平成26年6月定例会で菊岡多鶴子議員が市民クラブ代表して市制に関する一般質問を行いました。
1.消費増税に伴う地域経済の状況について
* 政府の見解では、景気は消費増税の影響を受けながらも、緩やかな回復基調が続いているとされているが、増税に伴う一時的な個人消費の落ち込みは予想以上と思われる。消費増税後の本市の経済状況と、今後の対応についてお伺いします。
消費増税後の経済状況と今後の対応について、お答えいたします。
内閣府が5月に発表した、月例経済報告によりますと、「景気は、緩やかな回復基調が続いているが、消費税率引き上げに伴う、駆け込み需要の反動により、このところ弱い動きもみられる」と判断されております。
そこで、本市の状況でございますが、市原商工会議所が、6月10日に会員を対象に実施した、消費増税後の聞取り調査によりますと、生鮮食品など、日常的に消費する商品を扱う業種では、「増税による影響はあまり感じていない」との回答が寄せられております。
また、書籍や文具などの、嗜好的な商品を扱う業種からは、「需要が落ち込み、依然として回復していない」、との声も聞かれ、業種によっては、買い控え等、増税の影響を大きく受けている店舗もございます。
このような中、消費増税後の需要の落ち込みを下支えし、消費喚起を促すことを目的に、市原商工会議所が「いちはら国府プレミアム商品券」を、6月25日から発行いたします。
市といたしましては、市内での消費を喚起し、さらには消費増税後の地域経済の活性化につながるよう、プレミアム商品券の発行を支援してまいりたいと考えております。
2.市原市の目指す方向について
(1) 市原市の魅力の発信について
① 中房総国際芸術祭いちはらアート×ミックスについて
* いちはらアート×ミックスの総括と今後の方向性について、市長はどのように考えているのか、見解をお伺いします
いちはらアート×ミックスの総括と今後の方向性について、お答えいたします。
その前に、職員に対しての配慮のあるやさしいお言葉をいただいてありがとうございます。
ただいまのお言葉で、多くの職員が感動し、より一層がんばらなければいけないというような思いになったと思います。
中房総国際芸術祭いちはらアート×ミックスでございますけれど、中房総国際芸術祭とうたわせていただいています。
圏央道が開通し、市原市の南に市原鶴舞インターチェンジができました。
その波及効果を高めましょうとそしてあまり他力本願ではなく、自立心というのをみんなが持って、次の世代にそれをしっかりつなげていって、その自立心の中から自分の幸せというのを大いに感じ取っていただいて、幸福都市につないでいきたいとこのように思っておりますが、私たちの市原市は、日本の縮図ともいわれております。
人口がおおむね28万人、地方都市である市原市が、全国の都市の課題解決のモデルとなる新しいまちづくりを進めるために、廃校の活用、小湊鉄道などの乗物の活用、豊かな自然と食の活用、アーティストの長期的な活動や異業種からの多様な人々の参加という4つのコンセプトのもとで、果敢にチャレンジしたものであります。
また期間中は、地域のみなさんが大変、笑顔でご協力いただき、すべてのみなさんにここであらためて感謝を申し上げます。
この52日間には、韓国や中国をはじめとする海外のみなさん、香港はもちろんのことですけれど、国内は首都圏からはもちろんのこと、北は北海道、南は九州、こういう言葉をつかわさせていただきますが、たくさんの方々にお越しいただきました。
そして、お越しになった方々からは、菜の花で彩られた里山の中での芸術祭にとても感動したという声や、廃校を活用した作品の展示は見ごたえがあり、次回もぜひ訪れたい、など、好意的なご意見、また励ましのご意見をたくさんいただいたところです。
このことは、なにより地域の皆さんの誇りや自信につながったことだと思います。
また、多くのメディアでも取り上げられ、全国各地からの行政視察、企業、大学などから複数の視察があり、私たちといたしても、今後の活動への自信になりました。
今回の開催では、いくつかの課題も残されました。
また見つかりましたが、私は、この芸術祭で、まちづくりの種を蒔き、着実に芽を出したものと考えています。
私は、これからの50年後、100年後の市原市が夢と希望にあふれたまちになるために、これらの諸課題をしっかり検証し、改善するとともに、3年後の開催を目指して、この事業を継続して進めていきたいと考えております。
