1 市長の政治姿勢について
(1)7つの基本政策の評価について
2期目の市原市政に向けた7つの基本政策について、主な成果と全体の総括について伺いたい。
小出市長 私は、市長2期目に挑戦するにあたり、誰からも「住み続けたい、住んでみたい」と思われる誇りと魅力あふれる市原創生に向けた覚悟として、7つの基本政策をお示しいたしました。
この7つの基本政策につきましては、「変革方針2019」に反映するとともに、実行計画・令和2年度版における重点事項として位置付け、着実に施策を展開し、推進してまいりました。
主な成果といたしましては、基本政策1、「ひとの活躍推進と愛着・誇りの創生」では、待望の「市原歴史博物館」が昨年11月にオープンを迎え、貴重な歴史遺産の価値と魅力を市民の皆様と広く共有し、愛着と誇りの創生とともに、歴史遺産を支える人づくりに取り組んでいるところであります。
基本政策2、「地域産業の持続的成長への支援強化」では、自治体SDGsモデル事業としてポリスチレンケミカルリサイクルに着手し、公民連携によるサーキュラーエコノミーの市原モデルを必ずや実現することで、2050年カーボンニュートラルと地域経済の持続的発展を両立させてまいります。
また、新型コロナウイルス感染症の影響など、社会経済情勢が激しく変化する中においても、産業支援センター等による伴走型支援により、中小企業や小規模事業者の経営力向上に繋げてまいりました。
基本政策3、「子育て支援と教育施策の充実」では、保育所等の重点的な整備による待機児童ゼロの達成や、コロナ禍にあっても、子どもたちの学びを絶対に守るという決意のもとに「市原市GIGAスクール」をスタートさせ、独自の「IChiHaRa」スタイルを確立し、授業を展開しております。
基本政策4、「地域福祉と健康寿命の延伸の取組推進」では、地域で課題を抱える方々への包括的支援体制を整備するため、市内9カ所に地区福祉総合相談センターを開設し、世代や分野を問わない様々な相談を適切な支援につなげており、また、健康長寿の取組として、東京大学との連携によりフレイル予防を進めております。
基本政策5、「安心・安全で暮らしやすい魅力輝く都市の創生」では、地区防災計画の策定支援による地域における自助・共助の力を高める取組や、JR3駅周辺における拠点まちづくりの推進により、若者、女性に選ばれる魅力あるまちづくりへの具体的な取組を進めているところであります。
基本政策6、「自然と共生した持続可能な社会づくりの推進」では、(仮称)市津の里整備方針を策定するとともに、整備計画の策定に向けた「生息生物調査」に着手し、SDGsや生物多様性等の取組推進により周辺地域の環境と調和、連携、連動した持続的発展を図るフィールドを目指し、取組を進めてまいります。
基本政策7、「自立した市民本位の行政経営の確立」では、総合計画を中心とした計画・予算・改革を一体化させたトータルシステムを構築し、柔軟かつスピーディーな施策展開による行政経営を進め、生産性と市民サービスの向上に取り組んでいるところであります。
私は、令和元年房総半島台風などの風水害や新型コロナウイルス感染症など、様々な困難に直面しながらも、各種施策を停滞させることなく、本市の将来を見据え、戦略的に施策を積極的に展開することで、7つの基本政策は着実な成果を挙げているものと捉えております。
私は、こうした成果に満足することなく、これまで積み重ねてきた確かな実績を礎に、「変革と創造」の基本理念のもと、各種施策を進化させ、更なる成果につなげてまいります。
(2)市長3期目挑戦に向けた「想い」について
小出市長の3期目に向けた「想い」について伺いたい。
小出市長 私は、「みんなが輝く未来をみんなで創る」、この想いを持って、これからのまちづくりを進めてまいります。
人生100年時代、全ての市民の方が、このまちで自分らしく生き生きと暮らし、つながり、支え合い、喜びの連鎖と小さな幸せが広がり続ける、そんな市原の未来の姿をみんなで思い描き、実現してまいります。
今、本市では、身近な地域課題の解決や、まちをもっと良くしようと、多くの人々が自ら動き、地域主体のまちづくりが市内各地で展開されています。
このような動きを市内全域に広げ、あらゆる力とみんなの想いを結集することで、みんなが輝く未来を必ずや実現してまいります。
本市には、「ひとの力」に加えて、これまで発展してきた産業、多彩な魅力あふれる地域資源、伸びしろのある都市空間があります。
