平成27年度決算審査で菊地代表が質問しました

平成27年度決算審査全体質疑で菊地代表が質問を行いました。

kikuchi201610
1.平成27年度の事業の成果について

 平成27年度の決算審査にあたり、全体的な質疑として小出市長に何点かお尋ねいたします。


 平成27年度に計上された予算は、小出市長のもとで初めて執行を終えたわけですが、これらの事業の多くは、前市長の下で編成されたものであります。小出市長は昨年6月に当選され、その後の補正予算で自らの施策を打ち出す機会はあったわけですが、災害復旧のための予算の追加や既存事業の不足に対応する予算がほとんどでありましたので、余り小出カラーを出すことがなかったのではないかと拝察するところであります。もっとも3月の補正では、国の地方創生加速化交付金を活用したいくつかの事業を追加しておりますが、その執行は全額平成28年度に持ち越されておりますので、現状は成果として現れておりません。
 そこで、はじめに、平成27年度の事業の成果について伺います。この予算は、前総合計画・実施計画の最終年度として、その仕上げとなる予算であったわけですが、小出市長はどのように評価をされておられるのでしょうか、見解をお伺いいたします。

(2回目)
 市長は、これまでの議員としての立場から、執行部側の代表としての立場に変わり決算を終えたわけですが、その成果等を踏まえ、今後改善すべきとお考えの点がありましたらお聞かせください。

2.経常収支比率について

 次に、経常収支比率に関してお尋ねします。
 平成27年度決算における財政指標の多くは改善が進んでおり、評価するところであります。そのうち、特に経済収支比率については、平成20年度以降、ずっと上昇傾向で、悪化が続いてきておりましたが、平成27年度では、平成26年度の95.0%から、92.4%へと2.6ポイント改善しました。
 経常収支比率は、財政構造の弾力性を表すものであり、数ある財政指標の中でも大変重要な指標であると考えておりますが、改善した要因はどういう点にあるのでしょうか。また今後についてはどのように見込んでおられるのかお尋ねいたします。

3.行政改革について

 次に、行政改革について伺います。
 この20年間、税収減と社会保障経費の増大による財政難が続く中で、行革の推進が叫ばれ続けております。特に、2008年9月のリーマンショック後は、それまで以上に大きく取り上げられてきているように思います。
 行政改革とは、経費や人員の削減、事務事業の見直しを行うことであり、組織や機構の統廃合、外部委託などによりこれらを達成するための「改革」であると理解をしております。
 私は、今の厳しい財政状況の中にあって、まさに不断の行政改革を進めることが必要であると考えており、首長の交代というのは、行革を進める絶好のチャンスであると捉えております。小出市長も、市政運営の基本的な考え方の第1に、行財政改革の確実な実行を掲げられておられますが、都市計画部と都市整備部を集約し都市部を創設したこと、重点課題解決に向けた担当参事職を設置したこと、あるいは民間の専門知識・技術を有する任期付き職員の採用、そしてこの夏の事務事業の総点検などは、市長の行革への強い意志の表れであろうと思います。
 小出市長は、企業経営者として、民間企業における経営手法を取り入れた改革を進めるとされております。民間企業では、無駄を省いてコストダウンを行い、新たな価値の創造や良質な商品やサービスの提供につなげているわけですが、行政に置き換えれば、行革を行うことで、行政サービスの一層の充実を実現していくということになろうかと思います。経常収支比率など今後一層の厳しさが見込まれる財政状況の下では、さらなる行革の推進、その加速化が必要と考えますが、市長は今後どのようにこれを進めていくお考えなのか、目標や方策等についてお聞かせください。

(意見)
 小出市長は、先ほど申し上げたとおり、既に組織の見直しなどの改革に着手し、実行されておりますが、行革を進める上では、市民に新たな負担を強いたり、あるいはサービス削減ということも避けられず、その点では、市民の理解・支援を得ることが欠かせません。さらに、市の職員の意識や働き方が変わっていかなければ、長続きせず、真の行政改革とはならないと思われます。是非とも、これらの点にも御留意いただき、小出市長の下で行革を推し進めていっていただければと思います。これは意見とさせていただきます。

4.地方交付税について

 次に、地方交付税についてお尋ねいたします。
 普通交付税は、標準的な行政運営に必要な経費である「基準財政需要額」と、標準的な税収額の一定割合からなる「基準財政収入額」とを比較して、収入が需要を下回る場合に交付されるものと承知しております。市原市は、平成25年度に、市政施行以来はじめて普通交付税の交付団体となって以降、平成27年度まで3年連続で交付を受けております。
 ところが、平成28年度では、また不交付団体に戻ったということであります。税収の増大等を受け、全国的には不交付団体の数が前年から17団体増えたということですが、それでも全国1718市町村のうち、不交付団体はわずか77団体しかありません。日本の96%の自治体が自前の税収では財政運営ができず、国からの交付金に頼っているということになるわけですが、こうした中で市原市は国に頼らない、極めて裕福な団体であると言えます。
 我々は、会派や常任委員会の視察などで全国の自治体を見る機会が多いわけですが、大半が交付団体であるものの、市原市より裕福な団体との印象を持ってしまいます。
 そこで伺います。不交付団体というのは、財政的に見れば、国に頼らない自立した団体であり、地方分権が進む中でむしろ望ましい状況ではないかとも捉えられます。一方、そのような裕福な団体であることから、補助金の補助率が削減されるなどの不利益もあるように伺っております。交付・不交付は市町村が狙って決められるものではないということは十分承知しておりますが、改めて不交付団体と交付団体の評価、メリット・デメリットについてお聞かせください。

5.投資的経費について

 市原市は、相対的には財政力が高いながらも、経常収支比率が高く、財政運営は非常に厳しい状況にあるということが分かりました。しかし、私は、いかに財政が厳しいということであっても、基礎自治体として果たさなければならない役割は少なくないものと考えています。それはソフト面・ハード面いろいろあろうかと思いますが、市民が安心して安全に暮らせるまちづくり、これは基礎自治体としての大きな使命であり、その点で、道路や下水道などのインフラ整備は、果たすべき重要な役割ではないかと考えております。
 確かに、人口減少・少子高齢化の進行で、公共施設については再編成・統廃合が避けて通れないものと考えておりますが、広域都市である本市には、まだまだ道路などインフラ整備が必要です。
 ちょうど今は、日銀のマイナス金利政策の影響で、長期金利は極めて低い状況です。日銀の政策の背景には、企業への貸付を活性化させ設備投資を引き出し、経済の活性化を狙いとしているようでありますが、市としても、この時期を捉え、借金をしてでも都市としての利便性を高め、魅力創出につながるようなインフラ整備を推進していくべきではないかと考えます。このことは、ひいては地方創生、人口減少の抑制にもつながっていくのではないかとも考えるところでありますが、市長の見解をお伺いします。