平成28年度予算審査特別委員会で山内一平議員が賛成討論

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 市民クラブを代表しまして、平成28年度一般会計及び特別・企業各会計予算案について、賛成する立場から討論いたします。
 平成28年度当初予算は、小出市長が就任後、初めての予算編成でありましたが、

市税は、過去10年間で2番目に少なく、依然として低迷しているとともに、普通交付税や臨時財政対策債が見込めない、厳しい境での編成であったものと推察いたします。
 このような中で、平成28年度予算は、「夢と誇りが持てる、安心して暮らせるまち」実現に向け、総合戦略を中心とした、より実効性の高い施策に取り組み、その達成に向けて、行財政改革の徹底と経営感覚を持った予算の重点化による編成が行われたものであります。
 行財政改革の徹底については、(仮称)行財政改革大綱の策定と並行し、予算編成の中でスピード感を持って事務事業の見直し等が行われました。
 特に、予算編成の過程での改革として、経常的な事務事業について、市民に最も近く、事業に精通した各部局の裁量に委ねる「部局編成枠」を大幅に拡大し、事務事業の検証を行いながら、現場ならではの創意工夫による事業の見直しや歳入確保に取り組まれました。
 これらの結果、一般財源約8億9千万円の縮減を図り、これを重点施策への財源として活用されたことは、特筆すべきものであると考えております。
 経営感覚を持った予算の重点化による取り組みについては、「人口減少等の克服に向けた総合戦略に掲げる施策」、「安心・安全の強化に向けた施策」、「未来を担う子ども達の教育の推進に向けた施策」の3点を重点施策として掲げ、新たな編成手法として「特別枠」を設け、事業の選択と集中が図られました。
 その結果、各会計の予算規模ですが、
一般会計で、 914億3000万円
特別会計で、640億9580万円
公営企業会計で、47億7220万円
総予算規模で、1602億9800万円となり、一般会計は1.0%増、総予算規模では、0.3%の増となり、いずれも過去最大となっております。増加した主な要因としては、子育て支援策の充実等による扶助費や人口減少等の克服に向けた総合戦略に掲げる施策の増によるものであります。
 次に、3つの重点施策別に具体的な内容を申し上げます。
 重点施策の一点目、「人口減少等の克服に向けた総合戦略に掲げる施策」は、人口減少が進んでいる本市において、今すぐに手を打っていかなければならない施策であり、創業等促進支援事業やJR3駅周辺商業活性化支援事業、出産前後家事等サポート事業、看護師等修学資金貸付事業などを計上されました。
 これらは、本市の人口減少等の課題克服に向けて総合戦略に掲げる施策であり、事業の確実な執行により、その実現が図られることを望みます。
 二点目の、「安心・安全の強化に向けた施策」でありますが、将来にわたって市民が健康で活力に満ち、安全で快適に暮らせるまちづくりは、行政が率先して取り組むべき課題であり、安心生活見守り支援事業、老人福祉施設整備費補助事業、各種予防接種事業、有害獣対策事業などを計上されました。
 今後も、市民が住み慣れた地域で、将来にわたって幸せを享受できるよう、一層の充実を望むものであります。
 そして、三点目の、「未来を担う子ども達の教育の推進に向けた施策」は、次代を担う子どもたちへの確かな教育であり、基礎学力定着推進事業や生活困窮世帯の子どもたちへの学習支援事業、タブレット端末導入事業を計上されました。
 子どもたちが、資質と能力を最大限に伸ばし、社会の中で活躍できるよう、一層の推進を望むものであります。
 これらはいずれも、現在の本市の現状と課題を踏まえた中で、早急に取り組むべき施策として重点化したものであり、必ずや市原市の未来創生につながるものと評価するものであります。
 また、特定財源の確保に努めるとともに、財政調整基金残高の確保や市債残高の削減を図るなど、健全な財政運営にも的確に取り組まれております。
 こうしたことから、「市原改革元年」となる平成28年度予算は、将来にわたり、持続可能で規律ある財政運営を堅持しつつ、喫緊の課題にも的確に対応した未来に責任を持つ「確かな市政」を実現するに相応しい予算案であると評価するところであります。
 次に、財政運営についてでありますが、財源確保については、利用者負担の適正化はもとより、国・県支出金などの特定財源の確保・発掘に取り組まれるとともに、遊休財産等の積極的な活用を望みます。
 また、市税をはじめとする市債権の徴収対策については、債権回収対策本部を中心に情報の共有化を図り、全庁を挙げて債権の適正な管理に取り組むよう望みます。
 さらに、今後も厳しい財政運営が予想されますことから、今年度予定の行財政改革を強力に推し進められるよう要望します。
 最後に、予算執行にあたっては、市長をはじめ、職員の皆様には、市民の立場に立ち、真摯に取り組まれ、予算審査特別委員会の委員長報告にありました指摘、あるいは提言などを十分に斟酌(しんしゃく)し、対応されるよう強く要望します。
 以上をもちまして、市民クラブは、平成28年度一般会計及び特別・企業会計予算案につきまして、賛成するものであります。