平成26年12月定例会で星野伊久雄議員が代表質問

平成26年12月定例会で星野伊久雄議員が市民クラブ代表して市制に関する一般質問を行いました。 質問内容は以下の通りです。

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1 市長の政治姿勢について

 * 市長の任期はあと半年あまりであるが、これまで長年培ってきた人脈をまちづくりに活かすことのできる唯一無二の市長として、今、ふるさと市原への思いをどのように描いているのか、ご自身の言葉でお聞かせください。

ただ今の市民クラブを代表しての星野伊久雄議員にお答えさせていただきます。

ふるさと市原への私の思いというご質問をいただきました。

私は、市議会議員、県議会議員、そしてただ今市原市長として3期目を務めさせていただいております。

この間、都合40年にわたりまして、この まちの政治やまちづくり、文化事業にも関わらせていただいてまいりました。

そのような中で、ふるさと市原を愛し、より住みやすい元気なまちにしたいという思いは誰にも負けない、そういう自負を持たせていただいております。

政治の道を志してから今にいたるまで、この思いは変わりません。

星野議員からはありがたいお褒めの言葉もいただきましたが、市民の皆様をはじめ、企業や国、県、など様々な方々のお力添えをいただきながら、このまちの元気づくりは着実に進んできているものと思っております。

私一人が市長、ここに経っているのは確かに市長佐久間隆義ですが、私を支えていただいている方々は私一人ではない、多くの市民の皆さんや関係する方々が、市長という立場の私を支えていただき、また時には厳しく、時にはやさしく、後を押していただいているのではないかと思っております。

このようなことで、今日まで必死でがんばってきました。

しかしながら、本市は今、少子高齢化、人口減少の急速な進行、国際競争の激化に伴う産業構造の変化、またこれらに起因する大幅な税収減への対応など、様々な課題が山積しているものと認識いたしております。

これからが未来に向けたまちづくりの正念場であると思っております。

このような中でも、本市は他に類をみない多彩な資源を有しており、将来にわたって発展可能なポテンシャルを持っているものと私は考えております。

その可能性を持つ本市の将来を担って行くのが、子ども達であります。

全ての子ども達が希望を持ち、夢を描けるような明るく幸せな社会を築き、未来へと引き継いでいけるようなまちづくりが実現できる市原市となることが私のふるさと市原への思いであります。

全ての市民の皆さん、「オール市原」という言葉も使わせていただいておりますが、子ども達は私達の未来です。

自分の子どもでなくても、とにかく若い人達は、私達の未来である、そういう認識を全ての市民の皆さん、企業関係の皆さんにも、引き続き、持ち続けていただいて、私達の未来づくりを育てていくという意識がとても大切だと思っております。

以上でございます。ありがとうございました。

 

* 各界では世代交代が進むなか、出処進退についてこの場で掘り下げてお聞きしないが、私の思いとしては今期で、けじめをつけるべきと思うが、率直なお考えをお聞かせください。

 

ただ今の星野議員のご質問にお答えいたします。

先ほど申し上げたとおり、私は市長として、少子高齢化、人口減少の進行、石油化学産業の構造改革など、今、市原市が置かれている状況、課題を十分認識しており、今後も市原市の未来のために尽力していきたいとの思いはございます。

また一方で、このまちの未来を託していける優秀な人材も育ってきていることも十分認識しております。

このことから、私の出処進退につきましては、現在も熟慮しているところでございます。

ですから、いましばらくお時間をいただきたいと、これはお願いでございます。

以上でございます。

 

2.人口減少・少子高齢化社会の到来への対応について

(1) 人口減少社会への対応について

 

* 全国的に人口減少・少子高齢化が進む中で、日本創成会議が「消滅可能性都市」を示したが、本市においても危機感を持って取り組む必要があると考えるが、人口減少・少子高齢化社会に突入する将来の市原市の姿についてお聞かせください。

 

