平成27年12月定例会で菊地洋己議員が市政に関する代表質問

1 市長の政治姿勢について

(1)新総合計画策定について

市長として半年間、実際に市政運営を経験した今、改めて市政運営に対する思いを伺います。

1603kikuchi_640

また、市政運営の柱となる総合計画を策定する意義について、どのように感じているか見解を伺います。

 

小出市長 私は、市長就任前から、本市が抱える人口減少などの課題に大きな危機感を抱いておりました。

市長就任後、人口減少や少子高齢化、特に本市の厳しい財政状況を目の当たりにし、その深刻な状況は、未だかつてない危機に直面しているものと、痛感しております。

同時に、何としてもこの危機を乗り越え、「夢と誇りが持てる、安心して暮らせるまち」を実現していくことが、市民の負託に応えることであると、改めて意を決しているところであります。

このような厳しい状況が続く中にあっては、市原市の未来を照らし、まちづくりへの道筋を示す羅針盤が必要であります。総合計画策定の意義は、その羅針盤として、本市が抱える大きな危機を脱却し、市原市を創生していくことにあります。

そのために、新総合計画の策定は市政改革の最大のチャンスとして捉え、市民の皆様をはじめ、企業や有識者、議会の皆様、職員など、多くの方々とともに、その大いなる力や英知を結集し、総合力をもって策定に取り組んでいるところであります。

 

市長は、所信表明において、「夢と誇りが持てる、安心して暮らせるまち」の実現を目指すと言われました。

現段階において、将来都市像をどのように考え、またどのような施策に力点を置いて総合計画を策定し、今後の市政運営を進めていくのか、見解を伺います。

小出市長 新総合計画の将来都市像や重点施策について、お答えをいたします。

新総合計画は、人口減少や少子高齢化など、時代の大きな転換点を迎える中で策定する、極めて重要な計画であります。

私は、これまでの延長線上では解決できない人口減少という大きな課題を克服し、「夢と誇りが持てる、安心して暮らせるまち」の実現に向け、多くの市民意見を伺いながら、新総合計画の策定を進めるとともに、その先行版として、まち・ひと・しごと創生総合戦略の策定にも取り組んでいるところでございます。

今後、これらを総合的にとりまとめ、目指すべき将来の方向性となる、将来都市像を描いてまいります。

また、どのような施策に力点を置くのかという御質問についてでございますが、まずは行財政改革に取り組み、強固な財政基盤の確立を図り、計画の実効性を確保してまいります。

その上で、地域の活力や魅力の向上をはじめ、安心して生活できる地域づくり、安全で快適な都市機能の強化、子育て・教育・文化の向上や女性の活躍推進などに、重点化を図ってまいります。

また、総合戦略においては、特に人口減少の克服や活力あるまちづくりへ向けて、今年度、地方創生先行型として取り組んでいる、産業の活性化や、交流の拡大、若者の定住促進などの施策を中心に、更なる展開を図ってまいります。

これらの施策を通じて、未来に責任を持つ確かな市政の運営に努めてまいります。

 

新総合計画の策定に当たり、市民ニーズや意見、提案、要望等を総合計画へ反映していくための市民参画の方法について、どのように考えているのか見解を伺います。

企画部長 新総合計画の策定に当たりましては、策定方針において、「多様な人材の力を活かす」取り組みを行うこととしております。

この方針に基づき、市内中高生による「いちはら未来ワークショップ」、産業、大学、金融などの有識者の皆様との「まち・ひと・しごと創生総合戦略懇談会」、17歳から94歳までの幅広い世代の市民の皆様との「いちはら未来会議」、全地区町会長の皆様との「未来創生ミーティング」など、さまざまな機会を通じて、市民の皆様から多くの御意見、御提案をいただいているところでございます。

加えて、市議会との両輪という観点から、「地方創生と将来ビジョンに関する調査特別委員会」などを通じて、議員の皆様から御意見をいただいてまいります。

また、市民意識調査や転出入の動向に関する調査など、各種のアンケートや意識調査についても同時に実施しており、幅広い市民ニーズの把握に努めております。

現在、これらの御意見等を踏まえ、基本構想(案)の策定に向け、目指すべきまちづくりの方向性等について、検討しているところでございます。

今後も、実効性の高い新総合計画の策定を目指し、幅広い市民の皆様の力を活かしてまいります。

具体的には、これまでの御意見や御提案の計画への反映状況の御説明を兼ねた市民会議や、基本計画等の策定を踏まえた地域懇談会など、策定段階に応じて、市民参画の機会を積極的に設けてまいりたいと考えております。