議員のみなさまから、いろいろとご意見はあると思いますが、プラス思考で、ぜひオール市原で市民のみなさんとともに、市原市を発展させたいと思いますので、今後ともご教授のほど、よろしくお願いします。
* この芸術祭は、単なるイベントではなく、過疎問題や地域の活性化など地方都市が抱える諸問題をアートの力で解決する「課題解決型芸術祭」として発信してきました。
今回の芸術祭を開催した効果や課題についてどのように考えているのかお聞かせください。
いちはらアート×ミックスを開催した効果や課題について、お答えいたします。
はじめに、取り組みの効果でございますが、4つのコンセプトに基づき申し上げます。
まず1点目の「廃校の活用」につきましては、地域の方々の思い出が深い閉校となった小学校を会場にしたことで、地域の方々が、作品制作から会場案内まで、積極的に活動をしてくださいました。単なる作品の展示だけでなく、ワークショップなど体験型メニューを多数実施したことで、廃校施設の活用モデルになったと考えております。
また、会期後の施設の活用については、複数の作家が、今後も芸術活動を続けていきたいという意向がありますので、教育委員会と協議し、引き続き、継続できるように取り組んでまいります。
2点目の「小湊鐵道など乗物の活用」につきましては、列車内での演劇や、駅舎に作品を設置し小湊鐵道の観光資源としての魅力を引き出し、更には、来場者に非日常的な体験を提供することができたことは、新たな芸術祭モデルを示すことができたものと考えております。
3点目の「豊かな自然と食の提供」では、JA市原市の女性部が担当した山覚俵家では、継続的に取り組む意向がありますので、空き家を活用したレストラン運営という、新たなビジネスモデルに繋げてまいりたいと考えております。
4点目の「アーティストの長期的な活動や異業種からの多様な人々の参加」につきましては、会期中、作家のもとに、企業や大学から、会期後の取り組みや、ゼミの利用についての問い合わせがございましたので、ビジネスモデルに繋げてまいりたいと考えております。
また、今回の芸術祭は、多くの自治体から視察がありました。会期中、香川県知事、十日町市長の視察もございましたが、瀬戸内国際芸術祭や大地の芸術祭とアート×ミックスの連携を視野に入れた来訪であり、全国的な芸術祭としても評価されたものと考えております。
次に、課題でございますが、駐車場問題をはじめとする交通計画や広報宣伝につきましては、極めて重要な課題であったと認識しております。来場者の皆さんが、ストレスなく楽しんでいただきながら、会場を移動していただくためにも、駐車場対策は重要なポイントになると考えております。
また、広報活動では、開催前から各方面へプレスし、HPやフェイスブック等を利用して、PRをしてまいりましたが、更なる広報活動が必要になると考えております。
今後は、これらの諸課題をしっかり検証し、次回の開催に向けて、取り組んでまいりたいと考えております。
* 今回の芸術祭は3億5千万と聞いていますが、国や県、財団からの補助金や助成金を受けながら、企業からの協賛金は予想以上の協力が得られたとも聞いています。実際、市としてはこの芸術祭にいくら支出したのか、予算の内訳についてお聞かせください。
いちはらアート×ミックスの予算の内訳について、お答えいたします。
現在、歳入歳出決算につきましては、精査している状況ですが、特定財源の確保に努めた結果、国県補助金や財団からの助成金、企業からの寄付金など、特定財源は大幅に増加する見込みとなっております。
歳出予算につきましては、確定に至っておりませんが、当初予算額の1億5000万円に、変更がない見込みでございます。
* 中房総国際芸術祭という名なのですから、中房総一帯の取組にしていくべきだと考えますが、見解を伺います。
中房総一帯での取組みについて、お答えいたします。
今回の芸術祭では、中房総エリアの美術館や博物館での企画展の開催や、飲食店や宿泊施設において、鑑賞パスポート持参者への割引サービスを行うなど、中房総エリアの自治体との連携を図ってきたところでございます。
ご指摘の中房総一帯での更なる取組みにつきましては、今後、実行委員会の中で検討させていただきたいと考えております。
② 財政力向上への取り組みについて
* いちはらアート×ミックスでは、本市における新たな魅力付けやブランド力の向上を図るという取り組みが行われた。今後も、農・商・工・観の連携を図り、産業振興や地域経済の底上げをしていくことが、本市の財政力向上にもつながってくると考えるが見解を伺います。
