平成31年第1回定例会で山内一平議員が代表質問

20191yamauchi

1 市長の政治姿勢について
 (1)1期目の成果と2期目について
 これまでの市政運営を振り返りながら、その取組成果について、市長の想いを伺いたい。

 小出市長 私は、少子高齢化や人口減少が急激に進行する中、多くの方に愛着と誇りをもって、本市に住みたい、住み続けたいと思っていただけるよう、市民の思いを詰め込んだ総合計画に掲げる都市像実現に向けて、市長就任以来、全身全霊を込めて取り組んでまいりました。
 私は、まちの活力の源はひとの力、そしてひとの力が結集した地域の力であると確信をしております。
 その強い信念に基づき、「対話と連携」を市政運営の根幹に据え、様々な機会を捉え、多くの方々と膝を交えて対話をしてまいりました。
 そして、市民の皆様、市議会、企業、行政のあらゆる力を結集し、産業振興、子育て支援、地域福祉の充実、更には市民の安心・安全の強化など、まちの活力を生み出す施策の具現化に大きな成果を上げることができました。
 産業振興では、本市の産業の核である臨海部企業の競争力強化をはじめ、中小企業や創業希望者への経営相談等に対応する産業支援センターの開設、世界に一番近い「SATOYAMAプロジェクト」など、着実に本市への投資や交流人口の拡大につなげてまいりました。
 子育て支援では、公立認定こども園や子育てネウボラセンターの開設、公共施設の子どもの使用料無償化など、未来へ羽ばたく子どもたちや子育て世帯を支える環境整備を実現いたしました。
 地域で人を支え合う取組では、高齢者の方々が、住まいの近くで地域の皆様と交流し、自らの健康を維持増進できるよう、住民主体による高齢者の「通いの場」制度を構築いたしました。
 ひとを支える安心・安全の強化として、確かな医療で、ひとの健康を守る取組では、本市の長年の懸案であった救急医療体制の充実・強化を図るため、帝京大学ちば総合医療センターが、三次救急医療を提供する救命救急センターへ指定されるよう強く働きかけた結果、これを実現することができました。
 危機や危険に備え、ひとの命を守る取組では、昨年2月に、災害時に「公助」の拠点となる第一庁舎を完成させ、危機管理体制を強化しました。
 また、「いちはら防災100人会議」の集中開催や、地域の状況に即した「地区防災計画」の策定に向けた取組を展開した結果、地域と行政が一体となって防災意識の高揚を図りました。
 その結果、多くの方々が災害を「自分ごと」として捉え、地域で互いに支え合おうとする活動の裾野が広がりを見せております。
 私は、これらの施策効果により、地域の好循環が着実に回り始めていると強く実感するものであります。
 本市は、周辺自治体を含めると、人口190万人の大きな圏域を有しております。
 このことから、私は、圏域全体での活力向上によって、諸課題の解決を図るべく、就任以来、周辺首長との対話を重ねてまいりました。
 その結果、多彩な地域資源を持つ周辺自治体との連携・協力が、本市の子育て支援や観光振興などの分野において、その施策効果を相乗的に高める成果となって現れております。
 こうした周辺自治体との連携の効果が、民間企業の高い関心を呼び、官民連携の新たな展開へと発展しており、今年度に、市原市、千葉市、四街道市とセブン&アイグループ6社との包括広域連携協定を締結し、民間活力を様々な分野でも活かしております。
 私は、地域の好循環を加速させていくことで、市民の皆様が成果を実感できるよう、都市像「夢つなぎ ひときらめく 未来創造都市 いちはら」の実現に向けて邁進してまいります。