 

             

総合計画を適切に運用していくためには、職員がその内容を良く知ることが必要でありますが、全ての職員が内容を熟知しているとは言いがたい状況にあると伺っております。

こうした問題の解決とともに、現場の職員の実践的なアイディアや知識を総合計画に活かす観点から、計画策定過程への職員参加機会の充実が大切であると考えますが見解を伺います。

 

企画部長 新総合計画の策定方針において、「職員の力を活かす」取り組みを行うこととしております。

そのような中、若手職員中心のプロジェクトチームが活動し、新総合計画における新たなまちづくりへ向けて、チームからさまざまな提案があったことは、職員力の発揮という観点から、大きな成果であると捉えております。

また、新総合計画の策定に向けた全庁横断の組織として、市長を本部長に、全部局長で構成する本部会議が設置されており、その下に、より具体的な作業を行うため、全部門の主管課長と、プロジェクトチームに参加した職員で構成する検討会議を設置しております。

検討会議に関わる職員は、「いちはら未来会議」にも参加し、市民と直接対話し、本市の未来づくりに向け、ともに意見を交わしており、現在それらの市民意見を踏まえた基本構想の原案づくりなどに取り組んでおります。

今後とも、多くの職員の参画を継続し、職員の総合力を発揮した計画づくりを進めてまいります。

 

(2)行財政改革について

① 行財政改革の推進について

 

市長の目指す行財政改革とはどのような事を考えておられるのか、お聞かせください。また、具体的にどのように進めていくのか、伺います。

 

小出市長 私は、行財政改革の推進にあたり重要と考える改革の4本柱として、「簡素で効率的な経営」「財政基盤の強化」「多様な主体との協働の推進」「総合行政の推進」を掲げ、現在、行財政改革大綱の策定を進めているところであります。

1点目の「簡素で効率的な経営」では、すべての事務事業を原点に立ち返って見直し、限りある経営資源を最大限に活用してまいります。

2点目の「財政基盤の強化」では、長期財政収支の見通しを踏まえた上で、収支の均衡を保ちながら、健全な財政運営を行ってまいります。

3点目の「多様な主体との協働の推進」では、複雑多様化する市民ニーズへきめ細かく対応するため、市民をはじめ多様な主体との協働をさらに進めてまいります。

4点目の「総合行政の推進」では、組織や仕事の仕組み、職員の意識改革を図るなど、市民サービスの向上を目指してまいります。

次に具体的な進め方につきましては、大綱の取組期間を平成28年度から33年度までの6年間といたします。

さらに、スピード感を持った改革を推進するため、3年間の具体的な改革項目を取りまとめた「行財政改革アクションプラン(第1期)」も策定した上で、達成状況を毎年度検証し、社会経済状況の変化にも対応できるよう弾力的な取組も進めてまいります。

また、大綱策定にあたりましては、行政改革推進本部会議を中心に全庁的な取組を進めており、さらに外部の有識者から構成されます行政改革推進委員会での御提言や、パブリックコメントを実施し、より多くの皆様の御意見等を参考に、今年度末の策定を目指して取り組んでまいります。

 

(2)行財政改革について

 ② 効率的な組織対応について

 

各部門に跨る課題に対し、一元的に対応できる組織体制の整備が必要であると考えるが、見解を伺います。

 

小出市長 社会経済情勢の変化や市民ニーズの多様化により、部門を越えた新たな課題が発生し、それへの対応として、総合行政を推進する必要があり、具体的には、庁内横結び機能の強化と専門的な職の設置により、対応してまいりたいと考えております。

庁内横結び機能の強化につきましては、政策会議や戦略会議、庁内横断的なプロジェクト会議によって、各部門が連携し、スピード感を持って課題対応できるよう、私がリーダーシップを発揮して、取り組んでまいります。

次に専門的な職の設置につきましては、新たな課題への対応として、法令に関する正確な知識や的確な解釈が求められることから、弁護士資格を有する特定任期付職員や、新たな発想による取組を展開するため、民間企業の知識や経験を持った任期付職員を採用してまいりたいと考えております。

 

③人事評価制度について

 

人事評価制度について、そもそも地方自治体においてなぜ必要なのか伺う。

 

総務部長 人事評価制度は、これまで見られた採用試験の種類、年功等を重視した任用や給与処遇などの画一的な人事管理ではなく、職員個々の能力や実績等を把握して適材適所の人事配置やメリハリのある給与処遇を実現し、公務能率の一層の増進を図っていくことを目的として、平成19年度に国家公務員を対象に本格導入されました。

