平成28年度予算審査特別委員会で伊藤浩士議員が意見陳述

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市民クラブの伊藤浩士です。
会派を代表いたしまして、平成28年度市原市一般会計及び特別・企業会計予算に関して、総括的な見地から意見の陳述を行います。
平成28年度予算にAついては、小出市長の初めての当初予算編成で

ありましたが、市税は、過去10年間で2番目に少なく、依然として低迷しているとともに、普通交付税や臨時財政対策債が見込めない状況の中で、扶助費等、社会保障関連経費が増大し、新たな行政需要への対応が困難となるほか、投資的経費の抑制が余儀なくされる、厳しい環境での編成となったものと推察いたします。
このような中で、平成28年度予算は、「夢と誇りが持てる、安心して暮らせるまち」実現に向け、行財政改革の徹底による経常経費の節減を講じたうえで、総合戦略を中心として、より実効性の高い施策として3つの重点施策への厚い財源配分、さらには、財政調整基金残高の確保や市債残高の削減が図られました。
こうしたことから、「市原改革元年」となる平成28年度予算は、将来にわたり、持続可能で規律ある財政運営を堅持しつつ、喫緊の課題にも的確に対応した未来に責任を持つ「確かな市政」を実現するに相応しい予算案となったものと評価するところであります。
それでは、各分野の予算について、具体的な意見を申し上げます。
はじめに、総務分野ですが、企画部所管では、次期総合計画策定事業については、少子高齢化と本格的な人口減少社会に対応していくために、大学、企業など、さまざまな分野の有識者の知恵を結集し、また幅広い地域・世代の市民の意見を反映していただくよう要望します。
また、公共資産マネジメント推進事業による施設の統廃合にあたっては、市民が等しく行政サービスを享受できるよう配慮するほか、積極的に遊休財産処分に取り組んでいただきたい。特に旧市原ショッピングスクェアビルについては、空きビルになってからかなりの期間が経過していることから、早期に対処していただきたいと思います。
総務部所管では、行財政改革推進の観点から懸案事項を先送りすることのないよう、全ての改革項目に具体的な指標を設け、「何を・いつまでに・どうする」という改革内容を明確にして改革の見える化を図るとともに、事務事業の総点検を行い、行財政の効率化を図ってください。
市が保管しているPCB廃棄物については、処分経費の縮減を図るため、処分方法の検証を要望します。
また、災害情報システム構築運用事業については、発災時には、速やかな市民への情報発信が必要であることから、システムの早期構築を望みます。
消防局所管では、引き続き地域を守る消防団員を確保するとともに、特に平日昼間の災害対応力の強化に対応するため、災害支援団員の拡充にも努めてください。
財政部所管では、債権回収対策事業については、民間活力の導入など事務の効率化に努めていると思いますが、引き続き未収金の解消に取り組み、税をはじめとする負担の公平性の確保と歳入確保をお願いします。
また、市の財政状況を明らかにし説明責任を向上させるため、新地方公会計の導入を推進してください。
次に教育民生分野ですが、市民生活部の所管では、町会は災害時における自助や共助の主体であり、協働によるまちづくりにおいても、最大のパートナーであることから、加入率向上を図り町会活動の活性化に取り組んでください。
また、超高齢社会を迎え、高齢者の交通事故が増加していることから、高齢者が安心、安全を実感できるよう交通事故防止に取り組んでください。
保健福祉部の所管では、看護師等修学資金貸付事業については、本市の看護師不足に対応し、また子育て世代の定住についても一定の効果が見込まれることから、引き続き推進してください。また、予防接種及び子育てモバイル事業についても、子育て世代にとって身近なスマートフォンを利用することで、大切な子どもの健康と命を「ワクチンで防げる病気」から守るうえでもよい事業であると考えます。ぜひ、有効に活用していただきたいと思います。
子育て支援部の所管では、出産前後家事等サポート事業については、妊娠・出産・子育ての切れ目のない支援を行ううえで重要な施策であると考えます。子育て世代の負担軽減につながる事業であるので、可能な限り実施していただきたいと思います。また、保育士不足の解消や、質の高い幼児教育・保育を提供するうえで必要であることから、待機児童解消加速化プラン・民間保育所運営費について、引き続き推進してください。
教育委員会の所管では、学校規模適正化推進事業は、少子化が進行するなかで避けられない課題ですが、児童、保護者、地域の方々としっかりと話し合い、進めてください。