 次なるステージを見据え、今後どのような分野に力点を置いて市政運営を展開していかれるのか、市長の2期目に向かって決意を伺う。
 小出市長 私は、総合計画に掲げた都市像の実現こそが、本市の進むべき道であると確信しております。
 これまでの確かな成果を土台として、更なる地域の好循環を創出するため、本市が直面する課題を的確に捉え、常に「変革と創造」を行動理念とし、次なるステージへ決意をもって挑戦してまいります。
 特に、本市の持続的な成長を将来にわたって確保するためは、人口減少の克服に向け、若い世代の就労、結婚、子育ての希望を叶えるとともに、あらゆる世代が安心して住み暮らせるまちを実現しなければなりません。
 総合計画に掲げる目標人口の維持に向け、多世代同居・近居への補助制度を創設し、本市の地域資源や優れた施策を効果的に発信しながら、移住・定住の促進に取り組んでまいります。
 また、まちの賑わいと交流の拡大に向け、連続する国際スポーツ大会を好機とし、インバウンド需要を捉えた取組やレガシーの創出、さらには、国の天然記念物に指定された、養老川流域田淵の地磁気逆転地層の観光資源としての活用に向けた取組など、一層の力を注いでまいります。
 市原ならではの魅力や強みを一体的に打ち出すことで、本市への新しいひとの流れを創り、交流人口や定住人口の拡大につなげてまいります。
 さらに、魅力と活力あふれるまちの創出に向け、都市計画マスタープラン、立地適正化計画に基づき、暮らしやすく、持続的に発展するまちづくりにスピード感を持って取り組んでまいります。
 とりわけ、JR3駅を中心とした拠点整備については、市としての将来展望を拠点形成構想として示し、国や県をはじめ、関係する方々や企業等との対話を重ねながら、本市の都市構造改革を強力に進め、人口減少に真っ向から立ち向かう決意であります。
 私は、「変革と創造」の基本理念のもと、これらのソフト及びハード両面の施策を重層的に展開することで、多くの方が将来に夢や希望を抱き、誇りを持って、住みたい、住み続けたいと思う魅力と活力あふれる市原の創生に不退転の決意を持って取り組む所存であります。

 (2)実行計画と予算案について
 市長として、どのような想いと視点を持って2019年度の実行計画を見直し、予算案を策定されたのか、市長の見解を伺う。
 小出市長 私は、総合計画の目指す都市像実現に向け、第一次実行計画をスタートダッシュにふさわしい計画として、3つの重点施策とその施策効果を高める3つの戦略を柱に据え、これまで実効性の高い事業展開に力を注いでまいりました。
 2019年度は、第一次実行計画の仕上げの年となることから、この2年間に実施した施策の成果や課題を踏まえ、市民の皆様に一層の成果を実感していただけるよう、次期実行計画の展開も見据え、計画の見直しと予算の編成に一体的に進めてまいりました。
 第一次実行計画の見直しにあたりましては、7月に策定した「変革方針2018」に基づき、人口減少対策の強化と市民の愛着と誇りの創生に向けた政策間連携に主眼を置き、更なる変革と創造に取り組むことといたしました。
 そして、計画・予算・改革が連動する新たなマネジメントシステムの中で、事業の選択と集中を強く推し進めました。
 私は、「計画は策定して終わりではなく、実行して成果をあげてこその計画である」との強い信念のもと、2019年度予算案として過去最大規模の予算額を提案させていただくなど、積極的な施策展開により、総合計画に掲げる都市像実現に全力を注いでまいります。

 現在、市では、計画、予算、改革を連動させたトータルシステムを推進しておりますが、それは具体的にどのような仕組みであるのか、これまでの取組との違いと、その効果についてお聞きしたい。
 企画部長 総合計画に掲げる都市像を実現させるためには、行政の生産性を高め、効率的に実効性の高い行政経営を進める必要があります。
 これまで計画は、個別に管理され一定の計画期間終了後に、その成果を検証し見直しを図ることで進めてまいりました。
 しかしながら、この手法では総合的な視点を持って実行計画全体を評価し、その後の庁内連動につなげる仕組みが、十分に整っている状況とは言えませんでした。
 また、複数年度の計画に対し、単年度ごとの予算や組織対応に一部不整合が見られたこと、各分門で使用する帳票類が統一されておらず、事務が非効率となっていたことなども、課題となっており生産性の向上を図るための改善が必要でした。
 このことから、全体的な評価や流動的な社会動向を、本市の行政経営に迅速に反映させる新たな行政経営システムとして、計画、予算、改革、組織が一体的に連動し、常に変革と創造を生み出しながら、成果を成し遂げていくトータルシステムを導入し、現在、その構築を進めているところでございます。
 2018年度は、このトータルシステムを初めて稼働させ、各部局が2017年度に取り組んだ事業を自己点検し、その中から抽出された課題と実績を総合的に検証し、この結果を基に変革の方向性を示す「変革方針2018」を7月に策定いたしました。
 この変革方針に基づき、これからの事業の進め方や課題への対応をサマーレビュー、オータムレビューを通じて協議し、効果的な事業選択を行う中で、予算編成、組織改革と連動させ、実行計画の見直しを図ったところでございます。
 このように、トータルシステムでは、PDCAサイクルを通し、毎年、予算、組織と連動して、実行計画を見直すものであり、常にこれらが一体となって、施策展開を実効性の高いものとしたことが、これまでの取り組みと比べ大きな違いとなります。
 また、トータルシステムを運用した効果としては、年度の早い段階から課題を洗い出し、その対応を検討、調整したことで、目標実現に向けた生産性のある新規事業や拡充事業等の選択と集中に つなげることができたものと捉えております。