さらに、人事評価制度には、個々の職員の強み・弱みを把握して能力開発の促進につなげるなど、人材育成の意義も有しております。

このような状況を踏まえ、地方自治体においても、能力や実績に基づく人事管理を徹底することで、より高い能力をもった職員の育成、組織全体の士気高揚、公務能率の向上に取り組み、以って、住民サービスの向上を図ることを目的として、人事評価制度の導入がされたところであります。

 

現行でどのような評価項目・尺度で実施し、法改正に対してどのように対応していくのか伺う。

総務部長 本市の人事評価制度は、与えられた職務に取り組む姿勢、態度、意欲を評価する能力態度評価と、係長級以上の職員を対象とした、果たすべき職務をどの程度達成したかを把握する実績評価の2本立てとなっております。

能力態度評価は、業務遂行能力、コミュニケーション能力、態度などで評価し、それぞれについて、複数の着眼点を用いて、広く様々な能力、態度を見るよう組み立てております。

また、実績評価は、具体的な業務の目標、課題を年度当初に設定し、年度末にその達成度を評価することとしております。

今回の法改正に対しましては、実績評価の対象者を全職員とすることが求められておりますので、係長の直前職位である4級以下の職員を含めた全ての職員が、発揮した能力及び挙げた実績によって公正に評価されるよう、現在、評価制度の見直しを進めているところであります。

 

職員がモチベーションを保つために、どのような人事評価が行われているか伺う。

総務部長 人事評価は、任用、給与、分限その他の人事管理の基礎となるツールでありますが、評価をすることのみが目的ではなく、制度を通じて組織全体の士気高揚、職員のモチベーションの向上など人材育成につなげる取組であります。

具体的には、面談等を通じ、組織目標の共有化を図るとともに、個々の職員の強み・弱みを把握しながら、役割や業務量を相互理解することとしております。

また、面談等を通じて評価過程や評価結果をフィードバックすることとしております。

これらにより、職員は、主体的に自分自身の能力を分析するとともに、目標の達成過程を通じて、仕事への充実感や達成感を得ることで、モチベーションの維持、向上につながることができるものと考えております。

 

(3) 新年度予算編成と今後の財政運営について

 

人口減少を抑制するためには、市民あるいは企業に、この市原市を選んでいただくことが重要であり、そのための施策を展開することが、税収の増大につながり、財政構造の硬直化の解消、活性化促進にもつながっていくのではないかと考えている。予算編成に臨む市長の想いをお聞かせ願いたい。

 

小出市長 私の市政運営にあたっての思いは、「夢と誇りが持てる、安心して暮らせるまち」を実現することであります。

市長就任後、半年が経過した今、多くの市民の皆様と触れあい、声をお聞きする中で、この思いはより強く、揺るぎないものとなっております。

言うまでもなく、本市の財政状況はかつてない厳しい状況にございますが、私は、議員のご提言のとおり、市民・企業の皆様に、この市原を選んでいただくことが重要であると考えており、今まさに、そのための施策を打って出る時であると認識しております。

現在、これからの市政の羅針盤となる新たな総合計画を策定中ですが、新年度では、新総合計画の先行版となる「(仮称)市原市まち・ひと・しごと創生総合戦略」の具現化等を中心に取り組んでまいりたいと考えております。

これら施策の実現には、その土台となる財政基盤の確立は待ったなしの課題であります。

そこで、私は、「長期財政収支の見通し」を公表するとともに、市民との「いちはら未来会議」や町会長との「未来創生ミーティング」などあらゆる機会をとおして、厳しい現状や行財政改革の必要性、市民が明るい展望が持てる持続可能なまちづくりの意義について、訴えてまいりました。

このようなことから、私は、予算編成にあたり、職員に対し、全庁横断的な視点に立って全ての事業の点検・評価を行い、ゼロベースでの見直しを行うよう指示したところであり、これにより生み出された財源を活用し、さらには事業の選択と集中を行なった上で、市民の皆様に納得いただける新年度予算を編成してまいります。

 

予算編成方針では、重点施策として、「人口減少等の克服に向けた総合戦略に掲げる施策」、「安心・安全の強化に向けた施策」、「未来を担う子ども達の教育の推進に向けた施策」の3点を掲げているが、どのような点からこの3つを重点施策とされたのか、考えを伺いたい。

 

小出市長 予算編成にあたっては、現下の極めて厳しい財政状況にあって、事業の選択と集中の一層の推進とともに、新たな行政課題に的確に対応することが求められております。

これらをより効果的にかつ的確に行うため、予算編成の中で全ての事業の見直しを行うとともに、今、取り組むべき重要施策に対しては「特別枠」を設け、果敢に対応することといたしました。