人口減少社会への対応について、お答えいたします。

日本創成会議による「消滅可能性都市」は、国だけでなく、地方自治体の将来に向けて、警笛を鳴らしたものであると認識しております。

このような中、本市の人口は、平成15年の281,173人をピークに減少傾向にあり、国立社会保障・人口問題研究所による将来人口推計では、2025年には約20,000人が、さらに2040年には約55,000人が減少するものと見込まれております。

加えて、少子高齢化や過疎化も進行しており、2025年における本市の高齢化率は32.3%となり、南総・加茂地区では50%に達すると見込まれております。

これらによる地域のコミュニティ機能の低下や、地域産業の停滞など、地域の活力の低下が大きな課題の一つであると認識しております。

また、人口減少や社会経済情勢の変化に伴う税収の減少や、社会保障関係経費の増大により、市の財政が厳しくなる中で、公共施設等のあり方についても、大きな課題であると考えております。

市としましては、まずは庁内一丸となってこのような課題を直視し、危機感を持って将来のまちづくりに取り組んでまいりたいと考えております。

 

* 市原市の高齢化率は地域によって異なり、まちづくりの考え方が異なると思う。その点を踏まえて市原市のまちづくりを考えていただきたいが、見解を伺います。

 

お答えいたします。

本市は、臨海工業地帯の拡大とともに発展し、一方では豊かな田園や自然に恵まれ、まさに「日本の縮図」と言われるように、多様な地域特性を有しております。

このような中で、本市では改訂市原市総合計画において、市内を4つのゾーンに分け、それぞれの地域特性に応じたまちづくりを進めてまいりました。

その一例といたしましては、南部ゾーンでは、地域資源を活用した観光振興による地域活性化、少子化への対応として小中一貫校である加茂学園の開校、高齢化への対応として(仮称)南部保健福祉センターの整備などに取り組んでいるところでございます。

今後の人口減少社会におきましても、地域の特性を踏まえながら、魅力を活かしたまちづくりに取り組んでいくことが重要であると考えております。

 

* 人口減少・少子高齢化社会の到来による市原市の活力維持・成長に向けての取り組みについて伺います。

 

お答えいたします。

本市が活力を維持し成長していくためには、多様な特性や資源を最大限に活用していくことが重要であると認識しております。

そこで、臨海部企業の競争力強化や、中小企業への支援、農業振興に努めるとともに、本市の豊かな資源を活用して、いちはらアート×ミックス等による観光振興を推進し、交流人口の拡大に取り組んできたところであります。

今後も、このような取組みを推進するとともに、2020年に開催予定の東京オリンピック・パラリンピックも地域活性化の契機と捉え、企業や市民の皆様と連携・協働して市原市の活力維持・向上に取り組んでまいります。

 

* 東京との交流・連携、企業との交流・連携が今後の地域活力の低下を防ぐ大きな力になるのではないかと感じますが、見解を伺います。

 

お答えいたします。

先日の議員研修会に私も参加させていただきましたが、その際、「東京都心を中心に伸びる高速交通網や情報インフラは東京圏のどの地域でも東京との交流を行うチャンスを与えたが、一方で東京とのより強い交流を作り上げるには、一層の特色ある地域づくりと、人と人とのネットワーク作りが必要である」とあらためて認識させていただいたところであります。

その意味で考えますと、いちはら×アートミックスは後ほど詳しくというお話でございましたが、いちはらアート×ミックスは、本市と東京との交流の試金石のような事業であったのではないかと感じております。

多くの作家や企業の方々、また他都市の行政の方々などが市原に来訪し、市原を楽しんでいただいたと同時に、市津地区では新たに農業参入する企業も現れ、都内と市原市民とのコラボレーションによるビジネスが創出されつつあります。

また、湖畔美術館では、原広司さん、大江健三郎さんや谷川俊太郎さんなど日本を代表する著名人が訪れ、新たな文化の創造とブランド化が芽生えてきていると感じております。

今後も、都心からのアクセスの優位性や、豊かな自然環境を活かし、このチャンスを逃すことなく、官民をあげて東京や近隣都市との交流を活発に促し、ひいては、全国的な交流へと展開できるまちづくりに、次期総合計画の策定を含めて、全庁あげて取り組んでまいりたいと考えております。