基礎学力定着推進事業については、子どもたちの資質と能力を最大限に伸ばし、社会の中で活躍できる確かな教育の実践に取り組まれるよう要望します。また、教職員健康診断等委託料について、教職員の職責は、大変な激務であることから、健康診断やストレスチェックなどを十分に実施してください。市内で出土した埋蔵文化財は、市民にとって貴重な財産です。いちはら歴史のミュージアム整備事業については、埋蔵文化財を保存するだけでなく、市民が文化、歴史に触れあう場として、整備を検討してください。
次に、経済環境分野ですが、環境部の所管では、ごみ処理施設の整備、維持には多額の費用がかかることから、さらなるごみの分別化の徹底と近隣市町村の施策を参考にして、ごみ減量化を推進するよう要望します。
また、ごみ処理は市民生活に直結することから、操業停止に追い込まれるような事態にならないよう、福増クリーンセンター第二工場ごみピット内火災の原因究明と再発防止に取り組んでください。
経済部の所管では、創業者等促進支援事業について、地域活性化のため創業希望者の掘り起こしに努めるほか、商工会議所などの関係機関と連携して支援してください。
JR3駅周辺商業活性化支援事業については、市原市を訪れた人にとって駅周辺の雰囲気が第一印象となることから、魅力ある、リピーターが増えるまちづくりを目指して取り組んでください。
また、有害獣対策事業については、引き続き地域と関係機関が一体となった防護、捕獲対策を総合的に推進するとともに、捕獲後の食肉が市原市の特産品となるよう商品開発を進めてください。
水道部の所管では、市民が安心安全で飲めるおいしい水の供給に努め、また、有収率向上のため早急に漏水対策の取組みを希望します。
次に、建設分野ですが、既存の道路、橋梁、下水道などのインフラや公共建築物は、維持、修繕などへの対応が重要となっております。特にインフラにおいては、対処療法的な修繕、更新から予防保全的な修繕へと移行することにより、長寿命化を図り、市民の安心・安全を確保するとともに、修繕、更新費の縮減を図ってください。
土木部の所管では、狭あい道路後退用地整備事業について、効果的なPR等により申請件数が増加しているとのことですが、本事業推進が生活環境や地域価値の向上に結び付くことから、引き続き、市民や町会に周知し、協力を得られるよう努めてください。
また、臨海部と内陸部を結ぶ道路ネットワークの強化を図る青柳海保線(島野)整備と八幡椎津線(姉崎)の一体的整備は、用地買収に続く工事のスケジュールについて、市民への周知をお願いします。
都市計画部の所管では、既存建築物耐震改修等促進事業における耐震シェルターや耐震ベット等は、少額で人命を守ることができ、大変有効であることから、周知を図るとともに継続して取り組んでください。
立地適正化計画策定事業については、人口減少、少子高齢社会に対応し、また地域の自立性や独自性を生かした魅力あるまちづくりの取組みを希望します。
また、市原鶴舞バスターミナル事業は、本市の南の玄関であるインターチェンジに付随する施設であり、指定管理者と密接に連携し、利用者が安心して利用できるよう適正な管理に努めてください。
都市整備部の所管では、公園に関連する各種リフレッシュ事業においては、長寿命化とともに周辺住民のニーズを的確につかみ、利便性の向上につながる整備を図ってください。
また、土地区画整理事業は、駅前にふさわしい土地利用やまちづくりを推進することがまちの活性化につながることから、早期終 結に努めてください。
最後に、財政運営について、申し上げます。平成28年度当初予算は、一般会計、全会計ともに過去最大の規模となりましたが、税収が低迷する中にあっても、人口減少等の課題克服に向けた総合戦略や子育て支援等の充実など、今すぐに取り組まなければならない事業に果断に対応しつつも、特定財源を積極的に確保し財政調整基金の取り崩しを前年度並みに抑制するなど、財源確保策については評価するところであります。
しかしながら、市原市が直面している人口減少、少子高齢化という厳しい状況下にあっては、将来に負担を先送りしないことが財政運営の基本であると考えます。
そこで、将来の税収の増大につながる総合戦略など人口減少抑制に向けた施策を展開し、産業の活性化等を図るとともに、一つ一つの事務事業をしっかりと検証し、行財政改革を断行することで、歳入確保と歳出の適正化に引き続き努めてください。
また、財政調整基金残高の確保や受益者負担の適正化など一層の改革に努め、将来にわたり、持続可能で規律ある財政運営を常に心がけてください。
以上、小出市長並びに執行部におかれましては、只今申し上げました事項に十分配慮の上、予算の執行に当たられ、次期総合計画策定に向け、一丸となって取り組まれるよう強く要望し、平成28年度市原市一般及び特別・企業各会計予算案に、市民クラブは賛成し、意見の陳述といたします。