継続するなど、これまでの日常とは違うコロナ禍の生活となり、そのことから、感染の不安を感じたり、体調がすぐれなかったり、意欲が低下したりするなど、子どもたちの心身へ、大きな影響を与えているものと捉えております。
 さらに、担任やスクールカウンセラー等への相談内容には、心身の健康や友人関係に関わることが多くありました。
 これは、子ども同士の交流し合う機会の減少、学校行事や各種大会の縮小・中止、部活動の制限等、これまで普通に活動できていたことが十分にできないことから、子どもたちが、我慢しながら学校生活を送っていることと関連があるものと推察しております。

2 学校現場におけるメンタルヘルスへの理解を深める取組について
 コロナ禍の重圧に耐えている子どもたちのために、メンタルヘルスリテラシー教育の予防プログラムの導入が必要と考えるが見解を伺いたい。
学校教育部長 精神疾患は、誰もが罹りうる可能性があり、若年層の罹患も多いとされておりますことから、早い段階から正しい知識を身に付け、その知識を予防や回復につなげることが重要であると考えております。
 児童生徒の誰もが心身ともに健康で快適な生活を送ることができるよう、精神疾患の症状や特徴、その適切な対処方法や他者への気付き、配慮を学ぶことを目的とする、議員ご指摘のメンタルヘルスリテラシー教育は有効であると考えます。
 小学校、中学校、高等学校の学習指導要領には、精神疾患を含む学校における心の健康に関する教育について、系統的な指導が示されているところです。
 各学校では、学習指導要領に基づき、具体的には、小学校の高学年体育の保健領域において、「心の発達や不安や悩みへの対処」について学習し、中学校では、「過度なストレスは、心身の健康や生命に深刻な影響を与える場合があること」に触れ、精神疾患につながる学習に取り組んでおります。
 そして、小中学校での心の健康についての理解を基盤として、高等学校では「精神疾患の予防と回復」の内容を学習することとされております。
 教育委員会といたしましては、今後も心の健康に関する教育について、指導主事が教育委員会主催の研修会や校内研修等において、系統的な学習の重要性を教職員に指導するとともに、先進的な地域が取り組んでいるメンタルヘルスリテラシー教育の予防プログラムについて、その状況や効果を把握してまいります。
 メンタルヘルスにかかる児童生徒への個別支援に際して、医療機関と連携した強いサポート体制が必要だと考えるが見解を伺いたい。
学校教育部長 メンタルヘルスにかかる児童生徒への個別支援に際しての医療機関と連携したサポート体制については、重要であると認識しております。
 各学校では、児童生徒の様子をきめ細かく観察し、日常的な声かけや定期的なアンケート、学級担任や心のサポーター、スクールカウンセラーアシスタント等による教育相談を行い、不安や悩みにいち早く気づき、その解消に向けた取組を行っております。
 また、不安や悩みがすぐに解消されない場合は、管理職を中心とし、学級担任や学年職員、養護教諭やスクールカウンセラー等によるケース会議を開催し、解消に向けた取組方針を決め、全職員が協力して対応しております。
 医療機関へつなぐことを検討した場合には、学校とスクールカウンセラー等が連携し、保護者へ状況を丁寧に説明するとともに、医療機関への受診や、初回は無料で相談できる、市原市教育委員会が委嘱しているメンタルヘルス相談医への相談を勧めているところであり、受診した場合は、専門家である医師の助言を、保護者をとおして伺い、児童生徒への適切な対応に努めております。
 また、学校では医療機関への受診の際等、必要に応じて、スクールソーシャルワーカーを活用し、家庭への支援を行っております。
 議員御提案の先進的な取組を参考にして、校内の相談体制やケース会議の早い段階で、専門の医師等を参画させ協働することは、学校の状況や関係機関との連携等、確認すべき点もありますので、まずは、県内や全国での取組状況を十分に把握してまいります。