 

* 市原市においても国の動向をしっかりと見定め、きめ細やかな人口減少対策を重点施策として位置づけるとともに、南市原が消滅可能性地域にならないよう危機感を持って取り組んで頂きたい。

そこで、南市原の地域活性化策及び人口減少対策について、市の考え方を伺います。

 

お答えいたします。

先ほども、都市との交流・連携は、今後の地域活力の低下を防ぐ、大きな力になるとご提言をいただきました。

交流人口の拡大は、地域活性化の活力となるとともに、新たに移り住む人々への可能性を広げることにもなります。

もとより、南市原地域は、養老渓谷など豊かな自然や里山に恵まれるとともに、圏央道によって東京都心とのアクセス性も飛躍的に高まっていることから、改訂市原市総合計画では、市南部を観光交流ゾーンと位置づけ、地域資源を活用した観光振興策を展開しているところでございます。

今後も、都市との交流による様々なネットワークを強化し、雇用の創出により若者の流出を防ぐとともに、若者にとって魅力ある南市原を目指して、様々な施策を講じることを視点としたまちづくりを進めてまいります。

 

* 女性や若者の減少・流出・高齢化により、まちの賑わいは徐々になくなっていきます。雇用の創出を図り、女性や若者を呼び込む対策についてどのように考えているか、見解をお聞かせください。

 

少子化・生産年齢人口の減少と超高齢化社会への対策について、お答えいたします。

本市でも、生産年齢人口の減少は、近年特に顕著であり、地域の賑わいや活力の低下への影響に大きな懸念を抱いているところでございます。

このような状況は、全国的な問題であり、日本創成会議における消滅可能性都市に係る発表は、その後の地方創生へと展開してきております。

本市におきましても、若年女性人口が増加している市町村の、産業、所得、財政面など、人口減少対策のあり方を調査するとともに、国が目指す地方での雇用維持や、若い世代の就労・結婚・子育てなどを通じた人口減少を克服する「まち・ひと・しごと創生法」に関連する取り組みと協調しながら、より具体的な対策を検討してまいりたいと考えております。

 

* 平成25年度の市税収入のうち、35.1%を占める臨海部企業の強化や地場産業の振興に取り組む必要であると思われますが、見解を伺います。

 

 臨海部の強化と地場産業の振興について、お答えいたします。

 現在、本市の臨海部企業においては、国内におけるエチレン需要が減少し、生産過剰の状況にありますことから、企業間統合や事業の効率化を図り、競争力を高めていく取組を進めております。

 今年5月に策定した市原市産業振興ビジョンでは、臨海部工業の課題として、老朽化設備の更新、立地環境に関する法規制、国際競争の激化などを挙げております。

また、地域産業の課題としては、中小企業支援に加え、交流人口の拡大や地域産品の販路拡大、内陸部への産業誘致など、支援の充実や新産業の育成を挙げております。

このことから、産業振興ビジョンに掲げた各施策の具現化に向け、今年の10月に「市原市産業活性化会議」を発足させました。

この産業活性化会議では、大学教授を議長としまして、臨海部企業、経済産業省、千葉県の関係者で構成する「臨海部工業部門会議」と、同じく大学教授を議長として、市内の中小企業者、個人事業者、金融機関、市原市農協、市原商工会議所の関係者で構成する「地域産業部門会議」の2つの部門会議を設置し、それぞれの課題や施策について協議を始めております。

今後は、産業活性化会議をビジョンの推進母体としながら、臨海部の競争力強化や地域産業が発展する環境づくりに取り組んでまいりたいと考えております。

 

* (臨海部企業からの税収が20年間で75億円減少している。)この税収減の原因をどのように分析しているか伺いたい。

 また、生産者人口の減少による税収減についての見解も併せて伺う。

 