この特別枠には3つの重点施策を掲げております。

一つ目は、「人口減少等の克服に向けた総合戦略に掲げる施策」であります。本市が、将来にわたって活力ある地域社会を維持していくためには、地域の特性や資源を活かした施策を展開していくことが大変重要なことと考えております。

二つ目は、「安心・安全の強化に向けた施策」であります。これは、子どもから高齢者まで全ての市民が支え合い、住み慣れた地域でいきいきと暮らすことができる体制づくり、災害に強いまちの構築であると考えております。

三つ目は、「未来を担う子ども達の教育の推進に向けた施策」であります。希望あふれる未来を作っていく上では、子どもたちをしっかりと育てることが大切であり、子育て支援と教育環境の充実が求められております。

私は、新年度、この3つの施策を起爆剤に新たなスタートを切ることで、市原市に好循環が生まれるものと確信をしております。

 

「長期財政収支の見通しと財政運営の基本的な考え方」が示されたが、収支不足解消に向け、もう少し具体的な解消方策を明らかにし、その上で市民に対しサービスのあり方などについても理解を求めていくことが必要ではないかと考えるが、見解を伺う。

 

財政部長 このたびの公表は、本市における今後10年間の財政収支見通しをお示しし、これを踏まえた財政運営の指針、そして収支均衡に向けて取り組むべき方向性についてお示ししたものでございます。

議員ご指摘のように、収支均衡に向けた具体的な効果額までを示す解消方法は明らかにしておりませんが、その要因といたしまして、現在の地方財政の制度面での課題がございます。

地方財政は、毎年の税制改正、地方交付税などの地方行財政制度改革、社会保障制度改革、さらには景気浮揚のための各種施策など、国の施策に大きく依存しており、収支の見込みも刻々と変化しております。

従いまして、中長期での財政推計は、定期的な見直しが必要となりますが、収支見通しが刻々と変動する状況の下で具体的な数字を含めた方策を立てることは、却って市民の誤解を招くことが懸念されます。

現在、新たな総合計画、行財政改革大綱、そして各種個別計画等の策定や改訂作業が進められておりますが、今回、お示ししました長期財政見通しは、これらの計画のベースになるものでありますので、今後は、それぞれの計画の中で、収支改善に向けた各種施策を位置づけていくことが必要なものと考えております。

 

(4)入札・契約制度について

本市の入札不調の現状はどうなのか、また、入札不調対策として、市は、どのような対応を図っているのかお聞かせください。

財政部長 まず、入札不調の現状につきましては、今年度 10月末時点で、181件の入札を執行し、うち 入札不調は19件、約10.5%であります。

入札不調の割合は、平成23年度が約3.2%、平成24年度が約8.5%、平成25年度が約12.0%、平成26年度が約15.3%となっておりますので、今年度は大きく改善してまいりました。

次に、入札不調対策についてお答えいたします。

入札不調となった案件の多くは、入札者がいなかったことによるものであります。そこで、入札参加資格を有する事業者から聞取り調査を行い、その原因の把握に努めておりますが、事業者からは、「自治体が積算する建設単価では採算がとれない」「技能労働者及び建築資材等の不足やこれによる建設物価の急激な上昇等により、労働者や資材の手配ができない」といった理由が多々ございました。

このことから、事業費の積算において、可能な限り最新の労務単価及び資材費などを積算に反映させるとともに、仮に、契約後であっても物価が急激に上昇した場合には、請負代金を変更できる「スライド条項」を適用することなどの周知を図ってきたところであります。

さらには、人手不足への対応として、現場代理人の常駐義務を要しない工事の範囲を拡大するなど、対策を講じてきたところであります。

今後も引き続き、きめ細かく対応してまいりたいと考えております。

 

本市の建設工事における市内業者・市外業者の落札割合についてお聞かせください。また、市内業者育成のために、どのような配慮をしているのかお聞かせください。

 

財政部長 昨年度の建設工事における市内業者への発注状況は、件数ベースで総数237件のうち198件であり、約84%となっております。

このうち、土木一式、建築一式、電気、管、舗装、造園の6業種に限れば、発注件数192件のうち188件であり、約98%となっております。

次に、市内業者育成への配慮について、お答えいたします。

本市では、全ての建設工事の入札を制限付き一般競争入札により実施しており、市内業者により施工可能な業務であって、競争性が確保されると判断した場合には、参加資格の地域要件を「市内業者」に限定しております。