財政力向上への取り組みについて、お答えいたします。
いちはらアート×ミックスでは、「なっぱすごろく」による市内産の食材を使用したメニューの開発や、若手デザイナーが商品のパッケージデザインをリメイクした「リ×ミックス・プロジェクト」など、新たな取り組みを行いました。
「なっぱすごろく」につきましては、JA市原市女性部が山覚俵家の継続営業を希望しており、また、リ×ミックス商品につきましては、会期終了後も店舗販売するなど、新たなビジネスのきっかけづくりになったものと考えております。
今後も、市といたしましては、これらの取り組みを参考に、JA市原市や商工会議所、観光協会、更には臨海部の工業と連携し、本市の豊かな資源を最大限に活用した新たなビジネスの創出や販路拡大など、地域経済の活性化を図ることで、財政力向上につなげてまいりたいと考えております。
* 今年の高滝湖花火大会の中止が発表されたが、アート×ミックスと同じ年度であり、同じ地域で開催する花火大会であることから、今までの努力に逆行し土台が固まりつつある中で影響が懸念される。市原市の魅力発信であり、一大イベントとして財政力向上に一役買ってきたものと認識しているがどう考えるか。
高滝湖観光花火大会の中止に対する市としての見解について、お答えいたします。
高滝湖観光花火大会は、平成4年から市原市観光協会が主催し、昨年で21回を数える本市の夏の風物詩となる一大イベントでございます。
今回は、主催者である一般社団法人市原市観光協会の経営難により、観光協会が花火大会の継続は不可能と決定し中止することとなりました。
市といたしましては、観光協会の一般社団法人への移行に先立ち、観光協会が慢性的な赤字体質を続けていることから、事業計画の見直しや収益事業への取り組みなど、経営改善を図るように要請するとともに、公益性が特に高い花火大会については、その継続を要請してまいりました。
このような中、観光協会は、昨年10月の一般社団法人への移行後も、経営の改善が図れず、経営状況が更に悪化しているため、協会の主要事業である花火大会を中止してまでも、早急に経営改善を図る必要があるとの結論に至ったものでございます。
しかしながら、この花火大会は、本市の観光拠点である高滝湖畔を会場にして、地域の魅力発信と交流人口の増加にもつながることから、市といたしましては、観光協会や商工会議所、農協など、関係団体と連携し、観光協会の経営改善と花火大会の運営に関する諸課題を検討するとともに、今後の観光振興に向け、取り組んでまいりたいと考えております。
3 新副市長誕生への期待について
* 少子高齢化・人口減少社会の進行、地方分権の進展など本市市政を取り巻く環境は大変厳しく、かつ、昨年度は市制施行以来、初めて地方交付団体になるなど財政状況も非常に厳しい中で、様々な課題が山積しております。このような中で、今後の市原の目指す方向について、副市長としてどのような視点をもって取り組むのか、お考えを聞きたい。
今後の市原市の目指す方向について、副市長としてどのような視点をもって取り組むのか、 とのご質問にお答えさせていただきます。
議員ご指摘のとおり、少子高齢化や人口減少社会の進行などの社会経済情勢に鑑みますと、本市を取り巻く環境は今後においても厳しい状況が続くことが想定され、行財政運営にあたりましては全職員が一層危機意識をもって取り組まなければならないものと認識しているところでございます。
このような中で、複雑化する行政課題や多様な市民ニーズに的確に対応していくためには、総合行政の観点から全庁的な情報の共有化及び連携を深め、中長期的な視点をもって、集中と選択により戦略的に施策に取り組んでいくことが重要であるとこのように思っております。
一方、地方分権に即した自立発展可能な都市を実現するため、資産の有効活用や民間活力の活用、税収の確保などによりまして、行政経営の簡素・効率化、基盤強化を図るとともに、市民との協働の更なる推進は欠かせない視点であるとこのように思っております。
このような視点に立ちまして、まずは現在進めております改訂市原市総合計画をオール市原で実現できるよう、市長の意向を受けまして、迅速かつ的確に対応してまいりたいと考えております。
* 池田副市長の手腕を大いに期待するところでありますが、一方で、これまでの副市長の役割は、国県とのパイプ役としての一面もあったと考えます。
山積する課題への対応として、国、県との連携は引き続き重要なものと考えますが、その点についてはどのようにお考えか、お聞かせください。