臨海部企業からの税収減の原因についてお答えいたします。

臨海部企業からの税収といたしましては、国道16号線(産業道路)より海岸側に立地する法人からの法人市民税、特別徴収の個人市民税、固定資産税の土地・家屋・償却資産、都市計画税、特別土地保有税を対象税目としてとらえております。

平成5年度と平成25年度の比較で申し上げますと、約75億円の税収減の税目別内訳は、法人市民税が約16億円、固定資産税の土地・家屋で 約25億円、償却資産で約29億円、都市計画税で約5億円、それぞれ減収となっております。

まず法人市民税でございますが、この20年間で税収の最高が平成18年度での49億円台、最低が平成21年度での11億円台となるなど、企業業績により税収の増減を繰り返している状況でございます。

次に固定資産税の土地につきましては、バブル崩壊後の地価の下落により、税額が下がっており、家屋につきましても、3年ごとの評価替えによる経年減価により、税額が下がっている状況でございます。

また、都市計画税は、固定資産税と連動しております。

一方、最も減収幅が大きくなっております償却資産でございますが、平成7年度をピークに税額が下がっております。これは、先行きの見通せない経済状況や業界再編・設備の集約化の中で、大規模な設備投資が控えられている結果と考えております。

なお、特別徴収の個人市民税は、税源移譲の関係もあり、ほぼ横ばいでございます。

次に、生産年齢人口の減少による税収への影響について、お答えいたします。

国立社会保障・人口問題研究所の推計では、 本市の生産年齢人口は、平成22年の18万5千人から、平成37年に15万3千人、平成47年に13万5千人へと減少する一方、高齢者人口は、平成22年の5万9千人から、平成27年に7万2千人、平成37年に8万2千人、平成47年に8万1千人へと増加するとしております。

生産年齢人口の減少は、税目の中で個人市民税が、最も影響を受けるものと考えております。

今後の個人市民税の見込みにつきましては、 雇用状況や賃金体系、年金水準の見通し、税制 改正など様々な不確定要素がございますが、仮に平成26年度の一人あたりの平均課税額をベースに、生産年齢人口・高齢者人口の推移で単純に試算しますと、平成37年には12億4千万円、平成47年には26億7千万円の大幅な減収となり、大変厳しい状況になるものと想定しております。

 

* 2013年時点で、日本のエチレン生産能力は760万トンに対して、生産量は670万トンであり、設備過剰な状態にあります。一方、国際競争の中では、中東、アジアなどから大きく水を開けられ、徐々に存在感が薄まりつつある。その状況の中で、今後の石油化学コンビナートと臨海部企業の将来予測と、対応についてお聞かせください。

 

石油化学コンビナートと、臨海部企業の将来 予測と、その対応について、お答えいたします。

我が国の石油化学産業は、中東や中国での大型施設の建設に加え、2017年には北米でシェールガス由来のエチレン生産が本格化することから、今後、大変厳しい国際競争にさらされ、京葉臨海コンビナートにおきましても、これまでにない大規模な事業再編が 求められるものと予測されます。

現在、臨海部企業におきましては、エチレン供給体制の見直しや発電所・ボイラーなどの設備共有化により国際競争力を強化しようとする動きがみられます。

このようなことから、今年7月に千葉県、本市を含めた関係5市、立地企業9社で構成する 「京葉臨海コンビナート規制緩和検討会議」を立ち上げ、安定的な操業を続けていくための共通の課題について、ワーキンググループを設置し、規制緩和に向けた協議を行っているところであります。

 

* 企業努力は当然のことですが、市としても、国や県へ各種支援の働きかけや国際競争力の確保に向けて、企業の立地環境の整備が重要になると思われます。また、企業の人材育成や操業しやすい環境整備など企業と協力しながら、市原市で事業を行ってもらうための取り組みをしていくことが大事であると考えますが、見解を伺います。

 