一例として、私が市長就任後、着手した拠点まちづくりでは、地域住民をはじめ、各種団体、企業など、様々な方々と対話を重ね、想いをしっかりと受け止め、まちの将来ビジョンを共に描き、公民連携による新たなまちづくりが具体的に動き始めております。
私は、多様な主体との「対話と連携」により「ひとの力」を結集し、本市の持つポテンシャルを最大限に活かすことで、輝く未来につながる道を切り拓き、新たなまちをみんなで創ってまいります。
「今日(こんにち)の成果は過去の努力の結果であり、未来はこれからの努力で決まる。」これは、実業家で、京セラやKDDIを創業した、稲盛(いなもり)和夫(かずお)さんが遺した言葉です。
私は、今後もあらゆる力を結集し、総合計画に掲げる都市像「夢つなぎ ひときらめく 未来創造都市 いちはら」の実現に、全身全霊で取り組んでまいります。
2 安心・安全で暮らしやすい魅力輝く都市の創生について
(1)市原市における救急体制について
本市の令和4年中の救急出動の状況と長時間に及ぶ活動事案があれば伺いたい。
消防局長 はじめに、救急出動の状況でございますが、本市の救急出動件数は、平成14年に初めて1万件を超え、その後も右肩上がりで推移してまいりましたが、令和2年には、千葉県にも、不要不急の外出自粛を伴う、初の緊急事態宣言が発令されたことなども影響し、一旦減少したものの、再び増加に転じております。
特に、昨年の救急出動件数は、新型コロナウイルス感染症第7波や猛暑による熱中症患者の増加などにより、過去最多の1万6,480件を記録し、令和3年と比較しますと、2,298件、率にして約16パーセントの増加となっております。
次に、長時間の救急活動事案でございますが、昨年7月、新型コロナウイルス感染症の濃厚接触者に該当される方が発熱し、陽性者として届け出がなされていないことから、保健所の介入を受けられず、救急隊が63回の病院交渉を行うなど、1回の出動で、約10時間の活動を要した事案がございました。
(2)救急隊員の労務管理について
東京消防庁と同様の事故を起こさないためにも、本市として、救急隊員の労務管理をどのように行っているのか伺いたい。
消防局長 本市では、救急隊を9隊配置しておりますが、昨年、救急出動に伴う活動時間は、1日、1隊当たり、平均で約7時間となっております。
また、救急出動した隊員は、容態の異なる傷病者への対応や移動を迅速に行うための緊急走行など、緊張状態を維持しながら、活動しておりますことから、出動件数が増加いたしますと、救急隊員の疲労も、これに比例して増加してまいります。
このような中、救急隊長が、救急車の運転手、いわゆる機関員の疲労状況などを判断し、必要に応じ、他の隊員と交代させるなどの対応と併せ、救急出動が長時間に及ぶ場合には、医療機関の滞在時間を利用して、飲食が摂れるような対策を講じているところであります。
さらに、長時間出動した救急隊が消防署に戻った際、連続しての出動が指令される場合には、救急車の機関員を、救急資格を有する警防隊員等に交代させて運用するなど、救急隊員への負担軽減を図るとともに、交通事故防止にも繋げているところであります。
(3) 救急搬送における不要不急の通報を避ける周知啓発について
限られた救急隊を真に必要な方に派遣することや、急病者等の不安の解消のため、電話相談事業は重要と考えるが、事業の周知の取組と事業展開の効果について伺いたい。
保健福祉部長 本市では、市民の健康・医療・介護・育児・メンタルヘルスなどの不安を解消するため、24時間365日無料で、医師や看護師等の専門スタッフがアドバイスを行う、「いちはら・健康医療相談ダイヤル24」事業を実施しております。
この相談ダイヤルでは、市民が急病等で救急車を要請すべきか迷った際に、医師や看護師等へ相談もできますことから、県が実施しております「救急安心電話相談事業」や「こども急病電話相談」と併せ、救急医療体制の維持や、市民の不安の解消に役立っているものと考えております。
本事業の周知につきましては、市ウェブサイトや広報いちはらへの掲載のほか、いちはら健倖フェスタ等のイベント開催に合わせ、リーフレットを配布するとともに、子ども未来部と連携し、子ども医療費助成受給券にリーフレットを同封するなど、周知に努めております。
次に、事業の効果につきましては、令和3年度の相談件数30,788件の内、救急車要請をすべきかの相談があったものが474件、このうち実際に救急車要請を助言したものが237件、救急車要請を要しないと助言したものが237件でありました。