また、本年4月から、災害や除雪時における市への貢献度や工事成績等を入札参加資格の要件とする「評価型競争入札(インセンティブ発注)」を新たに導入することで、市内業者育成といった視点も踏まえた制度改正を行っております。

このように、市内業者育成につきましても、一定の配慮を心がけながら、入札執行にあたっております。

 

除草、清掃、ごみ収集など人件費の占める割合が高い業務においても、事業者が適正な価格により受注できるよう、最低制限価格を設定してはどうかと考えますが、市の見解をお伺いします。

財政部長 本市では、契約の内容に適合した履行を確保するため、地方自治法施行令第167条の10第2項、市原市契約規則第7条第2項等により、「設計金額が5,000万円未満の工事契約のうち、総合評価落札方式を除く競争入札により契約を締結しようとする案件」に限定して、最低制限価格を設定しております。

また、「設計額が5,000万円以上の工事、設計額が1,000万円以上の測量・建設コンサルタント業務の契約」には、低入札の調査基準価格及び失格基準価格を設定しております。

ご指摘のとおり、企業の安定した経営には、最低限の経費が当然ありますし、適正な利益を確保することも必要であろうと思います。

地方自治体の中には、最低制限価格の設定対象となる契約の範囲を工事関係に限定せず委託業務なども含めているところがあります。

このようなことから、最低制限価格制度の委託業務への拡大につきましては、今後、財政面への影響や他市の状況等を見極めながら、検討してまいりたいと考えております。

 

※ 地方自治法施行令第167条の10第2項で「工事又は製造その他についての請負の契約」と規定されていることから、「物品、財産等の購入に係る契約」には、最低制限価格制度を採用できません。

 

(5) 農業振興について

本市の農業の現状を踏まえ、将来に向けて持続発展する農業に繋げていくための考えがあるのかをお聞かせください。

 

経済部長 本市は、県下でも有数の経営耕地面積を有しておりますが、本市の特徴としては、ご指摘ありましたとおり、農業従事者の高齢化が顕著なことに加え、兼業農家が全体の8割以上を占め、一人当たりの耕地面積も1.1haと県平均の1.6haを下回っております。

したがいまして、近い将来、多くの地域で耕作者が不足し、農地の保全管理が困難となることが予想され、農業を支える担い手の育成や確保が喫緊の課題であると認識しております。

農業については、国でも成長産業として位置づけておりますが、本市農業が、将来に向け持続的に発展していくためには、多様な地域資源を有効活用し、地域産業と連携を深め、成長に向けた潜在力を最大限に引き出し、農業者の経営環境を充実していくことが重要になると考えております。

このことから、現在、市では、経営規模拡大のための農地の集積・集約化の推進のほか、制度資金や補助事業による設備投資への資金援助、更には、経営スキル向上のための研修会開催など、担い手の育成と確保を目的とした各種支援策を講じているところであります。

現在、本市の農業の課題をとらえ、農業の持続的発展に繋がるよう、次期農林業振興計画の策定に向け取り組んでおりますが、今後は更に、千葉県やJA市原市等の関係機関に加え、農業生産法人などとの連携を強化しながら、農業技術と経営力に優れた新たな農業者の育成や支援に重点を置いた施策を展開してまいりたいと考えております。

 

(5) 農業振興について

 

私は、農業振興において、農業センターは県内でも誇れる先進的な組織であると考えています。集積した農地を耕作し、生計を立てていく若い農業の担い手を育み、技術指導とともに経営指導もできる支援施設であって頂きたいと考えています。今後の農業センターのあり方についての考えがありましたら、お聞かせください。

 

経済部長 本市の農業センターは、農業の担い手の育成や農業経営の合理化、農業知識の普及や農業技術の向上など、地域農業の振興を目指して、昭和52年に設置された施設でございます。

市では、これまで農業技師の専門知識を活かし、千葉県やJA市原市、商工会議所や生産者と連携しながら、水田の裏作に適した作物や、高付加価値農作物の栽培、地域ブランド化に向けた試験栽培や研究に、取り組んでまいりました。

 また、農業経営支援として、各種融資制度や補助制度などの有効活用、申請手続きについての助言なども行い、生産者の経営負担軽減へのサポートも、併せて実施しているところでございます。

 しかしながら、担い手不足や耕作放棄地の拡大など、農業の経営環境は、年々厳しさを増していることから、今後は、本市の農業が持続発展できるよう、千葉県やJA市原市など、関係機関との連携を強化しながら、農業生産法人や専業農家、及び兼業農家、それぞれのニーズに応えるべく、技術面・経営面の両面から支援を行ってまいりたいと考えております。