臨海部企業が、本市で事業を継続していただくための取組について、お答えいたします。

先程、ご答弁申し上げましたとおり、「京葉臨海コンビナート規制緩和検討会議」において、規制緩和に向けた協議を行っているところであります。

これに加え、市では、今年10月に緑化規制の緩和措置と、生産設備の更新などを 促す奨励金制度の見直しを実施し、企業の立地環境整備の支援を拡充するとともに、市原市産業活性化会議を発足させて、産業振興ビジョンで掲げる施策の具現化に向けて、協議を始めております。

今後も、立地企業はもとより、国や県と連携しながら、操業環境の向上を図ることにより、臨海部企業が本市で操業を継続していただけるよう努めてまいります。

 

3 健康寿命を平均寿命に近づけるための施策について

(1)地域包括ケアシステムについて

 

* 尾道市立市民病院及び公立みつぎ総合病院にて地域包括ケアシステムについての視察を行なったが、退院時に様々な分野の専門家が集まってカンファレンスを行なうなど連携体制が確立されていた。この仕組みは本市でも取り入れなければならないと思ったが、市の見解を伺いたい。

 

現在、「団塊の世代」が75歳以上となる平成37年に向け、国において、医療及び介護の一体改革が進められているところであり、特に介護分野においては、「地域包括ケアシステムの構築」が重要課題として掲げられております。

その中で、尾道市の取り組みは、「尾道方式」と呼ばれ、全国の先駆的な事例として知られております。

「尾道方式」とは、在宅医療の地域連携と多職種協働をシステム化したものであり、その最大の特徴は、入院から在宅へ移行する際に、主治医や介護関係者などで行うケアカンファレンスの実施が徹底されていることであると伺っております。

地域包括ケアシステムの構築を進める上で、「在宅医療と介護の連携推進」は重要なテーマでありますので、本市におきましても、次期、介護保険事業計画の中に位置づけ、取り組んでまいりたいと考えております。

 

* 地域包括ケアシステムの構築を進めていくということでありますから、それはしっかり進めていただきたいと思いますが、答弁の中で、次期「介護保険事業計画」策定の中に位置づけて取り組んでいくとのことですが、この策定は、いつ頃になるのでしょうか。

 

来年度からの計画ということで、現在、策定中であります。

 

* 公立みつぎ総合病院では、地域包括ケアシステムによる効果として、寝たきりの人が減少、医療費の削減、まちの活性化が挙げられており、効果は明らかだが、市としてはどう評価するのか、見解を伺いたい。

 

尾道市をはじめ、全国の自治体で地域包括ケアシステム構築に向けた取り組みが行われております。

その事例からは、「多職種が参加することにより、点から面としての事業展開が可能になった」「高齢者の閉じこもりが減った」「地域住民の互助の取り組みが進んだ」「高齢者が支援者としての役割を持ち、生きがいづくりにつながった」「世代間の交流が増え、地域コミュニティが進んだ」など、さまざまな効果が紹介されております。

これらは、地域づくりという面のほか、介護給付費や医療費の削減など、行財政運営にも大きな効果をもたらすものであると考えております。

本市といたしましても、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

 

* 尾道市で既に高い効果が実証されている地域包括ケアシステムを本市でも導入する場合、どのように構築し、どう進めていくのか、見解を伺いたい。

 

本市では、現在、市内5か所の地域包括支援センターにおいて、個別ケースの支援に着目した「地域ケア会議」を開催しております。

今後は、この会議を活性化させ、多職種間の連携強化や、地域における課題抽出につなげ、全市的な課題解決のための会議へと発展させてまいりたいと考えております。

地域包括ケアシステムは、多様な主体が協働して高齢者を支えるものであることから、まずは、関係者間で「顔の見える関係」を築き、積極的な意見交換を通じて、本市の地域特性にあった地域包括ケアシステムの構築を目指していきたいと考えております。

 

* まずは「地域ケア会議」で対応していくということですが、地域ケア会議は、どのくらい開催されていて、現在はどういう会議内容となっているのかお聞かせください。

  

「地域ケア会議」につきましては、地域包括支援センターが主催する、個別のケア会議を中心に開催しております。

回数につきましては、手元に資料を持っておりませんが、年間で数回は開催しております。

 