また、その他の相談の中で、救急車要請につながったものが400件ありましたことから、「限りある救急隊を必要な方へ派遣していく」ということに関し、一定の成果が出ているものと考えております。
市といたしましては、市民の皆様が安心して暮らすことができるよう、引き続き、本事業の適切な展開と周知に取り組んでまいります。
3 新型コロナウイルス感染症2類から5類への移行について
(1)医療提供体制について
「5類」への移行後の医療提供体制について、現時点で市は関係機関とどの程度問題意識を共有しているのか伺いたい。
保健福祉部長 国は、1月27日開催の新型コロナウイルス感染症対策本部において、5月8日以降、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけを、「2類相当」から「5類感染症」に位置づける方針を決定いたしました。
この感染症法上の位置付けの変更に伴い、国は、急激な負担増が生じないよう、一定の公費支援について、期限を区切って継続する等、今後、具体的な内容を検討していくこととしております。
また、医療提供体制については、幅広い医療機関で患者が受診できるよう、必要となる感染対策を講じつつ、段階的に移行していくこととされておりますが、現段階では、国から具体的な体制等は示されておりません。
千葉県においても、感染症法上の位置付け変更に対応するため、発熱外来制度の調整等を含めた県内の医療提供体制の整備について、今後検討していくとしております。
このことから、現時点では、市が保健所や医師会等の関係機関と「5類」移行後の医療提供体制について、具体的な問題意識の共有等には至っていない状況にあります。
市といたしましては、これまでもワクチン接種や県の発熱外来制度の周知等、新型コロナウイルス感染症対策事業について、保健所や医師会、各医療機関等と連携し対応を図ってまいりましたことから、「5類」に移行する5月8日以降につきましても、関係機関と連携を密にするとともに、国や県の動向を注視し、適切な対応を図ってまいりたいと考えております。
(2) マスクの着用の考え方見直しによる市民への周知について
マスク着用の考え方の見直しについて、市はどのように市民への周知を図っていくのか伺いたい。
保健福祉部長 国は、2月10日開催の新型コロナウイルス感染症対策本部において、3月13日から「マスクの着用については、行政が一律にルールとして求めるのではなく、個人の主体的な選択を尊重し、着用は個人の判断に委ねることを基本とする」旨の方針を示したところです。
これを受け、千葉県では、2月17日に新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開催し、基本的な感染防止対策のうち、マスクの着用については個人の判断に委ねることを基本とした上で、マスクの着用が効果的な場面として、「医療機関受診時」、「高齢者などが多く入院する医療機関や施設等への訪問時」、「重症化リスクが高い方が多く入院・生活する医療機関や高齢者施設等の従事者が勤務する時」などを示し、一定の場合にマスクの着用を、県民に推奨することが決定されました。
なお、留意事項として、マスクを着用するかどうかは、個人の判断に委ねることを基本とし、本人の意思に反してマスクの着脱を強いることがないよう、個人の主体的な判断が尊重されるよう配慮を求めております。
これらのことから、当面の間、マスク着用の「ある・なし」が混在することが想定されますことから、市といたしましては、個人の判断が尊重されることを踏まえたうえで、マスクの着用が推奨される場面について、丁寧な周知に努めてまいります。
また、マスク着用の考え方の見直し後であっても、基本的な感染対策は必要でありますことから、「換気」、「三つの密の回避」、「人と人との距離の確保」、「手洗い等の手指衛生」等の感染防止対策につきましても、引き続き周知を図ってまいります。
(3)マスクの着用の考え方見直しによる学校の対応について
政府が示した「マスク着用の考え方の見直し等」により、今後の学校生活に大きな変化が訪れようとしているが、児童生徒のマスク着用について、本市ではどのような対応をしていくのか伺いたい。
教育総務部長 マスク着用の考え方の見直しは、円滑な移行を図る観点から国民への周知期間や各業界団体及び事業者の準備期間等を考慮して3月13日から適用するほか、学校におけるマスク着用の考え方の見直しは4月1日から適用することとし、それまでの間は、これまでの考え方に沿った対応とする旨の通知である「マスク着用の考え方の見直し等について」及び「卒業式におけるマスクの取扱いに関する基本的な考え方について」が、令和5年2月10日付で文部科学省からなされたところであります。