国、県との連携について、お答えいたします。
現在、我が国は大きな時代の転換期にありまして、経済、教育、社会福祉など様々な分野におきまして構造改革や制度改革が進められております。
このような中で、国県の最新動向をいち早く入手し、本市の施策に反映するとともに、本市が目指すまちづくりへの支援誘導等を図っていくため、国、県との連携は引き続き重要なものと認識しております。
このことから、各職員が積極的に国県に足を運ぶなど、これまで佐久間市長のトップセールスをはじめ、国県との人事交流などにより築いてまいりました人的ネットワークを途切らせることなく、その裾野を広げるよう、組織風土の構築に努めてまいりたいと思っております。
4 住み慣れた地域で安心して住み続ける為に
- 共に支え合い助け合う地域社会づくりについて
* 地域社会づくりとは、住民、福祉関係機関、NPO法人、企業、行政などの多様な主体が地域の課題の解決に向けた協働活動を通じて分野を超えた関係性を築き、社会資源や特性を活かしながら地域力を高める持続的な活動であり、共に支え合い、助け合う地域社会づくりが大切だと思いますが、市の考えをお聞かせください。
共に支え合い、助け合う地域社会づくりについて、お答えいたします。
地域社会づくりにあたっては、その地域で暮らし、地域のことを一番よく知っている住民の方々が、地域の活動に積極的に参加し、地域福祉の充実を図っていくことが、何よりも大切なことと考えております。
このため、市では、「誰もが住み慣れた地域で、自立して暮らせるまち」の実現を、地域福祉計画の目標に掲げ、住民主体の地域福祉活動を推進しているところであります。
現在、市内では、43の小学校区で小域福祉ネットワークが設置され、安心生活見守り支援や、世代間交流、子育て支援など、地域住民を主体とする、地域の実情に即した多様な活動を行っていただいております。
市といたしましては、これらの市民の活動を支援していくため、今後も、地域福祉計画に基づき、「地域住民」、「福祉事業者」、「社会福祉協議会」、「行政」という4つの主体の連携を密にしながら、地域福祉の更なる推進に向けて、取り組んでまいります。
- 徘徊高齢者の早期発見への体制と地域力づくりについて
* 市原市の徘徊高齢者の現状および徘徊により行方不明になった場合の対応について、伺います。
徘徊高齢者の現状と対応について、お答えいたします。
高齢者人口の増加とともに、認知症高齢者も増加しており、特に認知症による徘徊は、最近の社会問題にもなっております。
本市において徘徊などで行方不明になった高齢者は、平成24年度は25人、平成25年度は23人でした。
このうち、ほとんどの方が無事に発見されておりますが、中には亡くなられた状態で発見された方もおります。
行方不明者が出た場合、市では、警察からの要請により、防災行政無線及び情報配信メールを活用して、平日・休日を問わず、市民や関係者に広く情報発信を行い、捜索の協力を呼びかけております。
また、捜索にあたり、必要に応じて県及び近隣市町村にも協力を依頼しております。
このほか、徘徊による行方不明を防止する取り組みとして、GPS端末を活用した、位置探索システムの利用助成事業を行っており、認知症の高齢者を抱える家族の不安解消に役立っているものと考えております。
* 情報配信は、どのようなことをしているのでしょうか。
今、申し上げましたように、防災行政無線と情報配信メール、これを活用します。
これらにつきましては、警察から依頼が来まして、担当課の方で、防災課等と連携して実施しているところでございます。
* 地域の多くの方々による認知症の高齢者を見守り支えあう体制が構築されれば、本人の混乱や家族の負担や苦労は、軽減されると思うが、市の考えを伺いたい。
認知症の方が安心して暮らしていくためには、地域の方々の理解と協力が不可欠であります。
市では、一人でも多くの市民の皆さんに認知症について正しく理解していただくため、「認知症サポーター養成講座」を開催しております。
この事業は、自治会や、企業、団体、学校関係者などからの依頼に応じ、無料で講師を派遣して、認知症に関する基礎知識を学んでいただくもので、これまでに4,000人を超える方々に受講いただきました。
受講者の内訳を見ますと、小学生から高齢者まで、幅広い年齢層となっており、こうした多様な方々が、認知症の高齢者及びその家族の「応援者」となり、日常のさまざまな場面で、見守り支える役割を期待するものであります。
