平成29年9月定例会で伊藤浩士議員が個別質問

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1 市民との協働について
(1)現状と課題について
本市には数多くの市民活動団体が活躍していると思うが、団体の現状と団体等との協働を促進していく上での課題について伺います。

市民生活部長 市では、これまで、平成17年3月策定の「市民公益活動促進に関する基本指針」に基づき、市民活動に関する講座や研修の実施、市民活動を支える資金提供の仕組みづくり、協働を理解するためのガイドブックの作成などに取り組み、市民活動団体等の育成・自立に向けた支援を行ってまいりました。
このような取り組みにより、高齢者・子育て支援、道路・河川・公園の愛護、里山保全など、市内全域で様々な分野で数多くの団体が活動しており、平成29年4月現在、NPO法人97、ボランティアセンター登録団体数181と10年前と比較して、それぞれ40前後、増加しております。
このように市民活動の裾野も広がりつつあるところではありますが、市民活動及び協働の推進に関する附属機関である「市原市市民活動・協働推進委員会」及び「みんなで考えるこれからの市民活動」意見交換会の議論の中で、本市の協働に関しての課題も明らかになってまいりました。
具体的には、まず、活動する人材について、高齢化や固定化が顕著になりつつあるということであります。また、市民活動団体間の横のつながりが希薄で、コミュニケーションづくりのための拠点が必要であるということでございます。さらには、市民活動団体の活動内容や仲間の募集などの情報発信の場が少ないということでございます。
また、行政内部において市民活動団体等の情報共有が十分ではない、行政と市民活動団体との間で課題の共有が図られていないなどの課題があるものと認識しております。
(2)協働を促進するための取り組みについて
協働を促進するための施策とその効果をどのように考えているのか伺います。

市民生活部長 議員から先程お話しがありましたとおり、市では、市原市総合計画におきまして、「2026年のいちはらの姿」の一つとして、「人の活躍が新たな誇りを創るまち」を掲げ、地域団体による活動を支援するものといたしました。
これは、複雑多様化する地域課題に対応していくためには、これまでにも増して、市と市民活動団体等との協働が不可欠であるという視点によるものでございます。
このため、まずは、市の取り組みや支援などの情報を市民活動団体等と庁内各部門間で共有し、組織や分野を横断して対応できる体制を構築するとともに、市民活動団体等と市との協働に資する新たな助成制度を検討しているところでございます。
また、市民活動団体等の活動の情報発信、団体同士のコミュニケーションを図るための拠点づくりを推進し、市民や市民活動へ参加される方への情報提供を促進することにより、多くの人、そして地域のつながりの醸成につながるものと考えております。

2 危機管理について
(1)組織体制について
他市の組織機構において、市長直属の部局体制が多く採用されている。そのメリットとしては、即応体制が迅速に図れることにあると思われる。市原市においても、防災庁舎の完成を機会に、更なる組織強化を図ってはどうかと考えるが、見解を伺いたい。

総務部長 本市では、近年、防災に関する企画立案や防災関係団体との連携強化等を図るため、地域防災マネージャーとして、自衛隊や県内自治体において、防災・危機管理の経験豊かな任期付職員を採用しております。
また、防災課を危機管理課に改称するなど、危機管理体制の強化を図ったところであります。
加えて、危機管理課においては、防災と防犯対策の一体化を図り、総合的に危機管理に関する施策を展開しております。
また、発災時においては、災害対策本部を立ち上げ、市長を本部長として、迅速かつ総合的に様々な対応ができうる組織体制を整えております。
こうした中、昨今、首都圏において大地震の発生確率が高まるとともに、全国各地で発生しているゲリラ豪雨など、想定を超える自然災害への対応や、今後、市民主体による地区防災計画の策定など、危機管理をめぐる諸課題が、高度化・多様化しております。このようなことから、危機管理体制の更なる強化が必要であると認識しております。
このため、総合計画に基づく安心・安全なまちの実現を目指し、どのような組織体制がこれからの本市の危機管理体制として適しているのか、行政組織機構全体の見直しの中で検討してまいります。

