令和3年第2回定例会で水野義之議員が個別質問

202108mizuno01

1 新型コロナウイルス感染症対策について
(1)年齢別国内発生動向の把握について
新型コロナウイルス感染症の概要を把握するため、年齢別国内発生動向について伺いたい。

保健福祉部長 はじめに、新型コロナウイルス感染症の国内発生動向につきましては、厚生労働省が発表する「新型コロナウイルス感染症の国内発生動向(速報値)」によりますと、本年6月23日時点の年代別の陽性者数の累計は、20代が173,193人で最も多く、次いで30代、40代の順となっております。
次に、死亡者数につきましては、同速報値によりますと、累計で12,248人となっており、このうち20歳未満は0人、20代は8人で、率にして0.07%、30代は27人で、率にして0.22%となっており、平均死亡率が約3パーセントとなっている40代以上と比較いたしますと若者の死亡率は低い状況にあります。
また、入院治療等を要する方、57,854人のうち重症者は、412人となっており、このうち、40歳未満の方は、0人となっております。

(2) 市内での新型コロナワクチン接種件数と副反応疑いの状況について
現在までのワクチン接種の件数及び人数について伺う。また、副反応が疑われる事例等についても併せて伺いたい。

保健福祉部長 はじめに、本市のワクチン接種件数につきましては、6月30日現在、国のワクチン接種記録システム(いわゆるVRS)の集計によると、1回目の接種を終えた高齢者の方が41,796人、2回目の接種を完了した方が18,106人、計59,902回の接種が完了しております。
次に、副反応が疑われる事例として、千葉県から情報提供のあった「副反応疑い報告書」の件数では、6月30日現在、医療従事者への接種で3件、住民接種で2件となっております。
主な症状といたしましては、発熱、腫れやむくみ、吐き気等となっており、1件が観察入院、その他4件についての症状の程度は「重くない」との報告を受けております。

(3) ワクチン接種年齢が12歳以上に引き下げられたことに対する市の対応について
市として、12歳以上の子供たちへのワクチン接種についてどのような対応をしていくのか伺いたい。

保健福祉部長 新型コロナワクチンの接種につきましては、これまで、16歳以上が対象とされていたところ、国は、本年5月31日、ファイザー社製ワクチンの使用を12歳以上へ拡大することを決定いたしました。
これを受け本市では、12歳以上の子どもたちへの接種券の発送について、基礎疾患のある子ども達のうち接種を希望する方へ対応するため、6月21日に64歳以下の接種券の発送に合わせ発送したところであります。
また、12歳以上の子どもたちへのワクチン接種につきましては、これまで実施してきた65歳以上の高齢者や本日7月1日から予約受付を開始した基礎疾患のある方、高齢者施設等の従事者の優先接種の状況やワクチンの供給状況等を踏まえるとともに、国からの通知等を十分に考慮し、今後接種時期等を検討してまいります。

新型コロナは10代の若者にとっては、自らの持つ自然免疫で撃退できる感染症であると考える。10代の若者へのワクチン接種はすべきではない。病気のリスクのない対象者に副反応のリスクのあるワクチンを勧める根拠がない。この点についてもう一度当局の見解を伺いたい。

保健福祉部長 国が発表している「新型コロナウイルス感染症の国内発生動向(速報値)」では、6月23日時点の10代の陽性者数の累計は、58,545人、死亡者は0人、重症者は0人となっており、このデータからは、10代の若者の新型コロナウイルス感染症患者の多くは、軽症であると推察されます。
一方、公益社団法人日本小児学会予防接種・感染症対策委員会が、6月16日に発表した「新型コロナワクチン~子どもならびに子どもに接する成人への接種に対する考え方~」では、「重篤な基礎疾患のある子どもへのワクチン接種により、新型コロナウイルス感染症の重症化を防ぐことが期待される」とされております。
また、「健康な子どもへの接種については、まれに重症化することや、同居する高齢者がいる場合は、感染を広げる可能性があることから、12歳以上の健康な子どもへのワクチン接種は意義がある」との見解が出されております。
加えて、接種に当たっては、メリットとデメリットを本人と養育者が十分に理解していること、接種前・接種中・接種後におけるきめ細やかな対応を行うことが前提であり、個別接種が望ましいとしております。
したがいまして、市といたしましては、ワクチン接種については、任意接種であることから、対象者本人や養育者が、感染拡大予防等のメリットと副反応等のデメリットを理解し、接種の判断ができるよう、情報提供に努めてまいります。

文部科学省のマニュアルでも、「登下校時、教室での授業、体育の授業など子どもたちの学校生活において、原則的にマスクの着用は必要ではない」とされているが、市では小中学校の児童生徒に対してどのような指導を行っているのか伺いたい。