市といたしましては、今後もこうした取り組みを通じて、認知症の方が安心して暮らせるまちづくりを進めてまいります。
* 釧路市SOSネットワークでは、釧路署から「はいかい老人」のFaxが入ると、すぐ市民に情報提供を呼びかける。市民への情報提供には、個人情報保護という大きな壁が存在するが、市原市ではどのように捉えるのか伺いたい。
本市が発信しております防災行政無線及び情報配信メールの情報も、警察から依頼された内容でありますが、氏名等の個人情報につきましては、家族等に警察が確認したうえで、発信内容を決定しております。
発信内容は、身体的特徴、服装・時間・場所など行方不明時の状況、及び家族等に確認した徘徊者の氏名等個人情報であります。
市といたしましては、徘徊者が早期に発見されるよう、個人情報を含めた詳細な情報提供について、警察とともに、検討してまいります。
- 障がい者相談支援事業について
* 障害福祉サービスの利用にあたり、サービス等利用計画の作成が義務付けられた。今年度が作成期限の最終年度であるが、未作成の方も見受けられる。今後の見通しについて、市の見解をうかがいます。
障がい者相談支援事業について、お答えいたします。
サービス等利用計画の作成状況でございますが、対象者1,734人のうち、現在までに作成済みの方は1,012人であり、作成率は58%となっております。
今年度は、国が定めた作成期限の最終年度にあたるため、作成を担当する市内全14か所の相談支援事業所と今年3月に打ち合わせを行い、4月以後、毎月平均100人の計画作成を依頼しているところであります。
また、作成を依頼した方の中でも、未だ作成されていない方もおり、そのような方には、再度、作成依頼をしているところであります。
今後も、相談支援事業所などと連携を図りながら、期限である今年度末までに作成されるよう、進めてまいります。
* 相談支援事業所間の連携、情報交換、スキルアップを図るための環境整備が必要と考えるが、市の見解を伺いたい。
相談支援事業の体制づくりにつきましては、市内の障がい福祉の関係団体等で構成しております、「市原市障がい者支援協議会」の中に「相談支援・権利擁護部会」を設置し、検討や調整を行っております。
昨年度は、同部会の主催で、相談支援事業所を対象とした「事例検討・情報交換会」を2回実施しており、今年度も継続的に実施していく予定であります。
また、同部会の今年度の活動予定のひとつに、「相談支援事業所連絡協議会」の立ち上げについての検討が含まれております。
市といたしましても、このような取り組みを支援し、これまで以上に相談支援事業所間の連携や情報交換、スキルアップを図ってまいりたいと考えております。
5 市原の学校教育の目指すものについて
- 市原教育の目指す方向性について
* 現時点における市原教育の目指す方向性について、伺いたい。
市原教育の目指す方向性について、お答えいたします。
昨年度、小中学校の子どもたちが、1つの校舎で学びあう、「加茂学園」を開校し、文化祭や運動会等の交流行事を実施し、地域との連携を図りながら、支え合う心の育成に努めているところです。
小規模学級特認校は、特別に市内全域から転入学を認める学校のことですが、特に国府小学校の情報教育では、児童が一人一台のパソコンを使用したり、海上小学校の外国語活動では、1年生から英語を学ぶなど、それぞれ少人数学級の良さを生かした教育を展開しているところです。
連携型の一貫教育については、近隣の小中学校が協力し、部活動や合唱コンクールなどの交流事業を実施しております。
今後は、「市原教育元年」と位置づけた昨年度の教育を、一歩でも前進させるために、具体的施策として、次の3点を推進いたします。
1点目としては、先ほどふれました小中一貫教育に幼児期を加えた一貫教育の推進であり、基本的な生活習慣の指導方法の見直しにより、小1プロブレムの課題の解消を目指します。
また、昨年度は小中一貫教育の種まきの年でしたが、今後は努力という肥料を施して、21中学校区の特色に応じた連携を強化し、ふれあう連携から重なりあう連携へと発展させます。
2点目としては、子どもたちの学力向上を目指した言語活動を推進いたします。聞く(聴く)、話す、読む、書くということは、日常生活に欠かせないものであり、人の話を聞くことができないと、理解力は定着しません。
そこで、「日本の言の葉・音読朗読集」や「言語能力向上ワークシート」の活用により、言語活動の充実を図ります。