(2)情報管理・発信の体制について
Lアラートとエリアメールを有効に利用することは、市民の安心・安全、交流人口500万人を目指す市原市の危機管理における情報発信能力の向上に極めて有効であると考えるが、当局の見解を伺いたい。

総務部長 まず、Lアラートの活用につきましては、災害等が差し迫った場合において、危機管理課に設置されている千葉県防災情報システム端末に、避難勧告等や避難所開設などの情報を入力いたします。これにより、Lアラートを介することで、市民や本市に通勤されている方々に対して、テレビ・ラジオ・インターネットを通じた情報の配信が可能となります。
その一例としまして、昨年7月の大雨の際に、市原地区の浸水被害に対応するため、市原小学校に避難所を開設した時や、昨年8月の台風9号によるJR内房線の運行見合わせでは、多数発生した帰宅困難者のため、サンプラザ市原、八幡公民館、姉崎公民館に避難所を開設した時の情報配信に活用したことがございます。
また、エリアメールや緊急速報メールにつきましては、気象庁の発信する緊急地震速報や気象情報、地方自治体が発信する災害情報や避難情報等を携帯電話に一斉送信するものであり、本市においても平成23年度より運用を開始し、土砂災害警戒情報の発信などを行っております。
これらのシステムは、市が発令した避難勧告等の災害情報を市内にお住まいの住民のみならず、市外から本市に通勤されている方や、観光で本市に訪れている方などへの情報提供に有効な手段であります。
今後も、これらの運用に努めてまいります。

新たに完成する庁舎の災害対策本部の防災情報システムはどのようなものになるのか当局の見解を伺いたい。

総務部長 災害発生時におきましては、的確な情報の収集・分析と情報の共有化、これらの情報を基にした迅速な意思決定等が求められ、災害対策本部と関係機関が連携を図った災害対応が重要となります。
このことから、防災庁舎の供用開始に先立ち、平成28年度に災害情報システムの整備を図り、昨年12月の本稼動により、災害情報の収集・集約力強化、災害対応状況の可視化・見える化を図るとともに、時機を逸しない、的確な発令と情報伝達ができるよう、システムによる発令判断の支援機能など、災害対策本部機能の強化を図ったところでございます。
本システムにつきましては、消防庁通知の「市町村の災害対策本部機能の強化について」における、災害対策本部を中心とした災害に関する情報を一元的に把握し、共有化する取組に合致するものでございます。
このようなことから、新たに完成する庁舎の災害対策本部におきましても、本システムを活用し、災害対応に万全を期して、取り組んでまいります。

市は、危機管理に関する様々な情報をどのように収集、管理をして、どのタイミングで発信するのか。その工程について伺いたい。

総務部長 まず、本市における危機管理に関する情報の収集につきましては、千葉県、気象庁などの関係機関からの情報はもとより、刻々と変化する状況の中で、各担当部局によるパトロール、市民からの通報など、多様な手段により情報を収集しております。
次に情報の管理につきましては、昨年12月から本稼動しております災害情報システムを活用し、庁内において情報の一元化・共有化を図り、様々な情報を的確に分析し、災害に迅速に対応しているところでございます。
また、情報発信のタイミングにつきましては、災害情報システムの機能として、河川の水位や土砂災害の危険度を自動的に知らせる発令判断支援機能と、市が収集・分析した情報とをあわせ、地域防災計画や平成29年3月に策定した「避難勧告等に関する発令マニュアル」に基づいた避難勧告等の発令基準等により、時機を逸しない情報の発信に努めております。
具体的な発信方法として、災害情報システムと市ホームページ、情報配信メール、ツイッター、エリアメールを連動させることで、災害情報システムに入力した避難勧告等の発令情報を瞬時に発信する体制を整えております。
今後も、危機管理における情報の収集・管理・発信体制の充実に努めてまいります。