(2)健康増進と医療費の削減について

 

* 今後、右肩上がりに増えていくと予測される医療費の抑制のために、市としてはどのような対策をとられていくのか伺います。

 

医療費抑制のためには、健康づくり対策が重要であると認識しております。

市では、市民の健康増進計画である「改訂健康いちはら21」に基づき、生活習慣病の予防など、市民の健康づくりを推進しております。

この中で、運動分野については、「無理なく楽しく日常生活の中で、こまめに体を動かす」ことを目標に、運動の習慣づけを支援する取り組みを進めているところであります。

具体的には、「元気はつらつ運動教室」を開催し、ウォーキングやストレッチ、体幹トレーニングなどについて学ぶ機会を設けており、今年度は、延べ600人以上の方の参加が見込まれております。

また、市内の公民館などで実施している気軽に参加できる運動講座の情報などを集約したリーフレットを作成し、各種の教室やイベントの開催時に配布しております。

ウォーキング等の運動は、生活習慣病予防や介護予防、医療費の削減にもつながりますことから、今後も、関係機関と連携しながら、運動の普及啓発に努めてまいります。

* 運動の普及啓発のために、リーフレットを作って配布しているということだけれども、それだけでは、不十分ではないか。それ以外の活動としては、どういうことがあるのか考えているのでしょうか。

 

様々な健康教室等を行っておりまして、広報とかホームページで呼びかけ、参加者を募って、やっております。

 

* 歩くことで健康増進を図り、結果として病気予防、医療費削減につながる“歩きたいと思えるまちづくり”を市民の皆さんとともにつくって行くことが必要と考えますが、お考えをお聞かせ下さい。

 

まちづくりでは、高齢になっても生きがいを持ち、健康で元気に暮らすことができるまちが、大変重要であると認識しております。

「改訂健康いちはら21」では、市民一人ひとりが、自然を感じながら、日々の健康づくりを楽しみ、地域で共有して、伝え、支え合うまちをめざしております。

歩きたくなる歩道や美しい公園等が整備されることで、体を動かす機会が増えたり、心が和むなど、心身の健康につながることから、こうしたハード面の環境整備も健康なまちづくりの一つの要素であると考えられます。

また、地域における様々な活動や交流等によって、互いに支え合い、助け合う地域づくりを進めることも、健康づくりにつながるものと考えます。

このようなことから、今後も関係部署と連携を図りながら、市民と協働で健康を支援する環境づくりに努めてまいりたいと考えております。

 

* 今後も関係部署と連携を図りながら、市民と協働で健康を支援する環境づくりに努めてまいりますということですが、積極的に推進するという表現を使っていただかないと、努めますというのは、努力しますということで、なかなか先に進まない。もう一回答弁をお願いしたい。

 

健康づくりにむけて、積極的に進めてまいります。

 

* 習志野市では、健康講座等に参加した市民にポイントを与え、ポイントを貯めた市民に、市がサービスカードを発行し、それを協力店に持っていくと、その店独自のサービスが受けられるという、健康マイレージ事業を企画しているが、そのことについてはどう考えるか。

 

全国各地でポイント制度というのを、考えている市町村がございます。

たとえば、介護とか健康とか、講座に出たとき、介護にボランティアで参加したときに、点数をさしあげる、その結果として地域振興につなげているというところもあります。

そういった様々な先進地等、研究しているところであります。

 

(3)南部保健福祉センターについて

 

* 南部保健福祉センターには他の保健福祉センターにない中高年健康増進施設が作られた。そこを拠点として、地域一体を健康、というテーマでくくり、日本一の健康長寿地域として、戦略的にまちづくりをするべきと考えるが、市の見解を伺いたい。

 

南部保健福祉センターは、高齢化率の高い南部ゾーンに位置する施設でありますことから、元気な高齢者づくりの拠点施設としての位置付けのもと、整備を進めているものであります。