現状においては、この通知に基づき、これまでどおり学校における感染対策を行いながら、4月1日の見直しに向けて、「学校教育活動の実施に当たっては、マスクの着用を求めないことを基本とすること」や「基礎疾患等の様々な事情により、感染不安を抱き、引き続きマスクの着用を希望する児童生徒に対して適切に配慮するとともに、換気の確保等の必要な対策を講じること」への対応を準備しております。
また、今春に行われる市立小中学校の卒業式については、児童生徒が厳粛で清新な気分を味わい、それまでの学校生活を振り返るとともに、新しい生活の展開への動機付けの機会であるという卒業式の趣旨に鑑み、児童生徒及び教職員が、式典全体を通じてマスクを外すこととし、来賓や保護者等については、マスクの着用を求め、座席間に触れ合わない程度の距離を確保するなど、実施にあたっての基本的な方針を市教育委員会より各小中学校へ通知したところでございます。
市教育委員会といたしましては、コロナ禍の学校生活から大きく変化を迎えることになるであろう4月1日後に向け、児童・生徒及び保護者、また、学校現場が混乱なく、かつ適切に対応できるよう、引き続き準備を進め、丁寧な周知に努めてまいります。
4 福祉と防災の連携による確実な個別避難計画の作成について
(1)福祉と防災の連携による効果について
福祉と防災の連携により期待される効果をどの様に考えているか、見解を伺いたい。
総務部長 高齢者、障がい者、妊産婦、乳幼児など配慮を必要とする人のうち、自ら避難することが困難な避難行動要支援者の方々に対する、個別避難計画の作成は、地域コミュニティの希薄化などにより、避難時の支援者が見つからないことなどが、全国的に計画の策定が進まない要因となっているところです。
このことから、本市では来年度、新たに福祉と防災の連携により個別避難計画の作成に取り組むこととし、そこでは3つの効果が期待できると考えております。
1つ目の効果といたしましては、現況の地域防災関係者だけではなく、要支援者本人の心身の状況等を把握し、信頼関係を築いているケアマネジャーなど福祉専門職と連携することで、より実効性の高い計画策定が可能となること。
2つ目は、これまでの町会による支援に加え、福祉専門職や小域福祉ネットワーク等、様々な関係者と支援者がつながる場が設定されることにより、支援者不足の解消が見込まれること。
3つ目は、福祉や防災の多様な主体が連携することにより、要支援者の重層的な支援体制が構築され、支援をする側の負担の軽減が図れることであります。
次年度に市内2か所を選定し、この新たな取り組みによるモデル事業を展開してまいります。
このモデル事業を通し、避難行動要支援者ごとに避難支援者や避難先、避難経路などを明らかにした個別避難計画の作成を推進し、災害時の安心・安全につながるよう、関係者の皆様との対話と連携を図り、効果的な仕組みとなるよう取り組んでまいります。
(2)個別避難計画作成における福祉専門職等への報酬について
介護度の高い高齢者や重度の障がい者の方の個別避難計画は、福祉専門職等に作成を依頼することになると思う。その際は、適正に予算措置を行うべきと思うが見解を伺いたい。
保健福祉部長 個別避難計画の作成を進める上では、避難行動要支援者本人のほか、親族、友人、近隣住民、福祉専門職など、さまざまな関係者と連携することが、大変重要であると考えております。
避難行動要支援者のうち、特に、要介護者・重度障がい者につきましては、その心身の状況や生活の実態、福祉サービスの利用状況などを、最もよく知る「ケアマネジャー」や「相談支援専門員」の協力が、不可欠であると考えております。
このことから、令和5年度に実施するモデル事業においては、「要介護者」または「重度障がい者」である避難行動要支援者の計画作成について、対象者の正確な情報を有する「ケアマネジャー」と「相談支援専門員」の協力を受けて進めることを予定しており、その協力に対する「謝金」として、関係予算を当初予算案に計上しております。
今後は、このモデル事業の実施を通じて、福祉専門職との協力・連携、及び報酬のあり方についても検証を行い、令和6年度以降の事業につなげてまいりたいと考えております。
(3)避難行動要支援者の直接避難について