(3)行財政改革について
  ア 行財政改革アクションプランⅡについて
 人口減少・少子高齢化により労働者の減少が見込まれる一方、市民ニーズは多様化が進んでいくと考えられる。このような中で、従来どおりの行政経営では対応しきれない局面を迎えると思うが、この度、行財政改革アクションプランⅡ2019(素案)が示された。これまでの改革の成果を踏まえて、どこに力点を置いてアクションプランⅡを策定しているのか伺いたい。
 総務部長 本市では、「市原市行財政改革大綱」に掲げる基本理念「市民本位の行政経営」を実現するため、
 4つの改革の柱を定め、改革の方向性を示すとともに、何を、いつまでに、どのような改革を進めるのか、具体的な工程を明らかにした行財政改革アクションプランⅠを策定し、改革を進めてまいりました。
 このアクションプランⅠに続き、社会経済情勢等の変化を的確に捉え、改革を更に加速させるため、現在、「行財政改革アクションプランⅡ」の策定を進めております。
 この計画は、アクションプランⅠの成果を徹底して検証し策定したもので、特に、『改革を更に加速させる3つの挑戦』として、「総合計画における広域連携戦略の推進」、「ひとの力、地域の力の活躍推進」、「生産性向上のための働き方改革の推進」に重点を置いて取りまとめました。
 1点目の「総合計画における広域連携戦略の推進」は、単独の自治体では対応できない複雑多様化する諸課題を解決するため、周辺自治体や大学・企業等の多様な主体との連携を更に進めるものであり、主な改革項目としては、「大学等や企業との連携の推進」などがございます。
 2点目の「ひとの力、地域の力の活躍推進」は、市民一人一人の「ひとの力」、それぞれが結集した「地域の力」により、新たなまちづくりを推進するものであり、主な改革項目としては、「地区防災計画の策定」などがあります。
 3点目の「生産性向上のための働き方改革の推進」は、より良い市民サービスを効果的に提供するために、生産性の更なる向上を目指すものであり、主な改革項目としては、「AI及びRPAの導入による業務の効率化」があります。
 また、今回のアクションプランⅡでは、「改革の見える化」にも重点を置き、全ての改革項目について指標化を図りました。
 これらの特徴を持つ、行財政改革アクションプランⅡをもって、新たな改革へと積極果敢に挑戦し、市民本位の行政経営を一層推進してまいります。

2 道路行政について
(1)都市計画道路がつながることで生まれる効果について
 都市計画事業の街路整備を行う場合、建設に必要な事業費に対し、開通後の効果をどのように評価して事業化しているのか、その考え方について伺う。
 土木部長 都市計画道路の整備は、議員からもありましたように、利便性の向上や、防災機能の強化の他、CO2の削減効果や、土地活用の活性化など、さまざまな効果が期待されております。
 そのような中で、整備には多くの費用と長い年月を費(つい)やすことから、費用に見合う経済的な効果の検証は、事業を着手する上で重要となります。
 このため、八幡椎津線などの主要な都市計画道路は、国の交付金制度を活用して実施しておりますことから、事業認可の取得の際には、
 国が示す「費用(ひよう)便益(べんえき)分析(ぶんせき)マニュアル」に基づき、建設等の費用に対する効果額を試算して、事業を評価しております。
 具体的には、「走行時間の短縮効果」、「走行経費の減少効果」、「交通事故の減少効果」の3つを効果額として算出しております。
 1つ目の「走行時間の短縮効果」でございますが、これは、新たな道路ができることにより、走行時間が短縮され、この短縮された時間を労働時間や追加的な生産活動時間として、金銭的価値に置き換えた効果額となります。
 2つ目の、「走行経費の減少効果」でございますが、これは、開通による車両交通の円滑化に伴い燃料費等が減少する効果額となります。
 3つ目の「交通事故の減少効果」でございますが、これは、新しいネットワークの形成に伴い、事故が減少し、人的・物的な損害や、事故渋滞による損失が減少することによる効果額となります。
 都市計画道路の事業化の評価といたしましては、数値化の考え方が確立されている、これら3つの効果の額が、建設に掛かる事業費と将来にわたる維持管理費を合わせた額を上回るか、検証するものであります。