このため、保健福祉センターの基本的な機能に加えて、健康増進と介護予防などを目的とした、市内では初となる中高年向けの健康増進施設を設置いたしました。

さらに、施設内のヘルスステーションには、市の保健師を駐在させ、地域に密着した健康相談や健康教育、健康診査などの保健サービスを行う拠点といたします。

南部地区には、本施設以外にも南部運動広場や加茂運動広場など、健康づくりの拠点となる施設がありますので、これらの施設を有効活用し、健康増進や介護予防などの取り組みを行うことで、この地区が健康長寿の地域づくりのモデルとなるよう、関係部と共に検討してまいります。

 

* 南部保健福祉センターに行きたくても、交通事情により行きづらいと感じている高齢者がいる。どのように解決して行くのか、市の見解を伺いたい。

 

南部保健福祉センターの開設にあたり、市の南部地域で、交通手段の確保が困難な地域にお住まいの高齢者につきましては、送迎バスを運行するなど、利便性が確保されるよう、現在、関係部と調整を進めているところでございます。

 

(4)高齢者の社会参加と生きがいづくりについて

 

* 今後、高齢者が急増する社会情勢の変化に伴い、高齢者を支えるために高齢者の力を活用することが、高齢者の社会参加、生きがいづくりに結びつき、元気な高齢者が増えることで医療費の削減にも繋がる。このように支えられる高齢者から支える側の高齢者として活躍していただく新たな高齢者対策について、市の見解を伺いたい。

 

高齢者の社会参加と生きがいづくりについて、お答えいたします。

今後、単身高齢者世帯や高齢者夫婦のみ世帯が増えていく中で、日常生活上の困りごとや外出等に対する多様な支援が求められることになります。

これらのきめ細かな生活支援を行うためには、ボランティアやNPO、民間企業などのほか、元気な高齢者を含む地域住民の力を活用した、サービス提供体制が必要となってきます。

元気な高齢者がサービスの担い手となることで、同じ高齢者に、「心身機能」「活動」「参加」のそれぞれにバランス良く働きかけることが可能となります。

また、参加する高齢者にとって、現役時代の能力や趣味を生かした活動、新たにチャレンジする活動に取り組むことで、社会的役割を持ち、生きがいや介護予防にもつながるものと思われます。

さらに、今回の介護保険制度の改正では、高齢者の社会参加を促す取り組みも求められているところです。

市といたしましては、新たな生活支援・介護予防サービスの充実を図る中で、元気な高齢者が活躍する場づくりに努めてまいりたいと考えております。

 

5.観光の重要性と交流人口の拡大について

 

* 本市の歴史・文化資産こそ市原市の誇りであり、全国にも通用する観光資源となりうることを今こそ市原市民が再認識すべきと考えます。観光・文化都市を目指した市の取り組みについて期待していますが見解を伺います。

 

観光・文化都市を目指した市の取り組みについてお答えいたします。

本市には、上総国分寺跡や上総国分尼寺跡などの 国指定の史跡や菅原孝標の女が市原の国府に育った幼い頃の思い出と、都へ戻る旅立ちの場面からはじまる「更級日記」など、市民として誇れる歴史文化がございます。

これらの歴史文化を市内外にPRするため、今年の「上総いちはら国府祭り」では、オープニングイベントとして更級日記をモチーフとした時代絵巻行列を行い、市原の魅力ある歴史文化として発信しております。

また、教育委員会では本市の歴史・文化について文化財マップや歴史の旅人を通じてPRしておりますが、今後、さらに本市の歴史・文化を観光資源として広く発信していくため、教育委員会と連携し、市原の魅力を総体的にPRすることにより、多くの誘客につなげてまいりたいと考えております。

 

*観光交流人口の増加策として、日本一のゴルフ場数を誇る市原市として、日本一の観光ゴルフ企画を考えてはどうかと思いますが、見解を伺います。

観光ゴルフ企画について、お答えいたします。

これまでにゴルフ場を対象とした観光企画としては、平成21年度から23年度にかけて、市原市観光協会が市内のゴルフ場と共催により、「ゴルフ場スタンプラリー」を実施致しました。