今回の取り組みを通じて、避難支援の必要性が高い要支援者が段階を踏まずに、直接、福祉避難所に避難できる仕組みを検討してもらいたいが、見解を伺いたい。
総務部長 避難行動要支援者の直接避難につきましては、急激な環境の変化に対応が難しい要支援者などが、平素から利用し、その環境に慣れている施設へ避難できる有効な方策であると認識しております。
しかしながら、直接避難の実施にあたりましては、受入れ可能人数や受入れ対象者などについて、福祉避難所となる施設と事前に十分な調整を行った上で、実施する必要があります。
このような中、県立市原特別支援学校とは、学校と市が協議を重ね、在校生が指定避難所を介さず、直接避難することを可能とする取組を、令和3年度から開始しているところでございます。
今後は、個別避難計画作成のモデル事業での取組を通して、多様な避難先の確保の在り方や、福祉的な配慮の必要性が高い要支援者の福祉避難所への直接避難の方向性などについて関係者の方々と協議、検討を行ってまいります。
5 GIGAスクール構想について
(1)導入後の成果と今後の取組について
導入から2年が経過したがその成果と、今後の新しい取組について伺いたい。
教育振興部長 GIGAスクール導入後の成果として、学校での学習では、児童生徒に1 台ずつのタブレット端末を整備し、全普通教室に導入した電子黒板と連携させることで、一人一人の考えを相互にリアルタイムに表示させたり、電子黒板にデジタル教科書を映し動画を活用してよりわかりやすく説明したりすることで理解が深まる授業が展開されるようになってまいりました。
家庭学習におきましては、履歴が記録される電子ドリルを活用して、個別に最適化された学習に継続的に取り組めるようにしたり、授業の動画コンテンツを家庭でも視聴できるようにしたりするなど、一人一人が主体的かつ柔軟に学習できるようにしており、学習の習慣化が図れるように取り組んでおります。
令和3年4月に実施しました、市原市GIGAスクール「情報活用能力の育成」のための調査において、子どもたちは、GIGAスクールによって、自ら進んで調べる力は身についてきましたが、「わかりやすくまとめる力」、「自分の言葉で表現できる力」について今後伸ばしていかなければならないと把握しております。
そこで今後の新しい取組といたしまして、先日の市長の所信表明にもありましたとおり、次代を担う子どもたちの成長のために、GIGAスクールの取組として、中学2年生を対象に、プレゼンテーション能力の育成に取り組んでまいります。
プレゼンテーション学習によって若い頃からの表現力を磨き、話す力、伝える力を身につけることは、ビジネスシーンでの活用はもとより、将来を生きる力につながるものであり、令和6年度以降は小学校にも展開してまいります。
(2)教育現場におけるICTの活用について
不登校児童生徒への学びを保障するために、タブレット端末をどのように使っているか伺いたい。
教育振興部長 各学校においては、学校に登校できない児童生徒に向け、授業の様子を時間や教科等を限定してタブレットでライブ配信したり、放課後の学習支援にタブレット端末を活用したりするなど、可能な限り当該児童生徒一人一人の要望や状況に合わせた支援を行っております。
また、学校に登校できない児童生徒にも、自宅等においてタブレット端末を活用して電子ドリルに取り組むことにより、自分の学習状況に応じた課題を選択し学び直しや個別学習ができるようにしております。
今年度導入しました、学習eポータルというタブレット上の児童生徒専用のホームページは、様々な教材コンテンツをワンタップでスムースに利用でき、全ての児童生徒が興味関心に合わせた学習に取り組むことを可能としており、学校に登校できない児童生徒にも有効であると考えております。
なお、令和5年2月に教育委員会が市内小中学校を対象に行った最新の調査では、学校に登校できない児童生徒の中には、人とつながることに困難を示し、タブレット端末による支援を希望しない児童生徒もいることが現状であります。
そのため、当該児童生徒の端末が有効に活用されていない状況があることも課題として把握しております。
教育委員会といたしましては、今後もタブレット端末が学校に登校できない児童生徒にも有効活用されるよう、学校や家庭に周知するとともに、子どもの過度な負担とならないよう配慮しながら、タブレット端末を活用した学級担任等とのオンラインでの対話、授業配信、電子ドリルを活用した学習等を継続して進めるなど、子どもたちの学びの保障に取り組んでまいります。