 平成通りの平田工区が完成し、供用された際に予想される、経済的な効果は年間どのくらいの額になるのか伺う
 土木部長 平田工区につきましては、先ほど答弁させていただきました3つの効果額の合計として、年間約8億円と試算しております。
 事業評価といたしましては、この効果額に、長期的な社会的要因等を配慮して算出した額が、投資額に対し、2倍を超えており、充分な投資効果が得られるものと考えております。
 今後も、事業の推進に努め、1日も早い効果発現を目指してまいります。

3 教育・保育について
 (1)学校規模適正化について
 「市原市学校規模適正化基本方針」の実現に向けた、地域や保護者の方々との協議等の状況についてお聞かせください。
 教育総務部長 「市原市学校規模適正化基本方針」の具現化に向けましては、今年度、全ての市立小中学校長に対し、基本方針の説明を行い、適正化の趣旨や必要性等について共通認識を図るとともに、適正化の対象となる学校及び関係校につきましては、改めて、より詳細な説明を個別に行ってきたところでございます。
 このような中で、現在は、南総地区及び八幡地区の学校規模適正化を図るため、地域の代表者及び保護者の代表者で構成される協議組織の設置に向け、町会長及びPTA役員との調整を図っているところであります。
 今後は、両地区の協議組織等を中心に、十分な対話を重ねながら、基本方針の具現化に向け取り組んでまいります。

 今後の協議・調整においては、保護者の意見に十分に耳を傾け、子どもたちにとって最善の方策が実施されることが大切であると考えますが、教育委員会の考えを伺います。
 教育総務部長 「市原市学校規模適正化基本方針」は、子どもたちの教育環境の向上を最優先に考え、望ましい学校規模や適正化の方策等の方向性を示したものであります。
 そして、この学校規模適正化の実現にあたっては、地域や保護者の方々と十分に協議・調整を行い、合意形成のもとで、具現化を図ることとしております。
  今後、南総地区及び八幡地区におきましては、地域や保護者の代表で構成される協議組織を設置し、この中で、学校や地域の特色、望まれる教育内容、学校と地域のかかわり等を踏まえながら、十分に協議を重ね、子どもたちにとって最善となる適正化の方策が講じられるよう取り組んでまいります。

 (2)認定こども園について
 本市の認定こども園が開園してから1年が経過しますが、質の高い教育・保育の提供をすることとした成果についてお聞かせください。
 子ども未来部長 市立認定こども園では、幼稚園児に相当する1号認定の子どもと、保育園児に相当する2号認定の子どもとが一緒になった、年齢別のクラス編成をしており、クラスの中では、1号、2号の隔てなく、教育・保育の展開のための年齢に応じた年間指導計画を作成し、その実践として遊びを通してなどの教育活動を行っており、これにより教育機会の拡充や質の向上が図られたものと考えております。
 また、認定こども園は、幅広い年齢層の子どもたちがいることから、子どもたちの日々の活動の中で、異年齢間の交流が生み出され、そのことにより、他者を思いやる気持ちや、それを行動に移す意欲が育まれる有益な 環境になっているものと考えております。
 このほか、特別な配慮が必要な子どもに対しては、  専従職員の配置を行い、発達状況に応じた支援を行うとともに、完全給食の提供や、アレルギー児へ配慮した  きめ細やかな給食の提供などを行っているところです。