ご提案頂きましたとおり、本市は、日本一ゴルフ場が多いまちでありますことから、「ゴルフ場数日本一のまち市原」を全面に打ち出しまして、より多くのお客様にお越しいただけるようなゴルフ企画を、ゴルフ場の関係者をはじめ、商工会議所や観光協会と連携しながら検討してまいりたいと考えております。

 

* 市原鶴舞IC周辺の地域特性を活かした活性化策についてお聞きします。

 

お答えいたします。

首都圏から約1時間という至近距離にある市原鶴舞IC周辺には、数多くの観光資源があると思っております。

鶴舞公園、市原ぞうの国、ご指摘の「やもかのなかま」、そして高滝、あるいは湖畔美術館など、観光客を呼び込めるスポットが数多くございます。

今後は、より多くのお客様にお越し頂くために、それぞれの観光施設の魅力を総合的に発信してまいりたいと思います。また、プロモーションの充実も図かってまいりたいと思います。

いずれにしましても、観光は地域の総合的な戦略産業でありますので、本市の個性的で多様な資源を活かして、取組んでまいります。

 

(1)中房総国際芸術祭いちはらアート×ミックスについて

 

  • 3年後の芸術祭に向けての意気込み、決意を聞かせてほしい。

 

次回の開催に向けては、総括報告書で示した広報活動や交通対策、里山や地元農産物など、地域資源の活用策など、課題を改善し、市民の理解と参画を得ながら、芸術祭が本市のまちづくりにつながるように取り組んでまいります。

また、飲食店や宿泊施設への経済波及効果を生みだすためには、多くの人々を呼び込むことが必要になりますので、やはり今回の経験を活かして、今まで以上に千葉県や周辺自治体と連携をとって、取り組んでまいります。

 

* 平成26年3月の定例会(代表質問)において、水野議員の質問に対し検討するという答弁があった。その後、報道官の必要性を認めて、配置する方向になっていると思うがそれについて伺います。

3月議会以降の話でございますけども、その後、県内の各自治体の取組状況を調査いたしました。

千葉県をはじめ、船橋市や、流山市、八千代市、我孫子市などで、報道官の配置や組織の強化を行っており、民間経験のある方を公募し採用しているところもございます。

また、これらの守備範囲につきましても、いわゆるシティセールスやシティプロモーション全般から、集客を目的とした観光プロモーションに限定したものなど様々でございました。

今後は、これらの事例を参考に本市の目指す政策広報のあり方を見極めたうえで、組織体制について関係部局と協議してまいりたいと考えております。

 

6 少子化に向けての学校のあり方について

 

* 平成19年に月出小、平成25年に高滝、里見、富山、白鳥の4小が閉校となり、併せて、加茂学校給食共同調理場も稼動を終了した。今後の跡地・跡施設の利活用についての考えを、伺いたい。

 

お答えいたします。

跡地施設の利活用につきましては、昨年の平成25年1月に「加茂地区小学校等跡地施設活用に向けた取組方針」を策定し、地元と協議を進めてまいりました。

この取組方針を踏まえ、加茂地区の町会長等を構成員とする「加茂地区長期戦略ビジョン策定委員会」及び旧高滝小学区の関係者で構成される「高滝小学校跡地利用検討委員会」から、地元意見を取りまとめた提言等が、本年2月から3月にかけて、それぞれ提出されたところであります。

その後、この内容につきまして、庁内の関係部局で構成する検討会議等で意見を求めまして、調整した結果、市がすでに実施している事業や重複する事業も含んでおりますことから、財政状況等を踏まえると、市の施策として対応することが難しい状況にある、との結論を得たところであります。

現在、市から地元に対しまして、この結果とともに、敷地については市が草刈等の維持管理を行うことや、モニュメント等についてはその保持に努めること等を、跡地施設の当面の扱いとして、お伝えしているところであります。 

以上です。