3点目としては、思いやりのある心豊かな子の育成を目指した児童会や生徒会活動などの自発的・自治的な活動を推進し、将来の夢の実現に向けて取り組めるよう、子どもたちの活動の充実を図ります。
以上のような、教育施策を柱として、これからの市原教育を、今後ますます成熟させ、子どもたち一人一人が「ふるさと市原」に生まれてよかったと思えるような教育を実践してまいりたいと考えております。
(2) 教職員全員で関わり育てる教育の推進と体制について
①特別支援教育の研修について
* 全教職員に対する特別支援教育の研修の内容・回数・方法について、伺いたい。
全教職員に対する特別支援教育の研修の内容・回数などについて、お答えいたします。
市原市では、全教職員に対し特別支援教育に関する研修を様々な形態で実施しております。
具体的には、全教職員に対し、障がい特性や支援指導について希望研修を夏休みに3回実施し、また、平日の夜間には、参加者の課題をテーマとした、自由に参加できる夕やけ講座を年6回実施しております。
教員3年目経験者研修では、特別な支援が必要な児童生徒の支援指導方法について年1回、教員5年目経験者研修では、特別な支援が必要な児童生徒への教育相談について年1回実施しております。
各小中学校で特別支援教育コーディネーターを担当している教員には、コーディネーターの役割や校内支援体制などについての研修を年3回実施し、特別支援教育を担当している教員には、障がい理解や指導力向上を目的とした研修を年2回実施しております。
今後とも、教育センターで受けた研修内容を各学校の校内研修に反映させ、一人一人の子どものニーズに合わせた指導が実現できるよう、推進してまいります。
* 研修を充実させ、児童生徒の特性を理解し、適切な指導ができるようにすることが大切だと考えるが、どのように考えているか、伺いたい。
お答えいたします。
一人一人の児童生徒の教育的ニーズに応じていくためには、個々の特性を理解し、適切な指導ができるようにすることが、大変重要なことだと考えております。
そこで、今後も事例研修など実態に即した研修をさらに充実させてまいります。
②支援を要する児童・生徒への対応について
* 支援を必要とするすべての児童・生徒への対応について、今後どのように進めていくのか、伺いたい。
支援を要する児童生徒への対応について、今後どのように進めていくのか、お答えいたします。
市内の小中学校では、児童生徒の障がい特性が多様化しており、児童生徒への対応に、担任が苦慮している状況もございます。
そこで、各学校では、担任を中心に保護者と子どものニーズを聞きながら、学校長のリーダーシップのもと、管理職・担任・特別支援教育コーディネーター・養護教諭などからなる校内委員会で、個別の指導計画と個別の教育支援計画を作成し、児童生徒への支援をおこなっております。
市原市としては、今後も学校からの要請により、指導主事や特別支援教育指導員を派遣し、校内の支援体制の充実に努めてまいります
* 学級補助員の配置について、学校現場から63人要望があるのに対し、17人しか配置できていないが、どうとらえているのか、伺いたい。
学級補助員の配置は、特別に支援が必要な児童がいる学級でかつ、学級経営が著しく支障をきたすことが見込まれる学級に派遣することを目的としております。
今年度、要望の対象となる63人の児童の障がい特性には、その程度に差異があり、担任の言葉かけなどの支援や組織での対応で改善されていくものも含まれております。
そこで、学級補助員の配置につきましては、現在、各学校からの要望書を基に、担当者が現地調査を行い、さらに、医療、福祉、教育分野の専門の方々からなる第三者機関「市原市特別な教育的支援を必要とする児童生徒にかかる支援会議」から意見を伺い、それに基づいて配置しているところでございます。
今後も、現状に即した配置ができるよう努めてまいります。
(3)小規模学校の現状と今後の目指すべき方向について
* 市東地区においても、方向性について、いろいろな方々と検討をする機会が必要だと考えるが、今までは、いつごろ、誰と何回位の協議をしているか、伺いたい。
小規模学校の現状と今後の目指すべき方向について、お答えいたします。
市東地区においては、これまで、昨年11月に市津地区の町会長会役員会の皆様と、また今年1月に関係する各学校長と、それぞれ一度ずつ面談の場を持っております。
また、今年度に入って、5月に各学校のPTA会長への説明を行うとともに、市津地区の町会長会の役員と、再度協議を行いました。