 幼稚園と保育所が一体となった事での長時間児と短時間児の配慮などの課題もあるのではと思います。認定こども園にしたことで、何か課題はあるのか伺います。
 子ども未来部長 市立認定こども園では、幅広い年齢層に加え、入園時期や在園時間、登園日数も異なる子ども たちが、在籍しております。
 このため、子ども一人一人の状況に応じ、子どもの主体的な活動を促すような教育及び保育の 充実が強く求められるところです。
 教育・保育の充実には、園の円滑な運営や職員のスキルアップが重要であります。
 このことから、教育委員会と連携し、保育課の幼児教育担当職員及び教育委員会の指導主事に よる巡回訪問や計画訪問を実施し、園への助言・指導を行うことのほか、各園の取り組みや工夫している点などについて、共通理解を深め共に学べるよう、認定こども園や保育所などの職員による合同交流研修の実施に、取り組んでいるところです。
 今後も、教育委員会と連携を密にしながら、 教育・保育の内容のさらなる充実に向け取り組んでまいります。

4 いちはらアート×ミックスについて
 (1)房総里山芸術祭いちはらアート×ミックス2020について
 次回の「第3回いちはらアート×ミックス」は、これまで行ってきた南市原での取り組みを市内全体へ広げ、市原市の持つポテンシャルを最大限に活用した新たな芸術祭を創造していく必要があると考えるが、市長の考えを伺いたい。
 小出市長 第1回アート×ミックスは、少子高齢化など地域が抱える問題をアートの力で解決する「課題解決型芸術祭」として、廃校施設等を活用し、話題性のあるアート作品をそろえ、市外から多くの来場者を迎えた一方で、市域全体に浸透しなかったことが課題となりました。
 第2回では、市民や子どもたちが参画する機会を大幅に拡充し、地域住民が活躍する場を充実させることで、言わば、市民参加型の芸術祭として成果を得たものと受け止めております。
 第3回アート×ミックスを迎えるにあたりましては、過去2回の成果と課題を踏まえた、新たな芸術祭の創出に挑戦してまいりたいと考えております。
 新たな展開について、現在の考えを申し上げますと、その一つ目は、東京オリンピック・パラリンピックとの連動であります。
 2020年は、市の魅力を国内外に発信する絶好の機会となりますので、アート×ミックスを東京オリンピック・パラリンピックの文化プログラムに位置づけ、多角的なシティ・プロモーションを行うとともに、羽田・成田の両国際空港から近いというポテンシャルを活かし、インバウンドを意識した取組も推進してまいります。
 二つ目は市民意識の発揚に向けたエリアの拡大であります。
 これまでと同様、南いちはらの里山を中心的な舞台としてまいりますが、今回は、市の玄関口である五井駅周辺にも拠点を設け、北部から南部まで、全市を挙げたアートイベントとすることで、市民への浸透を図ってまいります。
 三つ目は、新たな地域資源の活用であります。
 国の天然記念物の指定を受けました「養老川流域田淵の地磁気逆転地層」をはじめとする、歴史・文化遺産や、地域性豊かな食に加え、サイクルイベントなどの取組が進みつつあるスポーツにも着目し、アート、歴史・文化、食、スポーツなどの地域資源をミックスさせてまいります。
 四つ目は市民との協働の深化であります。
 過去2回の開催を通じて、地域活動団体による連携事業の拡充やおもてなし機運の醸成が着実に広がっていることを実感しており、この動きをさらに深め、「ひとが活躍するまち」の実現と地域経済の活性化につなげてまいります。
 そして、五つ目は広域連携の推進であります。
 私は、千葉市や木更津市など、周辺自治体の首長に対し、アート×ミックスでの連携を直接呼びかけてきたところであり、今回、タイトルに「房総」の名を冠することで、市域を超えた取組を進め、市原を中心とした里山の魅力を広く国内外へ発信してまいります。
 私は、「課題解決型芸術祭」として出発したアート×ミックスの意義を継承しつつ、時代の波を的確にとらえながら、本市のポテンシャルを最大限に活かした、市原市全体の活性化に資する芸術祭の成功に向け、全力を尽くしてまいります。