保健福祉部長 市原市教育委員会では各学校に対し、マスクの着用について、国からの通知や千葉県教育委員会の「学校における感染対策ガイドライン」及び市原市教育委員会の定める「市原市立小中学校における新型コロナウイルス感染防止に向けた衛生管理マニュアル」に基づき対応するよう指導しています。
マスクは、学校における基本的な感染防止対策である、手洗い、消毒とともに咳エチケットとして着用しているものであり、飛沫を飛ばさないことで他者への感染リスクを抑えることができるため、基本的にマスクを着用することとしています。
一方、国の通知では、マスクの着用により、熱中症などの健康被害の発生リスクが高まることもあるため、「体育の授業や運動部活動」、「気温・湿度や暑さ指数が高い日」、「登下校を含め、十分な身体的距離が確保できる場合」等は、マスクをする必要がないとしています。
なお、体育の授業等において、軽度な運動を行う場合や児童生徒がマスクの着用を希望する場合は、マスクの着用を否定するものではないとされておりますので、そのような場合、学校では、児童生徒の健康状態の確認をより丁寧に行うとともに、学習の内容や形態を工夫するなど、臨機応変に対応しています。
市原市教育委員会では今後とも、児童生徒の健康安全を第一に考え、感染防止対策とともに、熱中症等の健康被害への対策も同時に行うよう、マスクの適切な使用について指導してまいります。

マスクの着用は、子どもたちに必要以上にストレスを与え、新型コロナウイルスの感染拡大防止の効果に根拠がないと考えるが、当局の見解を伺いたい。

保健福祉部長 マスクの着用については、先ほど、ご答弁いたしましたとおり、国からの通知や県教育委員会のガイドライン、本市の定めるマニュアルに基づき、各学校に適切な対応を指導しているところでございます。
文部科学省から発出されている「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル」では、学校においては、手洗いや咳エチケット、換気といった基本的な感染症対策に加え、感染拡大リスクが高い「3つの密」を避ける、身体的距離を確保するといった感染症対策を徹底することが必要、とされています。
このことから、本市におきましても、熱中症などの健康被害に配慮しながら、新型コロナウイルスの基本的な感染防止対策として、今後ともマスクの適切な使用について指導してまいります。

マスクの着用は、子どもたちに必要以上にストレスを与え、新型コロナウイルスの感染拡大防止の効果に根拠がないと考えるが、当局の見解を伺いたい。

保健福祉部長 市中におけるマスク着用の有効性につきまして、WHO(世界保健機構)は、昨年12月時点において「エビデンスは限られている」としておりますが、「十分な距離が取れない場合等には、マスク着用を推奨する」としております。
また、厚生労働省によりますと、「マスクの着用は、せきやくしゃみなどの飛散を防ぐことによって感染を拡げない効果があるほか、マスクの着用によって、ウイルスが付着した手指が、口や鼻に触れることを防いだり、ウイルス吸入量を減らせる効果がある」としております。
そして、「50センチの距離で会話をした場合、自分と相手の双方がマスクを着用することで、ウイルスの吸入量を7割以上抑える」などの研究結果が具体的な例として示されております。
このようなことから、市では新型コロナウイルス感染症の感染対策として、手指衛生、換気、距離の確保等とともに、マスク着用を市民の皆様へ周知しております。
一方、子どもについて、WHO(世界保健機構)は、5歳以下の子どもへのマスクの着用は必ずしも必要ないとしているほか、厚生労働省や文部科学省から、幼児や児童のマスクに関する考え方が示されております。
市といたしましては、新型コロナウイルス感染症の感染対策として、マスクには一定の有効性があると考える一方で、マスク着用が子ども達に有害である場合には、マスクは着用せず、十分な距離の確保など他の感染予防手段を講じることが重要であると考えております。

(4)ワクチン接種を判断するための市民に対する情報周知の在り方について
市民に送付された新型コロナウイルスワクチン接種券に同封されたファイザー社とモデルナ社の説明書を見ると、「現時点では感染予防効果は十分に明らかになっていません」「SARS-CoV-2による感染症の予防ができる」と反対の意味が表現されている。また、ワクチンは、副反応の因果関係が特定できない、副反応を含め人に対しての影響は分かっていないと考えるが、当局の見解を伺いたい。

保健福祉部長 はじめに、接種券に同封の説明書における、ご指摘の1点目「現時点では感染予防効果は十分に明らかになっていません」との記述と、4点目の「SARS-CoV-2(サーズ コロナウイルス ツー)による感染症の予防ができます」との記述につきましては、ウイルスに感染しなくなる効果は不明であるが、ウイルスに感染した場合においても感染症の発症の予防はできると考えていることが記載されていると理解しております。
次に、2点目の副反応や3点目の人に対しての影響についてお答えいたします。
現在、日本で使用されているファイザー社とモデルナ社の新型コロナワクチンは、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に基づき、厚生労働大臣が、一定の要件の下、通常の承認手続きを簡素化して国内での使用を特例承認したものであり、現時点では、このワクチンに関する様々な情報が限られており、臨床試験が継続されている今までにない新しい仕組みのワクチンであります。
このため、更なる有効性や効果のほか、副反応などこれまで明らかになっていない症状が出る可能性もあるとされておりますが、現在もワクチンの臨床試験は継続中であり、今後さらに情報が得られる予定であります。
したがいまして、市民の皆さまがリスクとデメリットを総合的に勘案して接種の判断ができるよう、国から出される情報の収集と、速やかで分かりやすい情報提供に努めてまいります。