その後、この6月に市東第一小、市東第二小のPTA役員等への、説明と意見交換を行っております。
* 加茂地区では、地元町会長やPTA役員など地域の代表者を中心とする「加茂地区の小学校を統合し小中一貫校を目指す会」が地域で組織され、加茂学園の開校につながった。同様に、少子化が進んでいる南総地区においても、「基本的な考え方」において、同様の進め方をする予定であるのか、伺いたい。
南総地区について、お答えいたします。
「基本的な考え方」において、加茂地区、市東地区とともに対象とされた南総地区においても、昨年12月から、順次、町会長会役員会の皆様、関係する各学校長、各学校のPTA会長への説明を重ねております。
このような取組により、地元関係者や市との間で、相互に意見交換等が行える場作りにつながるよう、作業を進めてまいります。
- 学力向上について
* 「全国学力・学習状況調査」の結果公表については、市民も高い関心を持っていると思うが、市原市はどのような方針をとるのか、その見解を伺いたい。
市原市の結果公表の方針について、お答えいたします。
教育委員会では、児童生徒、及び保護者や地域住民に対して、調査結果の説明責任を果たすことは重要であると考えております。
そこで、学校の序列化や過度の競争が生じないように配慮しながら、市原市全体の正答率を公表いていきたいと考えております。
- 自然から学ぶ教育の推進について
* 自然から学ぶ自然体験活動は有意義であると思うが、見解を伺いたい。
自然体験活動の意義について、お答えいたします。
近年の子どもたちを取り巻く状況を考えますと、自然に親しむ機会は減少していく傾向にあります。
そのような状況の中、自然体験活動は「フィールドワークなどをすることによって、自然を理解し、他者を大切にする心情を養う」、「友達と協力して野外炊飯などの活動をすることで、社会性、協調性をはぐくむ」などであり、このような活動を通して、問題を発見したり、解決したりするために、主体的に取り組む意欲や能力を向上させる点で、大変有意義なものであると認識しております。
* 現在、市原市の学校現場ではどのような自然体験活動に取り組んでいるのか、伺いたい。
お答えいたします。
先ほども申し上げましたとおり、自然体験活動につきましては大変意義深いものととらえております。
そこで、現在各小中学校では、それぞれの発達年齢に合わせて、様々な行事等を通して、自然体験学習を実施しています。
今後も子どもたちの実態に合わせた、体験活動を推進してまいりたいと考えております。
(6)退職教員サポーターの掘り起こしについて
* 経験豊富な退職教員を「退職教員サポーター」として学校教育へ協力依頼をするべきと考えるが、見解を伺いたい。
退職教員サポーターの掘り起こし等についてお答えいたします。
退職された経験豊富な教員から、再度各小中学校において支援をいただくことは、きめ細かな教育を推進していく上で大変有効であると考えております。
教育委員会では、退職校長会や有志の退職教員で構成される「教師塾もやい」などと連携し、これまでも退職者の情報収集に努めております。
現在、退職教員に支援していいただいているものとしましては、少人数推進事業を担当する非常勤講師や特別な支援を必要とする子どもたちにかかわる学級補助員、また、新規採用教職員を指導する初任者研修に係る非常勤講師など、支援をいただいております。
今後も、退職校長会や「もやい」と協力しまして、子どもたちへのきめ細かな教育実現のために、退職教員の人材発掘や協力依頼に努めてまいりたいと考えております。
* 経験豊富な退職教員が、定期的もしくは月に1回でもよいので学校教育に関わっていける手立てをとるべきと考えるが、見解を伺いたい。
お答えいたします。
経験豊富な退職教員が、学校教育に関わっていける手立てを講ずることは、子どもたちにとっても、よい支援を実現していく上で、効果的なものであると考えております。
先ほどの退職校長会、もやい塾に加盟していないような退職された先生方につきましても、様々な方法で情報を収集いたしまして、退職教員の実情を考慮した上で、できる限り多くの方々のご支援が受けられるよう努力してまいりたいと思います。
* 広報などをとおして、退職教員の方から手を挙げてもらえるような手立てをとるべきと考えるが、見解を伺いたい。
お答えいたします。
広報等の手立てにつきましては、今後どのような手立て、方法が有効なのか十分検討していきたいと思います。