 周辺自治体等との広域連携はどの様に展開する考えなのか、また、現時点での進捗について伺いたい。
 スポーツ国際交流部長 市では、総合計画における広域連携戦略として、「市域を超えた連携で190万人圏域の大きなポテンシャルを活かす」との方針のもと、特に、千葉市をはじめ隣接する市や町との密接な連携を推進することとしております。
 第3回アート×ミックスにおきましても、こうした考えのもと、本市を中心とする圏域に、国内外からの多くの来場者を呼び寄せるために、周辺自治体等が持つ多彩な観光資源等を取り込みながら、市域を超えた取組を推進する必要があるものと考えております。
 これまでのアート×ミックスやミニイベントにおきまして、ただいま議員からも一部御紹介がございましたが、周辺自治体や観光施設との間で、広報面での協力や、周遊バスの運行、パスポート特典の設定など連携事業を展開してまいりましたが、今回はさらに連携を強めた事業運営を目指してまいります。
 具体的な連携先といたしましては、これまでも様々な連携事業を展開している千葉市をはじめ、観光面での連携が進んでいる木更津市や君津市、大多喜町、長南町などが考えられます。
 先ほどの市長答弁にもございましたが、すでに市長のトップセールスにより、周辺自治体への連携の呼びかけを行っているところであり、現在、担当部署レベルにおいても、これまでのアート×ミックスの経過や第3回の開催概要について、情報の共有を図っております。
 今後は、より具体的な連携のあり方について、協議を進めてまいります。

 前回の事を踏まえた次回開催に向けては、どのような運営体制を考えているのか、見解をお聞きしたい。
 スポーツ国際交流部長 前回との違いといたしまして、まず、大きな点は、総合ディレクターとして北川フラム氏を招聘したことでございます。
 北川氏には、第1回アート×ミックスでも総合ディレクターをお願いしておりますが、いわゆる地域密着型芸術祭の第一人者としての実績を重ねられており、アートプロジェクトを中心に、芸術祭全般にわたり監修をいただくということになります。
 次に、アート×ミックスは、市のシティプロモーション戦略において、重点プロジェクトに位置付けられておりますことから、市の広報戦略アドバイザーを務めていただいております佐野弘明氏に、広報面でのご助言をいただくこととしております。
 また、第3回の開催計画をまとめるにあたり、官民一体となって、ゼロベースから議論するため、商工会議所、観光協会、小湊鉄道、南市原里山連合の各代表者と庁内各関係部長により、「基本計画策定委員会」を設置いたしました。
 このメンバーの皆さまには、今後の準備段階においても、「企画・運営会議」に加わっていただき、進捗状況を共有しながら、事業運営にご協力をいただく予定であります。
 さらに、事務局を担う市の体制といたしましては、アート×ミックスを担当する参事職を設置するほか、担当職員の増員を図ってまいります。
 これらの実施体制に加えまして、一部業務の民間委託等も行いながら、業務の平準化を図り、円滑な事業執行に努めてまいりたいと考えております。

5 空き店舗の活用について
 空き店舗の活用策は、牛久だけに限ったことではなく全市的なことであり、今後の市原市発展のためにも必要なことと考えるが、市としての考えを伺う。
 経済部長 都市の拠点である駅周辺の空き店舗につきましては、商店街ばかりでなく、「まち」の魅力の低下にもつながることから、空き店舗対策は、「まち」の活性化に向けた重要な課題であると認識しております。
 こうしたことから、本市の「中心都市拠点」、「都市拠点」であるJR3駅周辺につきましては、商工会議所や地元商業者と連携して、商業活性化事業を展開しているところであり、この中で、経営革新に取組む個店の育成や、駅周辺への集客等を高める仕組みとしての定期的なイベントの開催など、駅周辺に人を引き寄せる魅力の創出に取り組んでいるところであります。
 また、「地域拠点」である上総牛久駅周辺につきましても、商店会の若手を中心に組織されている牛久未来会議におきまして、県から派遣を受けた専門家や、市及び商工会議所の職員も参加して、空き店舗の活用等に係る先進事例の研究や、まちの活性化について意見交換等を行っております。
 また、これと並行して、トロッコ列車を利用する観光客等に商店街の商品を販売する「出張牛久商店街」や、そこで販売するための新たな商品開発等の取組も展開されております。
 市といたしましては、こうした取組の中で、先進事例も参考にしながら、空き店舗の活用方策も含めた商店街の活性化に向けて、商工会議所とも連携して検討を進めてまいりたいと考えております。